18 介護ソフトについて
介護ソフトは多種多様なものがあります。
最低限の機能としては、国保連に請求データを伝送できれば良いのですが、業務の効率性や、書類整備の観点からできるだけIT機能を活用したいものです。
運営基準に則った書類を整備するためにも、IT危機は活用できます。
以下の書類がソフトで作成できるものが良いかもしれません。
①アセスメント
②訪問介護計画書
③サービス提供の記録書
④モニタリング
⑤ご利用者請求書
⑥同領収書
などです。
今はまだ紙ベースでもらっているケアプランも電子データに移行していくと考えられますから、開業当初から介護ソフトを活用したほうが良いと思いますが、ITに強くない人にはなかなかとっつきにくいかもしれません。
介護ソフト業者側でもそのことは分かっていて、ITに強くない経営者向けに訪問して使い方を教えるサービスや、電話やメールなどでサポートも充実させてきています。
IT関係の能力はとにかく使わないと身につけることはできません。
開業当初は利用者も少なく、ソフトの操作に割く時間も取れるでしょうから、できるだけ最初から積極的に導入していくことをお勧めします。
IT機能のポイントしてタブレットやスマホを利用したモバイル機能があります。
訪問先のお宅で様々な情報をモバイル端末に取り込んで、先に上げた書類が作成できる機能です。
訪問介護員一人に一端末必要になりますのでコストもかかってきますが、事務所で書類を作成する事務作業を考えると、結果的に時間の節約となり、事務コストの低減につながります。
厚生労働省でも介護事業所の事務作業の低減を図ることを目指しており、流れは完全にIT化の方向に向かっていますから、これに乗り遅れると将来的に事業の成長に支障をきたす可能性があります。
経営者がITに弱いとスタッフに教えることもできませんから、常勤職員の一人は介護スフとの使い方をマスターしなければなりません。
19 おすすめ介護ソフト
お勧めの介護ソフトを聞かれることが多いのですが、介護ソフトは日々バージョンアップしておりどれがベストかをお勧めすることが難しい状況です。
使ってみないとわからないこともありますので、周りの介護関係者に聞いてみるのも一つの手ですが、その人たちも他社と比較しているわけでは無いので、信頼できる情報とは言いにくいでしょう。
国保連への伝送の他、基本機能として以下のものが使えるソフトが良いと思います。
①モバイル端末が使える
②上述の書類が作成できる
③パートヘルパーの給与管理ができる
④障害者居宅サービスに対応している
⑤居宅支援や他の介護事業にも広く対応している
比較サイトがありますので、開業を決めた段階で資料請求して、比較検討することをお勧めします。
また、サポート体制が地域によって変わります。開業地により訪問サポートがしてもらえない場合もありますから、チェックが必要です。
【介護ソフト比較サイト】
http://www.kaigosoftnavi.com/
パッケージ型とクラウド・ASP型がありますが、クラウド・ASP型の方が初期費用を安く抑えられます。
ただし、利用者が増えると値段が高くなりますので、利用者40名程度の場合の利用料を比較してみましょう。
最初から利用者が沢山想定される場合(老人ホームや老健など)はパッケージ型の方が安い場合があります。
介護ソフトを切り替えることは利用者数が少ないときは比較的簡単ですが、利用者数が増えるとデータの移行作業が大変になりますので、開業当初はクラウド・ASP型を利用して利用者数が増えていく段階で、他のものに切り替えても良いでしょう。
20 IT導入補助金
介護ソフトの導入の際、モバイル機器の活用など一定の基準を満たすと、助成金が受けられる制度があります。
https://www.it-hojo.jp/
介護ソフト業者側でこの助成金を申請してくれる場合があります。
もし、助成金が活用できるようでしたら利用したほうが良いですが、申請時期が短いのでタイミングが合う必要があります。
21 利用料金の徴収
ご利用者から自己負担分の利用料金を徴収する必要があります。
開業当初は現金で集金していても良いでしょうが、利用者数が増えると業務負担が増えていきます。
また、パートスタッフなどに集金を任せると、トラブルが発生する場合がありますのであまり好ましくありません。
(認知症のご利用者から不正に集金して着服している従業員が逮捕されたりしています)
早い時期に、公共料金の口座振替(自動引き落とし)と同じような、口座振替サービスを利用したほうが良いと考えます。こちらも手数料などを比較してみてください。
【口座振替サービス比較】
https://kessaiservice-hikaku.com/
なお、上記の比較サイトにはありませんが、ゆうちょ銀行専用の自動払込サービスが比較的安く利用できます。ただし、ご利用者がゆうちょ銀行に口座を持っていないとなりません。
この項終わり