訪問介護設備基準


1 事業所物件について

(1)建物について

 訪問介護を開業する建物は一軒家でもマンションやアパートの一室でもOKです。しかし、自宅と兼用する場合は、自宅と事業所の入り口が別々であり、それぞれのスペースが明確に分かれている必要があります。
 介護以外の他の事業と事務所を兼用する場合は、自宅ほど制限はありませんが、実際には間取り図などを持って、区市町村に相談したほうが良いでしょう。自治体によって判断が異なる場合があります。

(2)フロアー階について

 自治体によっては、2階以上に事務所があり、エレベーターなどが無い場合、ご利用者が事務所を訪問する際の、手段を明示することが求められる時があります。
 できれば1階か、エレベーターのある物件が好ましいでしょう。

(3)市街化調整区域など

 これもローカルルールですが、開業地が市街化調整区域など特別な区域の場合、自治体によっては指定が下りない場合もあります。
 市街化調整区域とは開発に制限がある農林水産業の保護が必要な田園地帯などです。事務所を探す場合あらかじめ自治体に確認が必要です。

2 事務所について

(1)事務スペース

 事務スペースは机や椅子などの必要な備品が置けるスペースがあればOKです。最低でも10㎡(6畳ぐらい)あれば大丈夫でしょう。

(2)相談室

 相談室は事務スペースとパーテンションなどで区切られ、相談内容が外に聞こえないなど、プライバシーが守られる状態が求められます。
 パーテーションは布製のカーテンでは不可の場合が多く、声が聞こえにくい、厚さのあるボードなどが好ましいでしょう。ドアで閉じられる別室であればベストです。
 また、相談室に窓がある場合、カーテンなどで外部から見えないようにする方が良いでしょう。広さは、最低でも椅子2脚とテーブル1台が置ける必要があります。

(3)その他

 駐輪場や駐車場の設置義務はありませんが、運営上考慮に入れておく必要があります。スタッフが使う自転車や車の管理場所は物件を選ぶ際にチェックが必要です。

3 設備・備品について

(1)鍵付き書庫

 鍵で管理できる書庫です。開業時は最低でも40人分のファイルが保管できる大きさの書庫が必要になります。事務什器の90cm×90cm以上の書庫が必要でしょう。 なお、書庫の扉はガラス張りではなく中が見えない方がベターでしょう。

(2)手指洗浄設備

 スタッフが手洗いできる設備です。トイレ内の手洗い設備は不可です。キッチンなどの流し台を利用する場合は、原則キッチンとして使用することができません。
 事務所物件を選ぶ際は、できれば洗面所が独立してある物件を選ぶ方が良いでしょう。なお、自治体によっては、ペーパータオルの使用や玄関に消毒設備(消毒液ボトルなど)設置を求める場合があります。


このエントリーをはてなブックマークに追加