日常生活支援総合事業と指定申請

Care Biz Supportが開業支援させていただいている、

なでしこケア様が6月1日墨田区向島に訪問介護事業所をオープンしました。

http://www.nadecare.co.jp/

おめでとうございます。

 

なでしこケア様は墨田区の日常生活支援総合事業も実施する予定ですが、

各区市町村の日常生活支援総合事業に新規開業で参入するためには、

各区市町村個別に事業の指定申請をしなければなりません。

この新規指定申請事務は事業所にとって大きな負担ですね。

介護事業参入者を増やしていかなければならない現状で、

事業者の負担を増やすことはいかがなものかと思います。

都道府県の指定申請によってみなし指定にするべきだと思います。

それに、区市町村の事務担当者にも大きな負担でしょう。

考え直してもらいたいです。

 

Care Biz Supportでは新規に訪問介護・通所介護事業所の開業サポートをさせていただく場合、

区市町村の日常生活支援総合事業の指定申請を1区市町村のみサービスさせていただきます。

 

その日常生活支援総合事業ですが、各区市町村によりその取り組みはかなり温度差があるようです。

お客様の話から、何も取り組んでいない市などもあるようです。

介護予防の観点から各保険者は住民の介護度を上げず老化を防ぐ努力をしなければなりません。

住民の介護度が上がる➡保険給付が増える➡厚生労働省からペナルティーが来る、

みたいな流れの中で日常生活支援総合事業は計画実施しなければならないのですが、

あまり取り組みに熱心でない自治体は住民の要介護度がそれほど高くないのかもしれません。

とはいえ、財政的にはどこも厳しいはずですから、単に介護保険事業担当の人手不足かもしれません。

 

総合事業は概ね二つの事業にわかれているようです。

一つはリハビリ、体力強化系の事業。もう一つはボランティアやシルバー人材センターなどの安価なマンパワーを利用したお年寄りの生活支援です。

後者は家事援助が中心で今後、予防の家事援助はこちらに移行するものと考えられますが、

全国的に人手不足の折、安価なマンパワーの利用は虫が良いよような気もします。

現状、要支援のお年寄りの家事支援は、足や腰が痛くて買い物や掃除などの家事がままならない方に提供されている傾向があると思います。

こうした方への支援は単なる家事手伝いではなく、できることはやってもらう支援にしなければなりませんが、

総合事業の家事援助は単なる家事手伝いになる恐れがあります。

それでは介護予防にならないのではないかという声がいずれ上がってくるような気もします。

 

もうひとつのリハビリは運動支援と言い換えてもよいと思います。

これに栄養管理など総合的な体力強化のプログラムが加わり、いつまでも元気で暮らしていけるよう支援するものになるのでしょう。

お年寄りの体力を維持強化して、要介護にしないためには運動だけでなく食事の管理も大変重要です。

必要なカロリーは摂取していてもたんぱく質やミネラル・ビタミン摂取が不足して、

栄養失調になっているお年寄りが大変多いと聞きます。

軽度の認知症により偏食傾向になったり、買い物が億劫でコンビニ食だけで暮らしているお年寄りも多いのではないでしょうか?

こうした、生活を総合的に支援しようというのが総合支援事業ですが、毎日の食事をしっかり管理するのはなかなか難しいことではないかと思います。

運動は週2回程度、デイサービスなどで行えば十分に効果は期待できますが、

日々の食事は別の介入方法を考えないと、特に独居のお年寄りにはなかなか良い対策ができないような気がします。

 

配食弁当を利用することはバランスの良い食事を継続する意味では効果的な方法かもしれませんが、

お年寄りによっては味に飽きてしまったり、好みに合わなかったりで辞めてしまう人も多いようです。

食事習慣は長年積み重ねられた習慣であり、新しい環境になじむ対応力の落ちたお年寄りにとって、

改善することが難しい習慣であると思います。

要介護になって介護サービスが厚く入れるようになれば色々な対策がとれるとは思いますが、

要支援の方や未認定の方には介入が難しい部分だと思います。

 

現在行われている管理栄養士による特定健診・特定保健指導は主に生活習慣病を予防するための栄養指導です。

太りすぎやメタボリックシンドローム対策が主眼になっており、高齢者の体力低下を防ぐ意味での栄養管理はまだ広まってはいません。

先に述べたように介護予防のための栄養管理は運動管理と組み合わせて行う必要がありますが、

今のところそのような公的プログラムは試行段階で、スタンダードな方法論が確立されているわけではなさそうです。

逆に食品会社やライザップのようなフィットネス関連企業の方が積極的に高齢者向けの「食と運動」のプログラムや情報を提供しています。

https://activesenior-f-and-n.com/

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/120401432/?ST=health

地域の「食と運動」にどのように自治体が関与していくのか、今後の取り組みが注目されます。