ケアマネ試験勉強法 その2

 

 前回の続きです。

 

ノートの右側に暗記すべき言葉を抜き出す 

 

 過去問が終了しましたら、左側のノートを読みながら、絶対に覚えなければならないワードを右側に書き出していきます。

 できれば赤など目立つ色で書き出すと良いでしょう。

できるだけキーワードを厳選し、ポイントだけを書き出します。あまり量が多いと効率が悪くなります。

 暗記はこれを覚える作業になります。

 

 この時点でかなりの知識が身についていると思います。

 ノートの右側は試験前のラストスパートで暗記し、少しでも多くの点を取ることを目指します。

 

 

勉強のスケジュール

 

 中央法規のワークブックは春には書店に並ぶはずです。

 法改正があるので少し遅れるかもしれませんが、2017年は2月でした。

 

 勉強のスケジュールを4月スタートでシミュレーションします(当然ですがもっと早くても良いです)。

 試験は10月初めなので期間は6カ月間です。

 

①マーカー付け(1か月)

 ワークブックは420ページぐらいありますので、114ページ 1週間で100ページ程度進めば、1か月で終了します。

 11時間程度あれば可能かなと思いますが、同じ内容のものが何度も出てきたりしますので、早く進む時と、進まない時があるかもしれません。

 単なるマーカー付けですから、電車の中でも可能です。隙間時間に処理していきましょう。

 

②ノートの左側作成(4か月)

 ノート作成作業は時間がかかりますが、ながら作業でできますので、夕食後の1時間程度リラックスしながらやって行けばいいと思います。私はTVを見ながらダラダラとやっていました。

 何も勉強机に向かって必死に勉強する必要はありません。あくまで作業と割り切って、家事の合間や、子供の世話の合間に行ってください。

 

 1カ月で100ページ程度ですから、134ページが目標です。1週間で25ページ程度こなしてください。

 ノート作成ではどうしても見栄えを良くしようとしてしまいます。しかし、見栄えを重視すると時間がかかりますから、自分が分かれば良いレベルで妥協しましょう。

 

③過去問・模擬問題集(1週間)

 試験1か月前です。ここからは少し頑張って、集中して勉強するようにしましょう。

 過去問は2年分で120問です。模擬問題は200問程度あります。両方やる人は少し時間を割かないとならないでしょう。

 答えの確認と知らない知識のノート転記併せて、12時間程度あればすべてやることは可能だと思います。

 

③ノートの右側作成(3週間)

 この作業も12時間ぐらいで完了できると思います。

 ノートが3冊あれば11週間です。

 

④暗記(1週間)

 試験前1週間はノートの右側を中心にただただ暗記します。暗記の作業はこれだけです。

 ノートの内容確認は試験場でも最後の最後まで粘って行いましょう。

 

 

来年度は改正部分が必ず出る

 

 ノートを作成する場合、来年度の法改正部分は重点的にチェックするようにします。

 各種基準や新加算など、必ず出ますので、絶対にマスターするようにしてください。

 

  また、中央法規の過去問には、過去の出題傾向がキーワードで整理されています。これを見ると、毎年必ず出題されるキーワードや1年おきに出題されるキーワードがわかります。ワークブックの出題ランクと合わせてノートを作成する際に参考にすると良いと思います。

 

 

 

加算の算定条件

 

 ワークブックには各種加算の算定条件がすべて出ているわけではありません。

 時間に余裕がある場合は、都道府県などの介護保険セクションのホームページで各種加算の算定条件をチェックしても良いかもしれません

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/hoken/kaigo_lib/tuutitou/index.html

 ちなみに来年度強化される、訪問介護とリハの生活機能向上連携加算は必ず出るのではないかと読んでいます。

 

 

高齢者の病気の知識

 

 高齢者の病気に関する知識は、かなり細かい部分まで出ることがあります。

 簡単ないようでしたらWAMNETの「高齢者に多い疾患の基礎知識」をチェックすると良いでしょう。

http://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/kaigo/caremanager/caremanagerworkguide/caremanagerworkguide_14.html

 

 もっと深く勉強したい方はNHKの「きょうの健康」が良いと思います。

http://www4.nhk.or.jp/kyonokenko/

 高齢者に多い病気の知識をかなり詳しく解説してくれます。テレビを録画しても良いですが、面倒な人は、図書館でバックナンバーを借りてきても良いのではないかと思います。

 

 「きょうの健康」のテキストはケアマネの仕事をする人なら是非読んでおきたい雑誌です。最新の病気の知識が載っていますので、継続的にチェックしたいものだと思います。

 

 

試験本番は集中力あるのみ

 

 本番は120分で60問を解かなければなりません。

 1問2分しか使えません。私の作戦は以下の通りです。

 

1度読んで明らかに○か×か分かる選択文だけチェックしてどんどん先に進む。

②ただし引っかけがあるので、選択文はかなりじっくり読まなければならない。

③この方式により1時間で60問をチェックする。

④残りの1時間でよくわからない問題に取り組む。

⑤最後の最後まで粘る

 

 前日はしっかり睡眠をとりましょう。

 前日の夜と、当日の朝はしっかり糖質を取り、脳に栄養を与えましょう。

 

以上この項終わり。

 

ケアマネ試験勉強法 その1

 

 

 今回は趣を変えてケアマネ試験の勉強法について書きたいと思います。

 

 このような仕事をしていることもあり、また、今後自ら介護事業をやっていきたいという目論見もあるため、今年度のケアマネ試験を初めて受験しました。

 

 結果は、60問中53問正解(正答率88%)で無事一発合格できました。

 

 90%を目指していたのですが、試験時間が足りず、最後の方は焦ってしまい、思ったより手こずった感がありましたが、結果としてはまずまずという感想です。

 

 今回はケアマネ試験に挑む方に向けて、自己流ですが勉強法をご紹介しようかと思います。この勉強法はケアマネだけでなく他の資格試験でも通用すると思います。

 

 

使ったテキストは3

 

 テキストは中法規出版の以下の3冊のみです。

 

ケアマネジャー試験 ワークブック2017 3,024円(税込)

ケアマネジャー試験 過去問解説集2017 3,024円(税込)

ケアマネジャー試験 模擬問題集2017 3,024円(税込)

https://www.chuohoki.co.jp/skillup/manager/index.html?limit=20

 

 中央法規出版からお金をもらっているわけではありませんが、介護福祉士の過去問題集も使いやすく、本屋で立ち読みして他のテキストと比べてみると、やはりケアマネ試験でもこのテキストが使いやすいと判断しました。

 講座などは受講していません。テキストのみの学習です。

 

過去問だけでは合格ラインは難しい

 

 介護福祉士の場合は過去問だけでも合格できますが、ケアマネの場合は過去問だけでは合格は難しいと感じました。

 ケアマネ試験の出題範囲を網羅している「介護支援専門員基本テキスト」は1608ページもあり、かなり膨大な量です。

http://www.nenrin.or.jp/publishing/caremanager_1.html

 この量をカバーするためには過去問だけでは不足だと思います。

 

 中央法規のワークブックは出題範囲をほぼ90%カバーしており、こちらで勉強することで合格ラインまでの知識が身に着くと思います。

 

 

勉強は作業と考える(重要)

 

 ある程度ケアマネ試験の内容を知っている人であれば、過去問は後回しで良いでしょう。

 どんな問題が出るのかわからない人は直近の過去問をさっとやって雰囲気をつかんでも良いかもしれません。

 

 まずは、ワークブックにマーカーを引く作業です。

 この時点では暗記する必要はありません。暗記は最後の最後の勉強方法です。

 あまり早い時期に暗記しようとしても、試験の頃には忘れてしまう場合もあります。

 また、法制度など体系的に覚えた方が良いものは全体を理解してから暗記したほうが覚えやすいと思います。

 

 ワークブックに目を通しながら以下の事項にマーカーしていきます。

 

①自分の知らない知識

②これは出そうだと思う部分(特に間違いやすそうな部分)

 

 ワークブックには頻出分野にABとランクが付けられていますが、マーカー付けの際はランクは無視し淡々と作業に没頭します。

 

 暗記は結構ストレスですが、テキストを読みながらマーカーを引く作業は、比較的楽にできるはずです。ほとんど読書と同じです。

 夕食後テレビを見ながらでもできます。私は、時々お酒を飲みながらこの作業をしていました。

 

 おそらくこの作業をしなければ、新総合事業や地域支援事業などのややこしい体系は理解できなかったでしょう。

 これらの事項は過去問だけではなかなか理解できません。

 

 

ノート作成作業

 

 マーカーを引き終えたら今度はそれをノートにまとめる作業です。

 私の使ったノートはA5版のコンパクトで持ちやすい物です。

 最後の暗記はこれで行いますので、持ちやすい物が良いです。

 

 まとめ方は自分で理解できればどんな形でも結構ですが、コンパクトにまとめる方が後々楽かと思います。

 テキストを丸写しするような方法は時間の無駄です。要点だけをコンパクトにまとめましょう。

 

 重要なのはノートの片側(左側)にまとめていくことです。右側は左側がまとまったあと暗記ポイントを抜き書きする用にとっておきます。

字が汚いですが自分で分かればそれでいいです

 

 だいたい3冊程度のノートが必要だと思います。できるだけ良い紙を使っているノートと、書きやすいペンを使ってください。作業が楽になりますし、結構楽しめます。

 マーカーなどで強調したりカラフルにすることは勝手ですが、時間がかかりますので、私の場合は黒1色です。

 

 

ノートの左側作成が済んだら過去問を解く

 

 ノートにまとめたことである程度の知識が身についているはずです。

 次に過去問に取り組みましょう。これで現在の力量が確認できます。7割正答できれば合格は近いです。

 既に過去問をやってしまっている場合は、模擬問題を解きます。

 

 過去問を解く際も覚えるのではなくクイズに答えるように解いていけば良いです。

 初めて試験に挑戦する人は、過去問に取り組むことで、試験の出題の癖がわかります。

 結構細かい知識が必要なこと、引っかけがたまにあることなどを理解します。

 

 過去問や模擬問題をやりながら自分の知らない知識が出てきたらマーカーをします。そしてマーカーした部分をノートに追記します。

 

 次回に続く。

 

 

 

パブコメから次期介護保険改正の全容(居宅基準)が明らかに その2

 前回の続きです。

 次期改正の居宅サービス関係のトピックを取り上げます。

 

 

福祉用具貸与の全国平均貸与価格の利用者への説明義務化

 

 地味ですが、少々面倒な義務化です。

 

 福祉用具貸与については来年度より、「福祉用具届出システム」が稼働し、3010月には全国平均貸与価格が公表されるようになるようです。

http://www.techno-aids.or.jp/visible/index.shtml

 これにより福祉用具貸与事業者は福祉用具の平均貸与価格を把握できるようになります。

 

 福祉用具貸与をする場合は自事業所が貸与する価格を示すとともに、当該福祉用具の全国平均価格を利用者に示さなければならないことになるわけです。

 検索はTAISコードなどで簡単にできると思いますが、問題なのは現在の自事業所の料金設定が全国平均よりも高いときは、料金改定をする必要が出てくることです。

 

 あくまで事業者の判断ですが、全国平均よりも高い場合は同価格程度に改定したいところです。

 福祉用具の料金改定は既に貸与している用具にも及びますから、それも変更する場合は作業としてはかなり面倒になるでしょう。

 

 また、平均価格は逐一変動する可能性がありますから、それに追随して料金を変動させる必要が出てきます。少しでも平均価格が下がり自事業所の価格よりも安くなれば、そのたびに貸与価格を変えなければならないという、面倒な作業が発生する可能性があります。

 

 

平均価格は福祉用具貸与計画書に明示か

 

 平均価格の説明の仕方は、自事業所の貸与価格と平均価格を福祉用具貸与計画書に併記して説明する方法がもっとも良いと思います。

 福祉用具貸与計画書を作成する際に平均価格を調べ、もし自価格が高い場合は修正する必要があるかもしれません。

 

 また、次期改正では、価格の上限額が設けられるようですので、それを超えた価格設定はできなくなります。

 

 

商品の説明が義務化

 

 また、次期改正では「貸与しようとする商品の特徴」や「機能や価格帯の異なる複数の商品を利用者に提示すること」も同時に義務化されます。

 

 こちらは現状でもカタログを利用して説明していることと思います。

 今後はこの手続きが必須となります。

 利用者に説明なく事業者が勝手に商品を選択して提供してはいけません。

 

 ちなみに「福祉用具選定理由」という言葉があります。

 これを、「福祉用具専門相談員がなぜその商品を選定したか」という理由であると理解して、計画書にその理由を記入している事業者がいますが、本来は、「商品」の選定理由ではなく、特殊寝台や車いすなどの福祉用具の種類に関する選定理由です。

 

 そして、特殊寝台や車いすを使わなければならない理由は、福祉用具専門相談員一人が考えるのではなく、あくまで本人及びケアマネ他の専門職がサービス担当者会議などで話し合い、選定するものです。

「介護保険における福祉用具の選定の判断基準」

http://www.city.omihachiman.shiga.jp/cmsfiles/contents/0000008/8828/yougubetu.pdf

 

 今回、商品の説明が義務化されたことで、商品の選択は、福祉用具専門相談員が本人や家族にその特徴などを説明して選択することがはっきりしました。

 福祉用具貸与計画書には種類の選択理由を記入し、必須ではありませんが、場合によっては「商品の特徴」という欄を設けるなりして、明記しても良いでしょう。

 

 

ケアマネージャーの主治医への情報提供義務化

 

 以下の2点が義務化されます。

 

①意見を求めた主治医に対してケアプランを交付すること

②把握した利用者の状態等について、主治医に必要な情報伝達を行うこと

 

 これらの情報提供をこまめにやっているかどうかで、居宅介護支援事業所の評価が分かれるようになるかもしれません。

 医師と対等に話ができる資質をケアマネージャが持つことを求められていると思います。

 医師は日常生活の状態まではなかなか把握できませんから、食生活や服薬状況、ADLの状況などは介護職が把握して情報提供してほしいという趣旨だと思います。

 

 

身体的拘束等の適正化

 

 施設や居住系のサービスで身体拘束に対する管理が厳密になります。

 以下の項目が義務化です。

 

①身体的拘束等の記録

②身体的拘束等の検討委員会を3月に1回以上開催し、その結果について従業者に周知徹底を図る

③身体的拘束等の適正化のための指針の整備

④研修を定期的に実施する

 

 今後は、実地指導などではこれらの実施を裏付ける資料や記録がチェックされるようになります。

 

 不適切な身体拘束や虐待は行政の指導対象になるだけでなく、事業所の存続も危険にさらすものです。

 今回義務化される事柄を適正に実施していても、たった一人の職員の行為により問題が発生する可能性があります。

 

 不適切な身体拘束や虐待を防止するには、上記の義務化された事柄を実施すればよいわけではありません。虐待を発生させない職場づくりが重要であり、そのためには管理者や経営者の意識が重要になると考えます。

 

 介護現場での不適切な身体拘束や虐待を防止する方法については、こちらの記事も参考にしてください。

http://carebizsup.com/?p=1084

 

 

パブコメから次期介護保険改正の全容(居宅基準)が明らかに その1

 

 

 

 来年4月より施行される改正介護保険法の各種基準に関するパブリックコメント募集が始まりました。

「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令(仮称)案等に係るパブリックコメントの開始について」2017/12/4

 

 この内容が介護保険事業(居宅サービス)の各種基準の改正点と言ってよいでしょう。

 報酬関係についてはまだ全貌はわかりませんが、基準面の変更点はこのパブリックコメントが全容になると考えます。

 

 今回はこの改正内容のトピックをご取り上げたいと思います。

 

 

居宅介護支援事業所の管理者は2021年から主任CMへ

 

 経過措置を設けて2021年に居宅の管理者は主任ケアマネージャーでなくてはできなくなります。

 

 経過措置の内容はわかりませんが、現在、居宅支援事業所の管理者で、主任CMではない人は、この経過期間中に研修を受け、主任CMにならなくてはいけないという措置になるのではないかと予想されます。

 

 

主任CMの争奪戦も

 

 すべてのCM管理者が研修を受けられるよう、区市町村が配慮してくれることは考えますが、現任CMが研修を受けられない場合、主任CMを新たに雇用しなければなりません。

 そのため、2021年に向けて主任CMの争奪戦が起こるかもしれません。

 

 居宅介護支援事業者は、2021年に向けて、主任CMの確保に努力する必要があります。そのためには、現任管理者の継続的な雇用のための処遇面や任用面での優遇を図る必要があるかもしれません。

 

 CMとしての能力が劣る場合や、CM業務をあまり行っていな管理者は、主任CMの研修が受けられない場合も考えられます。

 今のうちから2021年以降の業務継続に向けて、業務能力のあるCM管理者の確保を進めていくべきでしょう。

 

 

訪問介護に新たな義務規定

 

 以下の基準が加わるようです。

「訪問介護の現場での利用者の口腔に関する問題や服薬状況等に係る気付きをサービス提供責任者から居宅介護支援事業者等のサービス関係者に情報共有することについて、サービス提供責任者の責務として明確化する。」

 

 上記の運営基準が加わると何が変わるでしょうか?

 

 まず、運営規定にこのサービスの提供を明示しなければならないでしょう。また、アセスメントにおいて口腔や服薬に関する項目を必ず入れる必要があります。

 さらに実地指導などで、この情報提供の事実があるかどうかの確認がされると考えなければなりません。

 ケアマネへの情報提供や連絡時に少し意識してこの情報を伝えるようにする必要があります。

 

 

訪問介護員への研修が必要

 

 口腔に関する問題や服薬をしている利用者は大勢いますので、多くに利用者にこの観点での観察が必要になります。

 訪問介護員が服薬状況に関して日々注意しながらサービス提供をしていく姿勢が必要になりますので、研修などで意識付けをしていくことが重要でしょう。

 

 口腔に関してはアセスメント時に特に問題が無くても、気が付けば硬いものが食べられなくなっていたり、嚥下状態が悪化していたりすることは十分に考えられます。

 サービス提供の中での継続的な観察が必要になると思います。

 

 昨今、要介護度を上げるフレイル(虚弱)やサルコペニア(筋肉減少)の原因の一つとして、高齢者の栄養問題が大きく取り上げられています。

 口腔の問題だけでなく、利用者の食生活全体に意識を向けるようにしていくことが、今後さらに重要になると考えます。

 

 

 共生型サービスの新設

 

 今改正の目玉の一つでしょう。

「共生型通所介護については、障害福祉制度における生活介護、自立訓練、児童発達支援又は放課後等デイサービスの指定を受けた事業所であれば、基本的に共生型通所介護の指定を受けられるものとして、基準を設定する。(居宅基準及び地域密着型基準(新設))」

 

 これは介護保険法の改正ですから、障害サービスからの参入基準の緩和が示されていますが、同様の改正が障害者総合支援法の方でもなされた場合、介護事業から障害サービスへの参入基準緩和となります。

 

 逆読みすれば、通所介護と生活介護、自立訓練、児童発達支援又は放課後等デイサービスの共生型通所介護が可能になるということです。

 具体的な指定基準がわかれば指定を受けるか検討してみる価値はあると思います。

 

 共生型通所介護の内、老人デイサービスと放課後等デイサービスは施設設備の有効利用という観点から、事業として有望であると考えます。

 平日日中のサービス提供が中心の老人デイサービスに、夕方から夜、休日が中心の放課後等デイサービスを合体させることができます。

 賃料や車両費など固定費の無駄を省けますので、経営上非常に有望でしょう。

 共生型通所介護の具体的な説明は以下の記事をお読みください。

 http://carebizsup.com/?p=951

 

 なお、この共生型サービスは短期入所生活介護でも実施される予定です。

 

 次回は続きをご説明します。

 

 

 

虐待・身体拘束の実態について その3(虐待防止になる記録のとり方)

 

 

 今回は現場で身体拘束や虐待が起こらないようにするためにどのような取り組みが必要なのかを考えてみたいと思います。

 

記録は防衛手段

 

 前回、介護が事故や訴訟のリスクを抱えた仕事であることを述べました。

 まず、経営者や管理者がそのことを踏まえたうえで行動していくことが大事だと筆者は考えます。

 

 認知症の利用者が動き回るからと言って、身体拘束して事態を収拾しようとするよりも、動き回る状態でいかに介護するかを考えなければいけません。それにより転倒事故が起こったとしてもその事態を受け入れて、対応する方が事業へのダメージは少ないのです。

 

 しかし、それには条件があります。

 それは記録を適切に残しておくことです。

 適切な記録がなく事故が起こった場合、その事故の原因を行政や国保連などの第三者機関が客観的に把握することができません。結果としては事業者の責任が重くなってしまう場合もあります。

 

 裁判になった場合、記録による証拠が不確かであると、事業者にとっては不利になります。

 日頃から客観的な事実を記録に残し、第三者が見てすぐ理解できるようにしておけば、その事業所の記録は証拠としての信頼性が増します。結果、事業者にとって有利に働くことになります。

 

困難ケース記録が虐待を防止する

 

 介護記録は日々の仕事としてルーチン化しており、バイタルや食事・活動記録などは日ごろから記入することが習慣化していることと思います。

 これがまず前提となります。

 そうした日頃の記録の積み重ねが、事業所の記録の信頼性を高めますから、これらのルーチンワークを怠ってはいけません。

 その上で、事故の可能性がある利用者(例えば転倒の危険性があるのに勝手に動き回る利用者など)困難ケースの記録を取って行くことが大切で、これが虐待を防止する結果にもなります。

 

困難ケース記録のとり方

 

 安全の確保が難しい、又はなんらかの事故が予想される利用者に対してサービス提供をせざるを得なくなった場合、管理者などの判断により、日頃の記録とは別に、困難ケース記録を記入するようにします。

 

 様式は特にありません。白い紙や専用のノート(「困難ケース記録ノート」等)に記入しても良いでしょう。

 記録に必要な事項は以下のようになります。

 

 ①利用者氏名

 ②困難ケース記録を開始した経緯  

  ※なぜこの記録を取るようにしたのか。安全の確保できない、またはなんらかの事故が予想されることを具体的に書く。

 ③問題が発生した日時

 ④問題が発生した場所

 ⑤どのような問題が発生したのか

 ⑥対応方法

 ⑦対応者

 ⑧記録者

 ⑨事後の対応・経過(必要に応じて)

 ⑩写真などの証拠物件の存在(必要に応じて)

 

 この記録は当然ながら、外部に見せることを前提に書かなければなりません。行政やご家族が見ても信用してもらえるように、具体的に客観的に書く必要があります。

 介護者の主観や苦情じみた書き方は客観的な記録では無いので、第三者に対しては信頼性を損なう結果になります。

 

記録は正直に書かなければならない

 

 さらに、利用者の問題行動に対して職員が不適切な対応をしてしまった場合は、それも隠さず記録する必要があります。

 職員のミスは職員のミスとして別に対処すればよく、別に業務日報などにその事実を記載し、改めてその職員の指導を行うようにします。

 

 困難なケースですからすべての職員が適切に対応することは難しいことです。ミスが起こる可能性も高くなります。それを前提にサービス提供する腹積もりが必要なのです。

 

 最終的に、事業所がこの困難ケースに対して何とか対処しようとしている様子がこれらの記録から読み取れれば、記録は成功と言えます。

 

組織的な対応の重要性

 

 基本として虐待や身体拘束の誘惑にかられるようなケースが発生した場合は、まず事業所全体で対応するようにします。

 管理者や責任者はスタッフからのそのような情報発信に敏感でなければなりません。

 

「誰それ(利用者さん)がなかなか言うこと聞かなくて・・・」などというちょっとしたボヤキ発信を敏感にキャッチできるようにならなければならないのです。

 たとえば利用者の自室で一対一でサービス提供するような施設や訪問介護などの場合、そのスタッフが密室で何をしているのか分かりませんから、スタッフがケアに困難性を感じていたり、苦労している場合は早急に救援の手を差し伸べてあげる必要があります。

 それを放置しておくことで、虐待や身体拘束は発生します。

 

 困難ケースの記録を取ることで、介護職員の資質の向上に役立つことは言うまでもありませんし、事業所で話し合いながら対応することで、事業所のサービス能力も上がります。

 

 難しいご利用者はみんなで対応して、記録を取る。

 

 それにより安易な身体拘束や虐待は減らしていけると考えます。