訪問介護事業所の障害者福祉サービスへの参入 メリットとノウハウ その1

在宅障害者福祉サービスにビジネスチャンス

 

 近年、障害者福祉に関する法整備が進み、それまで家族や医療・公的機関だのみだった障害者介護で、民間サービスが広く利用できるようになりました。

 これまでは一生病院や施設暮らしであった重度の障害者の方でも、在宅サービスを受けながら、家族と生活できるようになるなど、積極的な利用が広がりつつあります。

 そうしたなか、これをビジネスチャンスとして、事業を拡大している民間企業も多く表れてきており、先にご紹介した製造業から参入して3年足らずで月商300万円を超える売り上げを上げている、サンシャインヘルパーセンターも業務の半分が障害者サービスとなっています。障害者サービスが事業成長をけん引してきたと言っても過言ではないでしょう。

 ここでは、従来の高齢者向け訪問介護事業所が訪問系障害福祉サービスに参入するメリットやノウハウについご紹介したいと思います。

 

 

訪問介護と訪問系障害福祉サービスの兼業

 

 指定訪問介護事業所は同時に訪問系の障害者福祉サービスの事業指定も申請できます。

 居宅介護(障害者訪問介護)・重度訪問介護は特に研修などは必要なく、訪問介護事業所の人的資源をそのまま利用して、事業を行うことが可能であり、高齢者とは別の収益源として期待できます。事業所によっては高齢者よりも障害者サービスのウェートが大きくなっている事業所もあります。

 居宅介護、重度訪問介護の他にも視覚障害者のガイドヘルパーである同行援護や知的障害者(児)の行動援護も開業可能ですが、同行援護は、今後、同行援護従業者養成研修を修了することが要件になります。また、行動援護は知的障害者(児)の実務経験が必要になりますので、高齢者の訪問介護事業指定基準をクリアしただけでは開業はできません。

 また、自治体によっては障害児向けの通学支援などの移動支援サービスを独自に導入している場合があり、このサービスを受託することは概ね可能であると考えます(自治体により要件が異なる場合あり)。

 

 

新規立ち上げの事業所にはメリット大

 

 すでに訪問介護事業を開業されている経営者の中には「人手不足で高齢者の訪問介護だけで手一杯。とても障害者の対応までするのはムリ!」という事業者もいらっしゃるかもしれません。しかし、新規に訪問介護事業所を開業する場合は、障害福祉サービスも同時に開業することは大きなメリットがあります。

 現状、訪問系の障害福祉サービスでは、開業当初の利用者が少ない時期に、比較的容易に仕事の依頼が来る可能性が大きく、場合によっては長時間などボリュームの大きなサービス依頼が来ることもあり、経営上非常に助かる部分があります。

 というのも、訪問系の障害福祉サービスは「毎日」や「1日6時間」など一人の利用者に対してのサービスボリュームが大きいケースがあり、特に重度訪問では複数のサービス事業所が共同でサービス提供しているケースもあり、場合によっては事業者足りない状況もあるからです。ただし、長時間サービスでは多少時間単価は低くなります。また、高齢者と同様、最初は困難ケースが回ってくることも多いでしょう。

 一方で、若年の障害者も多いですから、一度サービスに入ると、固定利用者として長い間サービスが継続することもあります。

 

 

障害福祉サービスは今後も拡大が予想されます

 

 実は、我が国の障害福祉サービスはまだまだ不十分であり、社会保障給付の額でもヨーロッパなどの福祉先進国からはかなり後れを取っている状況です。日本では、長い間、障害者支援の主体は家族や行政が中心であり、民間などの外部サービスを利用した広い支援体制がなかなか整わない状況が続いていました。欧米ではノーマライゼーションの考え方が浸透しており、障害により障害者が不利益を被ることは、社会システムに問題があり、障害者は外部サービスを積極的に活用して、自立した生活をする権利があるとされています。

 日本は2014年に「障害者の権利に関する条約」を批准し、制度面でやっと国際標準に到達したといえる状況です。今後、障害福祉サービスのさらなる充実を図ることが国策となっていると考えます。

 

障害福祉サービスの増加率

 

 国民保健団体連合会のデータから、ここ4年のサービスの伸びを見てみましょう。

 訪問系サービスを含めて少しずつ利用が増えています。特に障害児の利用の伸びは非常に大きくなっています。

 こうしたサービス利用の拡大は、国の法律が変わり、今まで障害者ではなかった新たな障害者が増加したり、病院や施設から在宅生活へのシフト、また、今まで外部サービスを利用してこなかった障害者が積極的にサービスを利用し始めたことが要因だと考えます。

 特に障害児を持つ家庭では、家族が直接支援していた状況から、一気に外部サービスを使い始めたという感があり、大変大きな伸びになっています。もちろん、訪問介護事業所の提供する障害福祉サービスでも障害児へのサービスは可能です。

 また、福祉先進国ではそもそもの障害認定の方法が異なり、日本では障害者とみなされない人も多くが障害者としてサービスを受けられる環境があります。(※1)日本でも前述の北欧並みにノーマライゼーションの考え方が浸透すれば、サービスの利用はさらに増えると考えます。

 

≪参考資料≫

http://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/18879202.pdf

※1:国際比較からみた日本の障害者政策の位置づけ −−国際比較研究と費用統計比較からの考察−− 勝 又 幸 子(国立社会保障・人口問題研究所)

 

 

次回は具体的に訪問介護事業所が障害者福祉サービスに参入する際のノウハウについてご説明したいと思います。

 

 

 

中小企業による介護事業参入ガイド その3-金属加工からの参入で月商300万円以上

◆工業団地の中の介護事業所

 

筆者がお世話させていただいている株式会社ナックは神奈川県綾瀬市で金属加工を営んでいる製造業の企業です。

http://www.kk-nac.co.jp/

 

近隣は流通倉庫や工場が並ぶ工業団地。介護事業所があるようなイメージはありません。

しかし、2014年に開業以来、3年たらずで、月の売り上げが300万円を超える訪問介護事業所に成長しました。

事業所名は「さんしゃいんヘルパーセンター」。訪問介護事業と障害者居宅介護事業を行っています。

http://sunshine-helper.com/

 

さんしゃいんヘルパーセンターとしての従業員は常勤非常勤併せて20名程度ですが、製造部門も合わせると、40名程度。社員の数名は介護部門と製造部門を兼務しています。

 

 

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外観は金属加工会社です

 

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事務所は共用

 

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事務所の隣には加工済みのアルミホイールが並ぶ

 

◆最小限の資源投資で継続的な事業化に成功

 

円高などによる製造業不況の中、株式会社ナックの中島社長は、社会に貢献できる事業として、今後の成長が期待できる介護事業の参入を決めました。

 

自分の会社でどんな介護事業ができるのか、筆者にもご相談頂きました。ナックが参入する介護事業として筆者が提案したのは、訪問介護事業・障害者居宅サービス事業でした。理由は以下の通りです。

 

1 最小の投資で事業化できる

事業用地などがあれば、老人ホームなどの経営が可能かもしれませんが、そうした資源はありません。最小の事業投資で実現できる介護事業としては訪問介護事業が最適です。

 

2 事務所などの施設設備を製造業と共用できる

事務所は製造部門と共用できます。椅子や机も同様です。相談室は社長室を活用しました。

 

3 人材を製造業とも共用できる

事務所は同じですので、訪問介護員が金属加工の職員と兼務できます。事務職員も同様です。最小の人材投資で事業を効率的に進めることができます。

 

金属加工の仕事は受注により業務量が大きく変わります。仕事が無いときは工場が休業になってしまう場合もあります。人材の有効活用はこうした製造業にとっては大きな課題でしょう。

 

自動車業界などの製造業では、製造部門の契約職員や派遣職員の問題が近年クローズアップされました。繁忙期には有期契約職員を雇用し、仕事の無い時期には解除することで効率的に人材を活用する方法です。リーマンショック以降の就職氷河期には大きな問題となりました。

 

介護事業は、今のところ正社員を望む職員は基本的に正社員化できる事業です。介護と製造業をミックスすることで安定的な就労環境を実現できます。

 

4 障害者居宅サービス事業も同時に実施できる

介護保険による訪問介護事業は同時に、障害者向けの訪問介護事業を経営できます。障害者向けの居宅サービスは、近年法的な整備がされ利用率が大きく伸びており、収益の期待できる事業でした。

 

5 訪問介護・障害者居宅サービス事業はサービス供給不足である

訪問介護事業者の多くが人材不足などにより、サービス供給が需要に追い付いていないと感じています。特に障害者居宅サービスは利用申し込みを断っている事業者も多く、供給が追い付いていません。従って現在、必ず仕事のある事業になっています。

 

 

◆社長自ら資格を取得

 

介護事業に参入するにあたり、社長をはじめ主要な職員がまず介護職員初任者研修を取得しました。それにより、介護とは何かということの基本を学びました。

 

介護事業に参入するのであれば、やはり経営者は介護とは何かを学ぶ必要があります。また、訪問介護員は介護職員初任者研修修了者でなければなりませんので、この資格は必須です。

 

ちなみに、東京都では会社の社長でも無料で資格のとれる、資格取得支援事業があります。近年、介護人材不足に対応した行政の支援事業が多く実施されていますので、こうした事業を活用することをお勧めします。

http://www.tcsw.tvac.or.jp/jinzai/kaigojinzaikakuho.html

 

ただし、訪問介護事業所に配置しなければならないサービス提供責任者は、介護職員実務者研修の修了者、もしくは介護福祉士でなければなりません。介護職員実務者研修は現状では取得に6か月程度必要です。

 

もし、既存の職員の中に介護現場経験がある職員がいない場合は、新規に現場経験のあるサービス提供責任者を採用する方がベターでしょう。

 

その際、できるだけ優秀なサービス提供責任者を採用するために、周辺の相場より良い待遇で求人を出すことが重要です。

 

ナックでも新規にサービス提供責任者を採用して、訪問介護事業をスタートさせました。

 

 

◆成長の秘密は人材確保

 

訪問介護事業では職員採用がそのまま収益につながる事業です。適切な業務を行っている事業所であれば、人がいる分、必ず仕事が入ってくるのです(それだけサービス供給が不足している)。さんしゃいんヘルパーセンターはこれにより、毎年順調に利用者数を伸ばしていきました。

 

訪問介護事業は夜勤の無い介護事業の中では最も給与水準の高い事業です。国から支給される介護職員処遇改善加算でも、最も加算額が多く、時間当たりの介護報酬も高くなっています。

 

さんしゃいんヘルパーセンターでは周辺の訪問介護事業所よりも高めの報酬設定と好待遇により職員採用を進め、介護人材難の中、新たに10名以上の職員の採用に成功しています。また、都心部では難しい自動車での訪問が可能であることが地域的なメリットです。さらに職員に余裕があるということは、休みも比較的取りやすいことにつながりました。

 

こうした余裕のある経営ができるのも、製造部門との経営資源の共有化による低コストな事業所運営にあると考えます。

 

 

 

 

◆質の高いサービス提供により収益増

 

訪問介護事業では質に高いサービスを提供すると、さらに介護報酬を加算できるしくみがあります。特定事業所加算という報酬で、さんしゃいんヘルパーセンターでは2番目に高いレベルの特定事業所加算Ⅱを取得して収益の向上を図っています。

 

質の高いサービスの実現は当然ながら、地域からの信頼につながります。地域から信頼される事業所には仕事が集まってきます。

 

ここで重要なのは質の高いサービスを提供するには人的な余裕が必要だということです、人的にひっ迫している事業所ではサービス提供責任者などが多忙で、サービス管理がおろそかになりがちです。

具体的には訪問スタッフの相談にのれなくなったりすることで、スタッフの不満が大きくなり、離職率が高くなります。そのため、さらにサービスの質が低下する、悪循環が発生します。

さんしゃいんヘルパーセンターではこれを好循環にするために以下のようなサイクルを意識して事業運営を行っています。
 

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介護事業成長させる「好循環」のサイクル

 

 
最初の立ち上げ時にできるだけ投資を抑えたことで、良い循環に持ち込めたのかもしれません。

さらに人的に余裕のあるレベルの高いサービスの提供は、スタッフの労働意欲の向上にもつながります。

 

今後の課題は、非常勤のパートさんを活用することで、さらに収益率の高い事業にしていくことです。

 

 

 

 

 

中小企業による介護事業参入ガイド その2 - 介護報酬改定の逆風

 

 

◆これまでの介護保険制度の変遷

 

日本の医療・介護・年金などの社会保障制度は財政的にひっ迫していることは、この業界の方でなくてもご存知のでしょう。

 

各方面で財源を節約する制度改正が毎年のように行われています。介護保険制度も概ね3年に一度大きな改正があり、前回の改正は 2015年(翌年から実施)でした。これまでの改正の主な経緯を見ると以下のようになります。なお、改正の実施はすべて翌年からになります。

 

(1)2005年改正

●「予防重視型システムへの転換」

・要支援者への「予防給付」を創設

・要支援者のケアマネジメントを「地域包括支援センター」で実施

・区市町村による介護予防事業(地域支援事業)を実施

・特養等の食費・居住費、自己負担化

・地域密着型サービスの創設 など

 

(2)2008年改正

●「法令遵守等の業務管理体制の整備」(2007年のコムスン事件を受けて)

・事業者の立入検査制度の強化

・不正事業者の処分逃れ対策防止 など

 

(3)2011年改正

●「地域包括ケアシステムの推進」

・医療と介護の連携の強化(介護職員等による痰の吸引等の実施など)

・サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進

・地域密着型サービスの拡大推進 など

 

(4)2014年改正

●「地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化」

・予防給付を区市町村の地域支援事業に移行

・特別養護老人ホームの入居基準、要介護3以上へ

・一定以上の所得のある利用者の自己負担を2割へ引上げ など

 

(5)2018年改正(予想)

●「介護保険費のさらなる節約」

・自己負担枠の拡大(福祉用具など)

・区市町村の役割強化(地域支援事業の拡大)

・区市町村間の競争制導入

 

各年の改正には介護給付費の改正がセットになっており、介護職員の処遇改善対策が毎年強化されています。これまでの改正の流れをまとめると、国の政策の方向性は以下のようになります。

 

●介護保険制度の流れ

①介護保険財源の節約(お金のかからない在宅サービスを優遇)

②介護サービスの質の向上(要介護度を悪化させないサービスを優遇)

③区市町村の役割強化(競争の導入)

 

 

◆流れを見失うと介護事業は失敗する

 

前の回でご紹介した、東京商工リサーチによる2016年1-9月の「老人福祉・介護事業」の調査によると、この時期の介護事業者の倒産理由は以下のようになっています。

 

(1)販売不振51件(前年比2倍増)

(2)事業上の失敗10件(おそらくは人材の流失による事業継続困難)

(3)設備投資過大5件(デイサービスなどの施設開設の際の投資過大)

 

それぞれの原因の中で目立つのは、本業不振のため異業種からの参入失敗(6件)や過小資本でのFC加盟(3件)など、事前準備や事業計画が甘い経営が目立っています。

 

筆者が想像するに、事業を閉じた多くの業者は前述の介護保険制度の流れが見えていなかったのではないかと考えています。

 

 

◆消費者ニーズではなく介護ニーズを見極める

 

一般的な商行為と異なり、介護業界では「消費者ニーズ」ではなく「介護ニーズ」を見極めなければなりません。

 

前述のお泊りデイサービスの例を見てみましょう。

 

お泊りデイサービスは民家型のデイサービスに自費で宿泊ができるサービスで、認知症の要介護の高齢者の家族を中心に、消費者ニーズが高いサービスでした。

 

具体的には、認知症の高齢者の家族の介護負担が大きく、自宅同居が難しくなり、特養は一杯で入居できず、有料老人ホームやグループホームは値段が高くて利用できないケースなどがあげられます。

 

定員10人の小規模事業所でも、毎日宿泊する利用者が3人いれば介護報酬も含めて100万円以上の売り上げが上がり黒字化できるために、FC加盟も含め新規に参入する事業者が多かったサービスです。

 

月数万円の自己負担をすれば、長期間の利用が可能で、高齢者を預けたい家族に人気がありました。その意味では消費者ニーズにマッチしたサービスと言えます。

 

しかし、ここにおける介護ニーズは消費者ニーズとは異なります。具体的な介護ニーズを上げると以下のようになります。

①認知症高齢者に必要なのは、認知症を悪化させず、安心安全に生活できる環境である

②認知症高齢者本人と家族の関係に問題がありそれを解消する必要がある

③行政として防火対策も含め介護の質を保証したいニーズがある

 

お泊りデイサービスは上記のような介護ニーズを解消する仕事をするわけではありません。介護保険制度はこのような介護ニーズを解消する役割を、第一にケアマネージャーに課しています。

 

ケアマネージャーは上記の介護ニーズに蓋をして、消費者ニーズを優先し、安易にお泊りデイサービスを利用するべきではないのです。介護ニーズを叶えるために、一時的にお泊りデイサービスを利用することは良いとしても、継続的に利用することは問題があります。それで介護ニーズが解消されたとは言えないということです。

 

私のお付き合いしている在宅介護事業者のケアマネ事務所では約200名の在宅介護のご利用者をお世話していますが、ここ数年、デイサービスのお泊りを利用しているご利用者は居ません。

 

多くのケアマネージャーは現在、安易なお泊りデイサービスの利用で介護ニーズがかなえられるとは考えていません。同様のサービスを提供する小規模多機能居宅介護の広がりもあり、本サービスは次第に利用者を減らしていきました。

 

 

◆機能特化型デイサービスの苦戦

 

2014年の改正で通所介護の基本報酬が大きく引き下げとなりました。特に、予防給付の引き下げが大きくこれにより倒産に追い込まれた事業者も多いようです。

 

筆者はこの改正により、リハビリ(機能訓練)や入浴専門のいわゆる機能特化型のデイサービスが大きな影響を受けたと考えています。

 

一方で認知症高齢者の積極的な受入れを評価する認知症加算や、中重度者の受入れを評価する中重度者ケア体制加算、個別機能訓練加算などが増額されています。

 

国がこのような介護報酬改定を行った理由もやはり介護ニーズとのマッチングにあると思います。

 

介護ニーズに照らしてデイサービスの役割は概ね以下のように定義できます。

①体力・認知機能低下の予防による要介護度悪化防止

②レスパイトケア(家族の介護負担軽減)

③社会的な孤立の解消や健全な精神活動の促進

 

これらの役割をまとめると「在宅生活を維持するためのサービス提供」と定義しても良いでしょう。

デイサービスでは介護ニーズを叶えるために、機能訓練・食事の提供・健康管理・入浴・口腔ケア・利用者同士の会話・レクリエーション・生きがいづくりなどのサービスを提供します。

 

機能特化型のデイサービスでは、機能訓練や入浴など限定的なサービスのみの提供になるため、デイサービスに期待されている介護ニーズの一部しか解消していないことになります。

 

国としてはデイサービスに上記の介護ニーズをできるだけ多く解消することを望んでいます。逆に言えば多くの高齢者には上記のような介護ニーズがあるにもかかわらず、一部しか解消しないと思われるサービスの報酬を減らしたわけです。

 

また、倒産理由にあるように、リハビリ系デイサービスはトレーニングマシンなどの設備投資が過大になる傾向があります。さらに、お風呂が無い事業所が多いため、入浴ニーズがない軽度の高齢者が多く利用することになりますので、予防給付が減らされたことが大打撃となっています。

 

機能訓練が不要な要介護高齢者など居ませんので、デイサービスを開業するならリハビリ系のデイサービスだという風潮が広がったようで、このサービスは乱立状態にあります。そのため過当競争に陥っている状況も見て取れます。

 

なぜか経営者の中には、オリジナルなビジネスモデルを多地域にチェーン展開することが良いビジネスだという考えがあるようです。しかし、どんなに革新的なサービスでも上述の介護ニーズを解消する役割が無ければ、介護事業としては失敗します。

 

 

次回は人材不足で苦戦する訪問介護に製造業から参入し成功している会社の事例をご紹介します。

 

 

 

中小企業による介護事業参入ガイド その1

◆介護事業への参入にはもうメリットは無い?

 

東京商工リサーチによると2016年1-9月の「老人福祉・介護事業」倒産が累計77件に達し、過去最高となったようです。

http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20161007_01.html

 

同時期の日本の企業全体の倒産件数は4,216件ですので、介護事業者の倒産はうち1.8%にあたります。ただし、4,216件は負債総額1千万円以上の倒産件数ですので、零細事業者を含めると、実際の企業倒産件数は、はるかに多いと考えられます。

http://www.tsr-net.co.jp/news/status/half/2016_1st_02.html

 

こうした統計数から、介護事業が他の業種に比べ倒産しやすいということは言えません。筆者は倒産しにくい業種であると考えています。

 

もちろん、この時期、日本の全体の企業倒産件数が減っているのに、介護事業だけは増えているということだけは言えます。

 

日本の企業全体としては、円安によって製造業を中心に収益が向上し、倒産件数の低減につながったと考えられますが、介護事業には逆風が吹いていたということです。

 

主な逆風は二つあります。

 

1 介護報酬の改定

2 人手不足

 

この二つの逆風が、倒産件数が過去最高になった原因と考えている人が多いようですが、筆者は実際はそうではないと考えています。

 

逆風についての解説はのちほどするとして、こうした、経営環境の悪化により、もう介護事業への参入メリットは無くなったと考える人もいらっしゃるようですが、筆者はそうは思いません。

 

 

◆介護事業者の数が増えたから倒産数も増えただけ

 

ご存知のように現状の日本の経済成長率は1%前後です。

一方、介護給付は、2014年度は10.0兆円であり、2025年度には21兆円に達すると推計されています。

これは年間、10%の伸び率です。つまり、日本の他の産業に比べ10倍の成長率と言えます。

 

先に挙げた介護企業の倒産数も、実は企業数自体が増えたことによる。増加と考えられます。分母が増えれば分子が増えるのは当然です。実は倒産率自体は減っているのです。

 

介護事業の倒産数は前年同期76件から77件に増えましたが、たった1.3%の伸びです。産業自体の成長率に比べ倒産数が極めて少ないということです。

 

介護事業は介護を必要としている人がいれば、国の責任でサービス提供体制を確保しなければならない公益事業です。介護人口の増加に対応してサービス提供主体である介護事業者を増やさなければ、我が国の社会福祉制度が失敗したことになります。

 

結果、国は否が応でも介護事業者の増加を保証する義務があります

 

 

◆大儲けを考えている人は、参入は避けた方が良い?

 

介護保険制度開始時、快進撃を続けたコムスン。少し前ですと、有料老人ホームを次から次へと建設し、高い収益性を確保して儲けた企業。また、お泊りデイサービスのフランチャイズ化で急成長した企業もありました。

 

しかし、この業界の成長神話のような企業は少しずつ姿を消していったようです。原因の多くは国の介入によるものです。

 

先日、公正取引委員会が「介護事業に競争性を」という提言をしました。

http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/sep/160905_1.files/02.pdf

公正取引委員会としては健全な競争を介護業界に促し、産業全体をより成長させ、国民に質の高い介護サービスを提供できるようにしたい、というのが提言の目的でしょう。

 

一方で、厚生労働省としては競争性の導入によるサービスの質の低下を危惧しています。先に述べた急成長した介護企業はその点で、厚生労働省のお眼鏡にかなわなかったのです。そのためこの業界から退場していきました。

 

コムスンは人件費を低減するために必要な人材を配置しませんでした。これはサービスの低下につながります。

 

有料老人ホームは人手不足で仕事ができなくなりました。また、コストのかかる職員研修などを怠って事件事故が多発しました。

 

お泊りデイサービスは劣悪な宿泊環境や防災対策を怠っていました。

これらすべて、サービスの質の低下です。

 

厚生労働省は介護給付にかかわるサービスの質について非常に敏感です。サービスの質の低下につながる競争性は決して認めません。

 

 

 

◆急成長したが退場した企業に学ぶこと

 

一般的に、急成長して大儲けする企業は、他社がやらない革新的なサービスをいち早く開発し、大規模に提供することで競争に勝ってきた企業です。

 

コムスンは借金をし、事業所数を急速に増やし、シェアを確保しようとしました。それにより人員基準に違反した事業所が沢山出てきてしまい、おとり潰しになってしまいました。

 

介護保険制度導入期に一気にシェア拡大を図ったことが裏目に出た感じです。また、介護事業をフランチャイズ事業化して儲けようと思うのは問題があります。

(参照)「失敗しない介護・福祉起業」https://carebizsup.com/?page_id=264

 

最近になって有料老人ホームが苦戦しているのは、行政が包括介護報酬を払いたくないということと、サービス付き高齢者住宅の拡大です。

 

有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)は利用者一人におおよそ月20万円程度の介護保険給付が必要になります。対して自宅でケアした場合、せいぜい10~15万円ぐらいの介護給付で賄えると考えられます。

 

サービス付き高齢者住宅の多くは簡単に言えば高齢者用ワンルームマンションです。バリアフリー化やナースコールの設備はありますが、一般の単身者用ワンルームマンションと大した違いはありません。

 

サ高住に住んで訪問介護などのケアを受けることは、自宅でケアを受けることであり、介護給付費の節約のために、国は補助金を出すなどして包括サービス型の老人ホームよりもこちらを優遇しています。

 

実際、有料老人ホームで成功してきた企業も、サービス付き高齢者住宅事業にシフトしています。

 

また、包括サービス型の老人ホームは常駐スタッフにより介護サービスを提供します。一方、サ高住は訪問介護や看護、通所介護によりサービスを提供します。

 

業務の管理体制から言って、同じ料金ならば後者のサービスの方が、質は高いと国は考えているかもしれません。ここでもサービスの質の保証というモチベーションが国に働いていると思います。

 

お泊りデイサービスは介護保険制度ではカバーできない、介護難民的な高齢者にサービスを提供できる革新的なビジネスモデルとして、一時もてはやされました。

 

一般の住宅を改造すれば手軽にサービスを提供できるので、参入する小規模事業者が沢山いましたが、宿泊場所が劣悪であったり、スタッフの質が問題になったり、防火対策が不十分であることなどにより、問題視する声が広がりました。

また、同じサービスを提供できる小規模多機能居宅介護などが広がり、現在は多くが撤退をしています。

 

どんなに革新的なサービスでもサービスの質の保証ができないと、この業界では撤退を余儀なくされます。国は制度を修正して、必ずそのような介入を行ってきます。

 

逆に言えば、サービスの質の向上につながる革新性や競争力が必要なのですが、固定給付の制度のため、なかなかそれが難しいのがこの業界の現実です。

 

道行は長いですが、一つ一つの事業所がいかに地域に根差して信頼を獲得していくかが、事業を確実に成長させていく近道だと筆者は考えています。優良な介護企業の多くはそれを実践している企業です。

 

 

次回は、前述の逆風についてのお話をしたいと思います。

 

 

介護福祉の創業に使える融資・補助金に関するまとめ

介護・福祉事業を行う際の融資や補助金について少し調べてみました。

以下は、2016年7月現在の情報です。

 

 

1 日本政策金融公庫の融資

 世界的な金融緩和状態、日本でもマイナス金利の状況になり、現在、融資がかつてないほど受けやすい状況になっています。

政府としても、起業や新規設備投資にお金を回し経済を活性化させ成長に導きたい意向が強く、日本政策金融公庫でもそうした融資に力を入れているようです。

 

政策金融公庫では介護や福祉などのソーシャルビジネスに対する融資枠を特別に設けていて、新規に介護福祉事業を始める場合、通常年利1.45%の低金利で資金調達できます。

https://www.jfc.go.jp/n/finance/social/yushi.html

https://www.jfc.go.jp/n/rate/riritsu_1ran_m.html (利率一覧:担保を付けるとさらに利率が安くなります)

 

事業経営を自己資金のみで経営される方も多いですが、企業の場合、融資を受けることで事業運営にメリットがあるといわれています。

以下は政策金融公庫で融資を受けた方々のアンケートです。融資を受けて良かったことを回答しています。

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会社経営経験の無い方が起業する場合、どうしてもシビアな資金管理ができず、自己資金が潤沢な場合は奔放な経営になってしまう場合も多いようです。融資を受けることで収支に関してシビアになり、金融機関からの事業チェックも受けますので、引き締まった経営ができるとも言われています。

 介護福祉事業の場合、融資を受けるには管轄自治体からの事業指定が下りる必要があります。政策金融公庫の創業融資の場合、事業指定が下りれば基本的(過去に返済トラブルなどが無いことが前提です)には融資審査に通るようです。

 また、融資を受けるためには創業計画を提出する必要がありますが、指定申請時に作成する収支予算書と経営計画書を利用できますので、比較的簡単です。

 

2 区市町村の創業融資

  区市町村の創業融資は自治体によりさまざまですが、利子を自治体が負担してくれる場合もあります。また、自治体の融資には信用保証料というものが必要ですが、これについても補助制度があります。

区市町村の創業融資を利用する場合は、事業地の区市町村に早めに尋ねてみることをお勧めします。各自治体によって制度が様々で、会社設立のための登録免許税を軽減する制度もあります。会社設立前、起業を検討している段階で相談に行った方が良いでしょう。

 

以下いくつか事例をご紹介します。ただし、これらは28年度の融資制度です。自治体の融資制度は年度により変わりますので、最新のものをご確認ください。

 

台東区(利子を区が全額負担)

http://www.city.taito.lg.jp/index/kurashi/shigoto/kinyukeieishien/yushiseido/tokushuseido/201510_kai.files/kai.pdf

 

中野区(商店街で開業すると利子を全額負担)

http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/162000/d014367.html

 

品川区(区の特定創業支援事業に認定されると3年間無利子)

http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/hp/menu000025000/hpg000024959.htm

 

特定創業支援事業者に認定されると会社設立の登録免許税が軽減される自治体は多いです。研修受講などの要件がありますから、起業を検討する段階から開業する地域の自治体に相談に行きましょう。

 

足立区(2.5%までは利子を補給)

https://www.city.adachi.tokyo.jp/chusho/shigoto/chushokigyo/documents/h28sougyou.pdf

 

葛飾区(利子負担0.3% 保証料30万まで補助)

http://www.city.katsushika.lg.jp/business/1000071/1005377.html

 

 

区市町村の融資は実際に事業を開始していないと受けられないものもあります。政策金融公庫と自治体の融資は併用できます。どちらから先に借りるかは、各自治体の融資制度によりますが、設立資金を公庫、運転資金(主に人件費)を自治体と分けても良いかもしれません。

 

3 創業に使える補助金

次にご紹介するのは融資ではなく創業補助金の情報です。

新たなニースを創り出す創業に対して、中小企業庁が補助金を用意しています。

 

創業・第二創業補助金 https://sogyo-hojo-28.jp/

 

この補助金は、前述の「認定特定創業支援事業を受ける者の事業」のみを対象としていますから、自治体で認定を取ってからの応募となります。

採択されるかどうかは、いかに新奇性と成長性があるかにかかっていますが、Care Biz Supportでは本補助金の応募支援も行っていますのでぜひご相談ください。

各種公募・補助金事業への応募サポート

 

介護保険のみを収入源とする介護事業のみでは採択の見込みは少ないですが、新たな取り組みを合わせてニーズを創造するような事業であれば、採択の可能性はあります。

 

この補助金を利用するにはコツがあります。応募期間があり、起業のタイミングをそれにうまく合わせなければなりません。

平成28年度の場合、応募期間が4月中です。また、4月1日以降に起業する場合に限りますので、すでに開業している場合は応募できません。

平成29年度も同じようなスケジュールと予想できます。この補助金を利用したい方は、4月ぐらいに会社設立予定で起業をスケジューリングした方が良いでしょう。

 

補助率は2/3ですから事業費の1/3は自己負担する必要があります。また、補助金交付後も事業報告など事業運営を管理されますので、しっかりした実現性のある事業計画でなければなりません。単なる机上のアイディアではだめだということです。

 

以下 平成28年度東京都の介護関係で採択された事例です。(全134件中)

 

◎介護保険法に基づく訪問介護事業と一般旅客自動車運送事業(福祉限定)の移送サービスを融合させた生活総合支援事業の展開

◎障害のある子どもたちに対する関係機関等と連携した療育事業の実施

◎介護家族と介護士を繋ぐC to Cマッチングサービスの構築

◎障害者、高齢者の移動手段(自動車、電動車椅子)の開発と製造、販売

 

この他、高齢者向けのフィットネスビジネスもちらほら見えますので、そうしたものとの介護事業を組み合わせられればチャンスはあります。

 

4 介護資格取得の支援事業

自治体が介護関係の資格を取得する支援を行っています。ここでは東京都の支援事業をご紹介します。この他、区市町村や道府県でも支援事業がありますので、各自治体にお問い合わせください。

 

東京都社会福祉協議会(東京都福祉人材センター)の各種事業

 ◎介護職員初任者研修資格取得支援事業

http://www.tcsw.tvac.or.jp/jinzai/kaigojinzaikakuho.html#shikaku

 介護職場の体験をして介護初任者研修修了資格を無料で取得できる事業です。起業予定の方でも参加可能です。

 

◎トライアル雇用事業

http://www.tcsw.tvac.or.jp/jinzai/kaigojinzaikakuho.html#trial

 介護事業所で働きながら介護職員初任者研修の資格を取得できる事業です。期間は最大6か月でその間は契約社員として介護現場で働きます(当然給料も出ます)。介護経験の無い方で介護起業を考えている方も参加できます。ただし、事業参加するためには他の仕事に就いていないことが前提となります。

 

◎介護福祉士等修学資金貸付事業

http://www.tcsw.tvac.or.jp/jinzai/kashitsuke.html

 こちらは介護現場で働いている方向けの事業です。介護福祉士の国家試験を受けるために受講必須となっている、介護職員実務者研修の受講費用の貸付制度です。

 ただし、介護福祉士合格後、介護事業に5年以上勤務した場合は、返還が免除されます。

 

 

 

 

日常生活支援総合事業と指定申請

Care Biz Supportが開業支援させていただいている、

なでしこケア様が6月1日墨田区向島に訪問介護事業所をオープンしました。

http://www.nadecare.co.jp/

おめでとうございます。

 

なでしこケア様は墨田区の日常生活支援総合事業も実施する予定ですが、

各区市町村の日常生活支援総合事業に新規開業で参入するためには、

各区市町村個別に事業の指定申請をしなければなりません。

この新規指定申請事務は事業所にとって大きな負担ですね。

介護事業参入者を増やしていかなければならない現状で、

事業者の負担を増やすことはいかがなものかと思います。

都道府県の指定申請によってみなし指定にするべきだと思います。

それに、区市町村の事務担当者にも大きな負担でしょう。

考え直してもらいたいです。

 

Care Biz Supportでは新規に訪問介護・通所介護事業所の開業サポートをさせていただく場合、

区市町村の日常生活支援総合事業の指定申請を1区市町村のみサービスさせていただきます。

 

その日常生活支援総合事業ですが、各区市町村によりその取り組みはかなり温度差があるようです。

お客様の話から、何も取り組んでいない市などもあるようです。

介護予防の観点から各保険者は住民の介護度を上げず老化を防ぐ努力をしなければなりません。

住民の介護度が上がる➡保険給付が増える➡厚生労働省からペナルティーが来る、

みたいな流れの中で日常生活支援総合事業は計画実施しなければならないのですが、

あまり取り組みに熱心でない自治体は住民の要介護度がそれほど高くないのかもしれません。

とはいえ、財政的にはどこも厳しいはずですから、単に介護保険事業担当の人手不足かもしれません。

 

総合事業は概ね二つの事業にわかれているようです。

一つはリハビリ、体力強化系の事業。もう一つはボランティアやシルバー人材センターなどの安価なマンパワーを利用したお年寄りの生活支援です。

後者は家事援助が中心で今後、予防の家事援助はこちらに移行するものと考えられますが、

全国的に人手不足の折、安価なマンパワーの利用は虫が良いよような気もします。

現状、要支援のお年寄りの家事支援は、足や腰が痛くて買い物や掃除などの家事がままならない方に提供されている傾向があると思います。

こうした方への支援は単なる家事手伝いではなく、できることはやってもらう支援にしなければなりませんが、

総合事業の家事援助は単なる家事手伝いになる恐れがあります。

それでは介護予防にならないのではないかという声がいずれ上がってくるような気もします。

 

もうひとつのリハビリは運動支援と言い換えてもよいと思います。

これに栄養管理など総合的な体力強化のプログラムが加わり、いつまでも元気で暮らしていけるよう支援するものになるのでしょう。

お年寄りの体力を維持強化して、要介護にしないためには運動だけでなく食事の管理も大変重要です。

必要なカロリーは摂取していてもたんぱく質やミネラル・ビタミン摂取が不足して、

栄養失調になっているお年寄りが大変多いと聞きます。

軽度の認知症により偏食傾向になったり、買い物が億劫でコンビニ食だけで暮らしているお年寄りも多いのではないでしょうか?

こうした、生活を総合的に支援しようというのが総合支援事業ですが、毎日の食事をしっかり管理するのはなかなか難しいことではないかと思います。

運動は週2回程度、デイサービスなどで行えば十分に効果は期待できますが、

日々の食事は別の介入方法を考えないと、特に独居のお年寄りにはなかなか良い対策ができないような気がします。

 

配食弁当を利用することはバランスの良い食事を継続する意味では効果的な方法かもしれませんが、

お年寄りによっては味に飽きてしまったり、好みに合わなかったりで辞めてしまう人も多いようです。

食事習慣は長年積み重ねられた習慣であり、新しい環境になじむ対応力の落ちたお年寄りにとって、

改善することが難しい習慣であると思います。

要介護になって介護サービスが厚く入れるようになれば色々な対策がとれるとは思いますが、

要支援の方や未認定の方には介入が難しい部分だと思います。

 

現在行われている管理栄養士による特定健診・特定保健指導は主に生活習慣病を予防するための栄養指導です。

太りすぎやメタボリックシンドローム対策が主眼になっており、高齢者の体力低下を防ぐ意味での栄養管理はまだ広まってはいません。

先に述べたように介護予防のための栄養管理は運動管理と組み合わせて行う必要がありますが、

今のところそのような公的プログラムは試行段階で、スタンダードな方法論が確立されているわけではなさそうです。

逆に食品会社やライザップのようなフィットネス関連企業の方が積極的に高齢者向けの「食と運動」のプログラムや情報を提供しています。

https://activesenior-f-and-n.com/

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/120401432/?ST=health

地域の「食と運動」にどのように自治体が関与していくのか、今後の取り組みが注目されます。