訪問介護の特定事業所加算は、質の高いサービスを提供する事業所に対してインセンティブとして支給される加算と考えて良いでしょう。
特定事業所加算Ⅱでも10%加算(Ⅰは20%)できますので、単純に事業所の収益を10%増収できます。クオリティーの高いサービスを提供し他と差別化ていくためにも、加算取得を目指した方が良いと筆者は考えています。
しかし、いざ加算を取得しようと思っても、各種要件をどのように整備していけばわからない方も多いでしょう。特に「訪問介護員等の技術指導を目的とした会議」とはどんな会議?研修と何が違うの?という疑問が湧くのではないでしょうか。
特定事業所加算のスタッフ会議で何をやれば良いのか
国の指針でこの会議では
「利用者に関する情報若しくはサービス提供に当たっての留意事項の伝達又は当該指定訪問介護事業所の訪問介護員等の技術指導を目的とした会議(サービス提供責任者が主宰し、登録ヘルパーも含めて、当該事業所においてサービス提供に当たる訪問介護員等のすべてが参加)を概ね 1 月に 1 回以上開催し、その概要を記録しなければならない。(グループ別開催も可)」
となっています。
そして、実地指導などでは、このかいご会議の開催を証明する。
「会議日程表」「会議次第」「会議議事録」「利用者に関する情報を伝達した文書(会議資料等)」「会議出席者名簿」等会議の実態が分かる書類
が必要とななります。
整理してみますと、この会議では、
(1)利用者に関する情報若しくはサービス提供に当たっての留意事項の伝達
もしくは
(2)指定訪問介護事業所の訪問介護員等の技術指導
を、行えばよいわけです。
(1)か(2)のどちらかで良く、両方やる必要はないようです。
スタッフ研修と同時に開催すると効率的
(2)の要件は、どちらかというと「社内研修会」です。この研修は特定事業所加算のスタッフ個別に目標を設定した研修と違いがあるのでしょうか?
この点について国は特に指針を示していませんので、「個別の目標を設定した研修」をこれによって行うことは可能です。
筆者は、お世話させていただいている訪問介護事業所に、月に1回「会議」+「社内研修」を行う日を設定してくださいと提案しています。
非常勤スタッフも含め全員の研修目標を年度当初に作成し、年間の社内研修の中でそうした目標をクリアできるように計画を作成し実施すれば、個別研修計画の要件はクリアします。特別にお金を出して外部研修を受けても良いのですが、社内研修だけでもこの要件は十分クリアするのです。
つまり、「技術指導会議」は「社内研修会」読み替えて良いということです。
「運営要項」を作る
この会議+研修会の運営を効率的に行うには、「運営要項」作成するのが良い方法であると思います。
以下に例を示します。
〇〇訪問介護ステーション スタッフ会議及び社内研修会運営要項
1 目的
本「スタッフ会議及び社内研修会」は、以下の目的で開催する。
(1)利用者に関する情報若しくはサービス提供に当たっての留意事項の伝達
(2)訪問介護員等の介護技術・知識の研鑽
2 開催者(会議司会者)
サービス提供責任者の主宰で開催する
※小規模な事業所でしたら事業所で一体的に開催すればよいでしょう。規模の大きな事業所でしたら、サービス提供責任者ごとに開催することも考えられますが、スタッフが重複する場合は非効率です。利用者100名程度までであれば、一体的開催でまかなえると考えます。
3 開催日時
別紙「スタッフ会議及び社内研修会年間開催日程」のとおり
※「毎月第〇、△曜日」などと決めておくと良いでしょう。会議と研修で2時間程度が目安であると考えます。
4 開催場所
○○訪問介護ステーション会議室
※適当な会議室が無い場合、区市町村の生涯学習センターや公民館でしたら、安価で会議室を確保できます。
5 会議の内容
「利用者に関する情報若しくはサービス提供に当たっての留意事項の伝達」については以下の内容を伝達・話し合う
① 前回会議からの持ち越し事項の確認
② 当月、ケアプランの更新・変更を行う予定の利用者について(アセスメント・モニタリング情報)
③ 前月、ケアプランの更新・変更を行った利用者について(アセスメント・モニタリング情報)
④ 上記以外、サービス変更がある利用者について
⑤ 困難ケース等の対応について
⑥ 利用者からの苦情及び改善方策・ひやりはっと報告
⑦ 制度改正、行政からの連絡事項、感染症情報など
⑧ その他必要な事項(新規営業先の情報・新スタッフ紹介など)
6 社内研修会の内容
訪問介護員等の介護技術・知識の研鑽
研修会の内容は別途「〇〇訪問介護ステーション スタッフ研修計画表」により実施する。
※別途年間計画表を作成します。この研修計画は、加算の要件である「個別研修計画」と一体的です。
7 欠席者の扱い
本「スタッフ会議及び社内研修会」に欠席したものについては、別途担当のサービス提供責任者より、会議内容の伝達及び研修補講を受けなければならない。
8 その他
必要な場合は残業手当を支給
次回は実際の運営方法や記録の残し方についてご説明します。