小規模事業所のための人材確保術─ホームページとSNSの活用 その2

 

 

7 SNSの活用

 

 ここまで述べてきた事業所のホームページを魅力的にするための具体的な方法として、SNSを活用することをお薦めします。
 事業所のホームページのトップにリンクを張っておき、更新すると反映するようにします。

(SNSについての一般的な説明)https://www.xserver.ne.jp/blog/about-sns/

 使いやすいSNSは以下の通りです。

 

≪X(旧:ツイッター)≫ 

https://x.com/?lang=ja
 10代、20代の利用が多く、テキスト中心ですが、画像や動画も発信可能できます。リポスト(リツイート)機能があるため、魅力的なコンテンツは拡散されやすく、バズると多くの人に拡散され広告宣伝効果は絶大です。
 日常的な情報の発信に向いていますので、日々事業所内外で起きたちょっとした出来事を発信すると良いでしょう。

 

≪Instagram≫

https://www.instagram.com/
 写真や動画がメインのSNSで20・30代の利用が多いです。職場の雰囲気や同僚社員の様子をよりリアルに伝えることが可能です。
 Xと同じように日々のちょっとした写真などをコメントを添えてアップします。写真は何でもよく、あまり考えすぎると続かなくなります。
 (写真の例:今日の私服、昼食やお弁当、おやつ、協力してくれる利用者さんの様子、スタッフの飼い犬などの写真、など)。

 

≪Facebook≫ 

https://www.facebook.com/?locale=ja_JP
 ビジネスでよく利用されています。30代以降の層が多く、他SNSよりややフォーマルな内容です。ケアマネージャーなどプロフェッショナルな層の採用に向いています。
 同じ職業の人たちが情報を交換する際に役立ちますので、専門的な投稿ができる場合は活用できます(例:ケーススタディーの紹介・デイサービスのレク・認知症介護のテクニックなど)。

 

≪TikTok≫ 

https://www.tiktok.com/ja-JP/
 若い人材を集めたい場合はTikTokがおすすめです。
 TikTokは短い動画を投稿するSNSで、簡単に面白い動画が作れるので人気です。拡散力も高く、人気になると大きな宣伝効果があります。
 ほかのSNSを利用しながら時々、TikTokをアップするのも有効です。職場の楽しい雰囲気を演出できます。

 

≪YouTube≫ 

https://www.youtube.com/
製作に企画立案や準備が必要で、映像の知識やテクニックが無いと魅力的なコンテンツにはしにくいです。得意なスタッフがいる場合や余裕があれば利用しましょう。
 企画例:研修動画・サービス提供風景・会社のイベント風景(BBQや旅行など)など
 編集やナレーション・字幕入れなどは、外部委託できます。https://coconala.com

 以上のほか、続々新しいSNS系アプリが登場しますので、色々試してみるのも良いでしょう。

 

8 SNSを利用する場合の注意点

 

≪できるだけ楽しんで発信する≫

 担当者以外は義務ではなく、やりたい人だけで楽しみながら取り組みましょう。顔出しOKのスタッフだけで、やりたくない人は強要しない方が良いです。
 TikTokなどはふざけているようにも見えますので、不謹慎だと思う職員もいるでしょう。
 しかし、職場の楽しい雰囲気が伝わることで、特に若い人には訴求しますのでめげずに取り組みましょう。

 

≪定期的な投稿を心がける≫

 ある程度スケジューリングして、定期的な投稿を心がけましょう。
 定期的な投稿をすることで、テクニックも向上しコンテンツが磨かれ、受けが良くなります。結果フォロアーが増え、SNSそのものが盛り上がり、初めて訪れた求職者にも好印象を与えます。
 受けのよかったコンテンツをホームページのトップにアップして、ファーストインプレッションを良くします。

 

≪内容は思いつきで良い≫

 マンパワーが無い小規模事業所では、頑張って構えて取り組んでも、費用対効果が良くありません。あまり時間をかけず、昼休みにサクッとやってみる程度で良いでしょう。
 できれば、求職者目線に立ったコンテンツをYouTubeなどで上げられると良いですが、それがつらい仕事になってしまう場合は無理しない方が良いでしょう。

 

≪新入職員を巻き込んでゆく≫

 ホームページやSNSに反応して応募してきた人は、その雰囲気にひかれてきた人たちですから、SNSでの発信に協力してくれるはずです。新入スタッフをどんどん巻き込んで継続的に発信をしましょう。

 

 

9 活用事例

≪さんしゃいんケアサービス≫ 

https://sunshine-cs.com/

 社長や管理者を中心に、積極的に事業所の情報を発信しています。SNSそのものを楽しみながら、ホームページのコンテンツに盛り込んでいます。結果、若い応募者が画期的に増加し、子育て主婦層のパートヘルパーが口コミで応募してくるなど、人材確保に大きな実績を上げています。

 

≪ホートンケアサービス≫ 

https://www.horton-care.jp/

 障害福祉の在宅サービスを中心に事業を展開している会社です。YouTubeを中心に定期的にネット・ラジオ形式で情報発信をしています。
 テーマは福祉や介護に関係することで、初心者にもわかりやすい内容で優しさが伝わってくるようなコンテンツになっています。
 新しい職員を確保し、23区から多摩地区へとサービス提供地域を広げています。

 

10 最後に

人材確保の方策においては、新しく人を雇うことに努力するよりも、せっかく雇用した職員が辞めない就労環境作りに努力することが先決です。

https://carebizsup.com/?p=827 訪問系サービスのスタッフ獲得術・定着術