パブコメから次期介護保険改正の全容(居宅基準)が明らかに その2

 前回の続きです。

 次期改正の居宅サービス関係のトピックを取り上げます。

 

 

福祉用具貸与の全国平均貸与価格の利用者への説明義務化

 

 地味ですが、少々面倒な義務化です。

 

 福祉用具貸与については来年度より、「福祉用具届出システム」が稼働し、3010月には全国平均貸与価格が公表されるようになるようです。

http://www.techno-aids.or.jp/visible/index.shtml

 これにより福祉用具貸与事業者は福祉用具の平均貸与価格を把握できるようになります。

 

 福祉用具貸与をする場合は自事業所が貸与する価格を示すとともに、当該福祉用具の全国平均価格を利用者に示さなければならないことになるわけです。

 検索はTAISコードなどで簡単にできると思いますが、問題なのは現在の自事業所の料金設定が全国平均よりも高いときは、料金改定をする必要が出てくることです。

 

 あくまで事業者の判断ですが、全国平均よりも高い場合は同価格程度に改定したいところです。

 福祉用具の料金改定は既に貸与している用具にも及びますから、それも変更する場合は作業としてはかなり面倒になるでしょう。

 

 また、平均価格は逐一変動する可能性がありますから、それに追随して料金を変動させる必要が出てきます。少しでも平均価格が下がり自事業所の価格よりも安くなれば、そのたびに貸与価格を変えなければならないという、面倒な作業が発生する可能性があります。

 

 

平均価格は福祉用具貸与計画書に明示か

 

 平均価格の説明の仕方は、自事業所の貸与価格と平均価格を福祉用具貸与計画書に併記して説明する方法がもっとも良いと思います。

 福祉用具貸与計画書を作成する際に平均価格を調べ、もし自価格が高い場合は修正する必要があるかもしれません。

 

 また、次期改正では、価格の上限額が設けられるようですので、それを超えた価格設定はできなくなります。

 

 

商品の説明が義務化

 

 また、次期改正では「貸与しようとする商品の特徴」や「機能や価格帯の異なる複数の商品を利用者に提示すること」も同時に義務化されます。

 

 こちらは現状でもカタログを利用して説明していることと思います。

 今後はこの手続きが必須となります。

 利用者に説明なく事業者が勝手に商品を選択して提供してはいけません。

 

 ちなみに「福祉用具選定理由」という言葉があります。

 これを、「福祉用具専門相談員がなぜその商品を選定したか」という理由であると理解して、計画書にその理由を記入している事業者がいますが、本来は、「商品」の選定理由ではなく、特殊寝台や車いすなどの福祉用具の種類に関する選定理由です。

 

 そして、特殊寝台や車いすを使わなければならない理由は、福祉用具専門相談員一人が考えるのではなく、あくまで本人及びケアマネ他の専門職がサービス担当者会議などで話し合い、選定するものです。

「介護保険における福祉用具の選定の判断基準」

http://www.city.omihachiman.shiga.jp/cmsfiles/contents/0000008/8828/yougubetu.pdf

 

 今回、商品の説明が義務化されたことで、商品の選択は、福祉用具専門相談員が本人や家族にその特徴などを説明して選択することがはっきりしました。

 福祉用具貸与計画書には種類の選択理由を記入し、必須ではありませんが、場合によっては「商品の特徴」という欄を設けるなりして、明記しても良いでしょう。

 

 

ケアマネージャーの主治医への情報提供義務化

 

 以下の2点が義務化されます。

 

①意見を求めた主治医に対してケアプランを交付すること

②把握した利用者の状態等について、主治医に必要な情報伝達を行うこと

 

 これらの情報提供をこまめにやっているかどうかで、居宅介護支援事業所の評価が分かれるようになるかもしれません。

 医師と対等に話ができる資質をケアマネージャが持つことを求められていると思います。

 医師は日常生活の状態まではなかなか把握できませんから、食生活や服薬状況、ADLの状況などは介護職が把握して情報提供してほしいという趣旨だと思います。

 

 

身体的拘束等の適正化

 

 施設や居住系のサービスで身体拘束に対する管理が厳密になります。

 以下の項目が義務化です。

 

①身体的拘束等の記録

②身体的拘束等の検討委員会を3月に1回以上開催し、その結果について従業者に周知徹底を図る

③身体的拘束等の適正化のための指針の整備

④研修を定期的に実施する

 

 今後は、実地指導などではこれらの実施を裏付ける資料や記録がチェックされるようになります。

 

 不適切な身体拘束や虐待は行政の指導対象になるだけでなく、事業所の存続も危険にさらすものです。

 今回義務化される事柄を適正に実施していても、たった一人の職員の行為により問題が発生する可能性があります。

 

 不適切な身体拘束や虐待を防止するには、上記の義務化された事柄を実施すればよいわけではありません。虐待を発生させない職場づくりが重要であり、そのためには管理者や経営者の意識が重要になると考えます。

 

 介護現場での不適切な身体拘束や虐待を防止する方法については、こちらの記事も参考にしてください。

http://carebizsup.com/?p=1084

 

 

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