介護職員のためのコンプライアンス研修 その2

3 プライバシーの保護

 

(1)介護福祉士は、利用者が自らのプライバシー権を自覚するように働きかけます。

 →プライバシー権とは基本的人権の一つです。普通の人がされて恥ずかしいことや屈辱的なことを平気で受け入れる利用者は、自立から遠ざかっています。

 

(2)介護福祉士は、利用者の個人情報を収集または使用する場合、その都度利用者の同意を得ます。

 →アセスメントは個人情報を収集することです。介護は個人のプライベートに介入する仕事ですから、当然本人(もしくは代理人)の同意が必要です。

 

(3)介護福祉士は、利用者のプライバシーの権利を擁護し、業務上知り得た個人情報について業務中か否かを問わず、秘密を保持します。また、その義務は生涯にわたって継続します。

 →介護福祉士は利用者のプライバシーを保護する立場でなければなりません。一度知った個人情報はその職を離れた後も擁護する義務を負います。

 

(4)介護福祉士は、記録の保管と廃棄について、利用者の秘密が漏れないように慎重に管理・対応します。

 →個人ファイルなどは机上に出しっぱなしにせず、鍵付き書庫に保管します。パソコンはパスワード管理し、ファックスやメールも個人名がわからないようにする工夫が必要です。

 

≪演習≫

 利用者や家族のプライバシー保護は介護職の職業倫理の中でも重要なことです。介護現場でプライバシーの侵害に当たる行為として、どんな行為があるか、些細なことでも良いので、みんなで上げて話し合いましょう。

 

 

4 総合的サービスの提供と積極的な連携、協力

 

(1)介護福祉士は、利用者の生活を支えることに対して最善を尽くすことを共通の価値として、他の介護福祉士及び保健医療福祉関係者と協働します。

 →福祉医療は専門職によるチームで提供されるのが原則です。家族介護と社会的介護の大きな違いはそこにあります。

 

(2)介護福祉士は、利用者や地域社会の福祉向上のため、他の専門職や他機関と協働し、相互の創意、工夫、努力によって、より質の高いサービスを提供するように努めます。

 →チームケアは、多くの人の目で一人のご利用者を見て考えることです。一人では見えなかったことが見えてきます。独りよがりの仕事は利用者にとって不利益になる場合があります。

 

(3)介護福祉士は、他職種との円滑な連携を図るために、情報を共有します。

 →カンファレンスや介護記録は情報共有のための大事な作業です。情報が共有されないケアはチームケアとは言えません。

 

≪演習≫

 末期がんのターミナルケアを例に、必要な専門職をリストアップして、それぞれの役割をみんなで上げてみましょう。特に介護職の役割について重点的に話し合います。また、現場での情報共有の方法としてどのような方法があるかあげてみましょう。

 

 

5 利用者ニーズの代弁

 

(1)介護福祉士は、利用者が望む福祉サービスを適切に受けられるように権利を擁護し、ニーズを代弁していきます。

 →例えば認知症の人は自らの本当のニーズを適切に主張できません。そうした隠れたニーズをしっかり把握しサービス提供することが大切です。

 

(2)介護福祉士は、社会にみられる不正義の改善と利用者の問題解決のために、利用者や他の専門職と連帯し、専門的な視点と効果的な方法により社会に働きかけます。

 →詐欺や虐待行為など、利用者に対する不正義から利用者を守るとともに、利用者の周囲に見守りなどの必要性を訴えていくことも、介護の仕事です。

 

≪演習≫

 社会的弱者である高齢者や障害者が晒されやすい不利益について、考えうることを上げてみましょう。そうした不利益からどうしたら利用者を守れるか、介護職としてできることを上げてみましょう。

 

 

6 地域福祉の推進

 

(1)介護福祉士は、地域の社会資源を把握し、利用者がより多くの選択肢の中から支援内容を選ぶことができるよう努力し、新たな社会資源の開発に努めます。

 →社会資源とは①人的資源(本人・家族・近隣・ボランティア・専門職など)、②サービス(プログラム)、③情報、④空間(居場所・拠点)、⑤財源、⑥制度、⑦ネットワークなどです。

 

(2)介護福祉士は、社会福祉実践に及ぼす社会施策や福祉計画の影響を認識し、地域住民と連携し、地域福祉の推進に積極的に参加します。

 →区市町村や地域包括センターなどの行政組織へ、地域福祉の情報を積極的に発信し、地域の福祉行政の一翼を担うことも介護職の役割です。

 

(3)介護福祉士は、利用者ニーズを満たすために、係わる地域の介護力の増進に努めます。

 →住民向けや介護職向けの研修を実施したり、介護福祉に関する情報を発信する等、地域の介護力が向上するような取り組みをすることが求められます。

 

≪演習≫

 あなたの周りの、高齢者や障害者にとって有用な社会資源はどのようなものがありますか?いろいろ上げてみましょう。さらにどのような社会資源が増えれば地域の介護力向上につながるか話し合いましょう。

 

 

 

7 後継者の育成

 

(1)介護福祉士は、常に専門的知識・技術の向上に励み、次世代を担う後進の人材の良き手本となり公正で誠実な態度で育成に努めます。

 →介護福祉士は現場で働きながら、介護職員初任者研修や実務者研修の講師を務めることが推奨されます。職場研修についても同様です。

 

(2)介護福祉士は、職場のマネジメント能力も担い、より良い職場環境作りに努め、働きがいの向上に努めます。

 →介護職員の処遇を改善し向上させていく努力が求められます。一人一人がより良い職場環境作りに関与していかなければなりません。

 

≪演習≫

 介護福祉にかかわる知識や・技術の向上のために、あなたやあなたの職場ではどのような努力や工夫をしていますか。また、より良い職場環境づくりのためにどのような努力や工夫をしていますか。いろいろ上げてみましょう。

 

 

介護職員のためのコンプライアンス研修 その1  

 

この研修資料は介護職員がコンプライアンスとは何かを理解するとともに、介護職員にとっての職業倫理とは何かを「日本介護福祉士会倫理基準(行動規範)」に基づき、具体的に理解できるようにまとめてあります。職場におけるコンプライアンス・職業倫理研修の材料としてご活用ください。

 

Ⅰ コンプライアンス(法令順守)と職業倫理

 

1 コンプライアンス(法令順守)とは → 「法令=ルール」を守ること

 

≪法令≫とは (介護にかかわるもの)

(1)憲法

(2)法律=国の法令(介護保険法など)

(3)地方自治体の条例・規則 =各種基準(人員・運営・算定基準など)

(4)各種解釈通知など

 

★背いた場合のペナルティー=刑罰を見れば、重大さが明らか

 

(1)憲法 → 逮捕・刑事罰(基本的人権の尊重 = 虐待や人権侵害)

(2)法律(介護保険法など) → 逮捕・刑事罰・指定取り消し

(3)条例・規則 → 指定取り消し・報酬返還・介護給付の過誤調整・是正報告の提出

(4)各種解釈通知 → 介護給付の過誤調整・是正報告の提出

 

 

2 職業倫理とは

 

「倫理」→ 人として守り行うべき道。善悪・正邪の判断において普遍的な規準となるもの。

道徳。モラル。(国語辞典)

 

簡単に言うと → 「やるべきこと」と「やってはいけないこと」

 

「職業倫理」とは → その職業の人が(プロとして)「やるべきこと」と「やってはいけないこと」

 

プロフェッショナルな職業の人はすべて「職業倫理」を持っている(医師・弁護士・看護師・介

護福祉士 などなど)

 

≪演習≫

  介護のプロとして「やるべきこと」と「やってはいけないこと」の例を全員で沢山上げてみよう

 

 

Ⅱ 介護福祉士としての職業倫理

日本介護福祉士会倫理基準より

 

1 利用者本位、自立支援のための仕事をする

(1)介護福祉士は、利用者をいかなる理由においても差別せず、人としての尊厳を大切にし、利用者本位であることを意識しながら、心豊かな暮らしと老後が送れるよう介護福祉サービスを提供します。

 →どのような利用者であれ基本的人権を尊重します。最大限その人の希望を尊重する努力をします。

 

(2)介護福祉士は、利用者が自己決定できるように、利用者の状態に合わせた適切な方法で情報提供を行います。

 →高齢者や障害者は情報を積極的に取得することができません。できるだけたくさんの選択肢を提供できるように努力します。

 

(3)介護福祉士は、自らの価値観に偏ることなく、利用者の自己決定を尊重します。

 →介護福祉士が勝手に判断してはいけません。本人が何を望んでいるのかをしっかり理解したうえで仕事をします。

 

(4)介護福祉士は、利用者の心身の状況を的確に把握し、根拠に基づいた介護福祉サービスを提供して、利用者の自立を支援します。

 →自立支援は適切なアセスメントを通じて提供しなければなりません。アセスメントの無い介護は根拠のないサービスであり、介護福祉サービスとは言えません。

 

≪演習≫

  要介護5で寝たきり、意識が不鮮明でコミュニケーションができない状況の利用者にとって利用者本位、自立支援のために何ができるかみんなで話し合おう

 

(ヒント:その人は何を望んでいるのか?家族は何を望んでいるのか?想像力を働かせて考える)

 

2 専門的サービスの提供

(1)介護福祉士は、利用者の生活の質の向上を図るため、的確な判断力と深い洞察力を養い、福祉理念に基づいた専門的サービスの提供に努めます。

 →福祉理念とは「ノーマライゼーション」や「インクルージョン」、「憲法25条(健康で文化的な最低限度の生活の保障=生存権)」、「自立支援」などで、これらの理念をしっかり理解している必要があります。

 

(2)介護福祉士は、常に専門職であることを自覚し、質の高い介護を提供するために向上心を持ち、専門的知識・技術の研鑚に励みます。

 →プロフェッショナル(専門職)とは継続的な自己研鑽により、知識・技術レベルを向上させ続ける人です(どんな職業でも)。

 

(3)介護福祉士は、利用者を一人の生活者として受けとめ、豊かな感性を以て全面的に理解し、受容し、専門職として支援します。

 →どのような利用者でも(例えば人格障害などで社会適応ができない人でも)、その存在を尊重し、受容できる許容力が必要です。豊かな感性とは難しいケースの人を支援する仕事でも、楽しめるような感性です。

 

(4)介護福祉士は、より良い介護を提供するために振り返り、質の向上に努めます。

 →振り返りとはモニタリング=評価のことです。アセスメント→介護計画→実施→評価のサイクルをマネジメントサイクルと呼び、介護の質を向上させる仕組みとして重要です。

 

(5)介護福祉士は、自らの提供した介護について専門職として責任を負います。

 →責任を負うとは、悪い結果が出た場合はきちんと評価をし、再度アセスメントを行い、良い結果が出るよう努力をすることです。

 

(6)介護福祉士は、専門的サービスを提供するにあたり、自身の健康管理に努めます。

 →腰痛や精神疾患などにより現場を離れる介護職が沢山います。職業人として健全な心身を保つための日々の努力(運動・栄養管理・睡眠・ストレス解消など)は欠かせません。

 

≪演習≫

  介護のプロとして医療職(医師・看護師・PTなど)にはできないこととして、どんなことがあるか話し合おう

 

(ヒント:利用者のQOL向上を考えた時、医療職の限界は何であり、介護職は何ができるか)

 

 

次回その2に続く

中小企業による介護事業参入ガイド その3-金属加工からの参入で月商300万円以上

◆工業団地の中の介護事業所

 

筆者がお世話させていただいている株式会社ナックは神奈川県綾瀬市で金属加工を営んでいる製造業の企業です。

http://www.kk-nac.co.jp/

 

近隣は流通倉庫や工場が並ぶ工業団地。介護事業所があるようなイメージはありません。

しかし、2014年に開業以来、3年たらずで、月の売り上げが300万円を超える訪問介護事業所に成長しました。

事業所名は「さんしゃいんヘルパーセンター」。訪問介護事業と障害者居宅介護事業を行っています。

http://sunshine-helper.com/

 

さんしゃいんヘルパーセンターとしての従業員は常勤非常勤併せて20名程度ですが、製造部門も合わせると、40名程度。社員の数名は介護部門と製造部門を兼務しています。

 

 

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外観は金属加工会社です

 

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事務所は共用

 

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事務所の隣には加工済みのアルミホイールが並ぶ

 

◆最小限の資源投資で継続的な事業化に成功

 

円高などによる製造業不況の中、株式会社ナックの中島社長は、社会に貢献できる事業として、今後の成長が期待できる介護事業の参入を決めました。

 

自分の会社でどんな介護事業ができるのか、筆者にもご相談頂きました。ナックが参入する介護事業として筆者が提案したのは、訪問介護事業・障害者居宅サービス事業でした。理由は以下の通りです。

 

1 最小の投資で事業化できる

事業用地などがあれば、老人ホームなどの経営が可能かもしれませんが、そうした資源はありません。最小の事業投資で実現できる介護事業としては訪問介護事業が最適です。

 

2 事務所などの施設設備を製造業と共用できる

事務所は製造部門と共用できます。椅子や机も同様です。相談室は社長室を活用しました。

 

3 人材を製造業とも共用できる

事務所は同じですので、訪問介護員が金属加工の職員と兼務できます。事務職員も同様です。最小の人材投資で事業を効率的に進めることができます。

 

金属加工の仕事は受注により業務量が大きく変わります。仕事が無いときは工場が休業になってしまう場合もあります。人材の有効活用はこうした製造業にとっては大きな課題でしょう。

 

自動車業界などの製造業では、製造部門の契約職員や派遣職員の問題が近年クローズアップされました。繁忙期には有期契約職員を雇用し、仕事の無い時期には解除することで効率的に人材を活用する方法です。リーマンショック以降の就職氷河期には大きな問題となりました。

 

介護事業は、今のところ正社員を望む職員は基本的に正社員化できる事業です。介護と製造業をミックスすることで安定的な就労環境を実現できます。

 

4 障害者居宅サービス事業も同時に実施できる

介護保険による訪問介護事業は同時に、障害者向けの訪問介護事業を経営できます。障害者向けの居宅サービスは、近年法的な整備がされ利用率が大きく伸びており、収益の期待できる事業でした。

 

5 訪問介護・障害者居宅サービス事業はサービス供給不足である

訪問介護事業者の多くが人材不足などにより、サービス供給が需要に追い付いていないと感じています。特に障害者居宅サービスは利用申し込みを断っている事業者も多く、供給が追い付いていません。従って現在、必ず仕事のある事業になっています。

 

 

◆社長自ら資格を取得

 

介護事業に参入するにあたり、社長をはじめ主要な職員がまず介護職員初任者研修を取得しました。それにより、介護とは何かということの基本を学びました。

 

介護事業に参入するのであれば、やはり経営者は介護とは何かを学ぶ必要があります。また、訪問介護員は介護職員初任者研修修了者でなければなりませんので、この資格は必須です。

 

ちなみに、東京都では会社の社長でも無料で資格のとれる、資格取得支援事業があります。近年、介護人材不足に対応した行政の支援事業が多く実施されていますので、こうした事業を活用することをお勧めします。

http://www.tcsw.tvac.or.jp/jinzai/kaigojinzaikakuho.html

 

ただし、訪問介護事業所に配置しなければならないサービス提供責任者は、介護職員実務者研修の修了者、もしくは介護福祉士でなければなりません。介護職員実務者研修は現状では取得に6か月程度必要です。

 

もし、既存の職員の中に介護現場経験がある職員がいない場合は、新規に現場経験のあるサービス提供責任者を採用する方がベターでしょう。

 

その際、できるだけ優秀なサービス提供責任者を採用するために、周辺の相場より良い待遇で求人を出すことが重要です。

 

ナックでも新規にサービス提供責任者を採用して、訪問介護事業をスタートさせました。

 

 

◆成長の秘密は人材確保

 

訪問介護事業では職員採用がそのまま収益につながる事業です。適切な業務を行っている事業所であれば、人がいる分、必ず仕事が入ってくるのです(それだけサービス供給が不足している)。さんしゃいんヘルパーセンターはこれにより、毎年順調に利用者数を伸ばしていきました。

 

訪問介護事業は夜勤の無い介護事業の中では最も給与水準の高い事業です。国から支給される介護職員処遇改善加算でも、最も加算額が多く、時間当たりの介護報酬も高くなっています。

 

さんしゃいんヘルパーセンターでは周辺の訪問介護事業所よりも高めの報酬設定と好待遇により職員採用を進め、介護人材難の中、新たに10名以上の職員の採用に成功しています。また、都心部では難しい自動車での訪問が可能であることが地域的なメリットです。さらに職員に余裕があるということは、休みも比較的取りやすいことにつながりました。

 

こうした余裕のある経営ができるのも、製造部門との経営資源の共有化による低コストな事業所運営にあると考えます。

 

 

 

 

◆質の高いサービス提供により収益増

 

訪問介護事業では質に高いサービスを提供すると、さらに介護報酬を加算できるしくみがあります。特定事業所加算という報酬で、さんしゃいんヘルパーセンターでは2番目に高いレベルの特定事業所加算Ⅱを取得して収益の向上を図っています。

 

質の高いサービスの実現は当然ながら、地域からの信頼につながります。地域から信頼される事業所には仕事が集まってきます。

 

ここで重要なのは質の高いサービスを提供するには人的な余裕が必要だということです、人的にひっ迫している事業所ではサービス提供責任者などが多忙で、サービス管理がおろそかになりがちです。

具体的には訪問スタッフの相談にのれなくなったりすることで、スタッフの不満が大きくなり、離職率が高くなります。そのため、さらにサービスの質が低下する、悪循環が発生します。

さんしゃいんヘルパーセンターではこれを好循環にするために以下のようなサイクルを意識して事業運営を行っています。
 

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介護事業成長させる「好循環」のサイクル

 

 
最初の立ち上げ時にできるだけ投資を抑えたことで、良い循環に持ち込めたのかもしれません。

さらに人的に余裕のあるレベルの高いサービスの提供は、スタッフの労働意欲の向上にもつながります。

 

今後の課題は、非常勤のパートさんを活用することで、さらに収益率の高い事業にしていくことです。

 

 

 

 

 

中小企業による介護事業参入ガイド その2 - 介護報酬改定の逆風

 

 

◆これまでの介護保険制度の変遷

 

日本の医療・介護・年金などの社会保障制度は財政的にひっ迫していることは、この業界の方でなくてもご存知のでしょう。

 

各方面で財源を節約する制度改正が毎年のように行われています。介護保険制度も概ね3年に一度大きな改正があり、前回の改正は 2015年(翌年から実施)でした。これまでの改正の主な経緯を見ると以下のようになります。なお、改正の実施はすべて翌年からになります。

 

(1)2005年改正

●「予防重視型システムへの転換」

・要支援者への「予防給付」を創設

・要支援者のケアマネジメントを「地域包括支援センター」で実施

・区市町村による介護予防事業(地域支援事業)を実施

・特養等の食費・居住費、自己負担化

・地域密着型サービスの創設 など

 

(2)2008年改正

●「法令遵守等の業務管理体制の整備」(2007年のコムスン事件を受けて)

・事業者の立入検査制度の強化

・不正事業者の処分逃れ対策防止 など

 

(3)2011年改正

●「地域包括ケアシステムの推進」

・医療と介護の連携の強化(介護職員等による痰の吸引等の実施など)

・サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進

・地域密着型サービスの拡大推進 など

 

(4)2014年改正

●「地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化」

・予防給付を区市町村の地域支援事業に移行

・特別養護老人ホームの入居基準、要介護3以上へ

・一定以上の所得のある利用者の自己負担を2割へ引上げ など

 

(5)2018年改正(予想)

●「介護保険費のさらなる節約」

・自己負担枠の拡大(福祉用具など)

・区市町村の役割強化(地域支援事業の拡大)

・区市町村間の競争制導入

 

各年の改正には介護給付費の改正がセットになっており、介護職員の処遇改善対策が毎年強化されています。これまでの改正の流れをまとめると、国の政策の方向性は以下のようになります。

 

●介護保険制度の流れ

①介護保険財源の節約(お金のかからない在宅サービスを優遇)

②介護サービスの質の向上(要介護度を悪化させないサービスを優遇)

③区市町村の役割強化(競争の導入)

 

 

◆流れを見失うと介護事業は失敗する

 

前の回でご紹介した、東京商工リサーチによる2016年1-9月の「老人福祉・介護事業」の調査によると、この時期の介護事業者の倒産理由は以下のようになっています。

 

(1)販売不振51件(前年比2倍増)

(2)事業上の失敗10件(おそらくは人材の流失による事業継続困難)

(3)設備投資過大5件(デイサービスなどの施設開設の際の投資過大)

 

それぞれの原因の中で目立つのは、本業不振のため異業種からの参入失敗(6件)や過小資本でのFC加盟(3件)など、事前準備や事業計画が甘い経営が目立っています。

 

筆者が想像するに、事業を閉じた多くの業者は前述の介護保険制度の流れが見えていなかったのではないかと考えています。

 

 

◆消費者ニーズではなく介護ニーズを見極める

 

一般的な商行為と異なり、介護業界では「消費者ニーズ」ではなく「介護ニーズ」を見極めなければなりません。

 

前述のお泊りデイサービスの例を見てみましょう。

 

お泊りデイサービスは民家型のデイサービスに自費で宿泊ができるサービスで、認知症の要介護の高齢者の家族を中心に、消費者ニーズが高いサービスでした。

 

具体的には、認知症の高齢者の家族の介護負担が大きく、自宅同居が難しくなり、特養は一杯で入居できず、有料老人ホームやグループホームは値段が高くて利用できないケースなどがあげられます。

 

定員10人の小規模事業所でも、毎日宿泊する利用者が3人いれば介護報酬も含めて100万円以上の売り上げが上がり黒字化できるために、FC加盟も含め新規に参入する事業者が多かったサービスです。

 

月数万円の自己負担をすれば、長期間の利用が可能で、高齢者を預けたい家族に人気がありました。その意味では消費者ニーズにマッチしたサービスと言えます。

 

しかし、ここにおける介護ニーズは消費者ニーズとは異なります。具体的な介護ニーズを上げると以下のようになります。

①認知症高齢者に必要なのは、認知症を悪化させず、安心安全に生活できる環境である

②認知症高齢者本人と家族の関係に問題がありそれを解消する必要がある

③行政として防火対策も含め介護の質を保証したいニーズがある

 

お泊りデイサービスは上記のような介護ニーズを解消する仕事をするわけではありません。介護保険制度はこのような介護ニーズを解消する役割を、第一にケアマネージャーに課しています。

 

ケアマネージャーは上記の介護ニーズに蓋をして、消費者ニーズを優先し、安易にお泊りデイサービスを利用するべきではないのです。介護ニーズを叶えるために、一時的にお泊りデイサービスを利用することは良いとしても、継続的に利用することは問題があります。それで介護ニーズが解消されたとは言えないということです。

 

私のお付き合いしている在宅介護事業者のケアマネ事務所では約200名の在宅介護のご利用者をお世話していますが、ここ数年、デイサービスのお泊りを利用しているご利用者は居ません。

 

多くのケアマネージャーは現在、安易なお泊りデイサービスの利用で介護ニーズがかなえられるとは考えていません。同様のサービスを提供する小規模多機能居宅介護の広がりもあり、本サービスは次第に利用者を減らしていきました。

 

 

◆機能特化型デイサービスの苦戦

 

2014年の改正で通所介護の基本報酬が大きく引き下げとなりました。特に、予防給付の引き下げが大きくこれにより倒産に追い込まれた事業者も多いようです。

 

筆者はこの改正により、リハビリ(機能訓練)や入浴専門のいわゆる機能特化型のデイサービスが大きな影響を受けたと考えています。

 

一方で認知症高齢者の積極的な受入れを評価する認知症加算や、中重度者の受入れを評価する中重度者ケア体制加算、個別機能訓練加算などが増額されています。

 

国がこのような介護報酬改定を行った理由もやはり介護ニーズとのマッチングにあると思います。

 

介護ニーズに照らしてデイサービスの役割は概ね以下のように定義できます。

①体力・認知機能低下の予防による要介護度悪化防止

②レスパイトケア(家族の介護負担軽減)

③社会的な孤立の解消や健全な精神活動の促進

 

これらの役割をまとめると「在宅生活を維持するためのサービス提供」と定義しても良いでしょう。

デイサービスでは介護ニーズを叶えるために、機能訓練・食事の提供・健康管理・入浴・口腔ケア・利用者同士の会話・レクリエーション・生きがいづくりなどのサービスを提供します。

 

機能特化型のデイサービスでは、機能訓練や入浴など限定的なサービスのみの提供になるため、デイサービスに期待されている介護ニーズの一部しか解消していないことになります。

 

国としてはデイサービスに上記の介護ニーズをできるだけ多く解消することを望んでいます。逆に言えば多くの高齢者には上記のような介護ニーズがあるにもかかわらず、一部しか解消しないと思われるサービスの報酬を減らしたわけです。

 

また、倒産理由にあるように、リハビリ系デイサービスはトレーニングマシンなどの設備投資が過大になる傾向があります。さらに、お風呂が無い事業所が多いため、入浴ニーズがない軽度の高齢者が多く利用することになりますので、予防給付が減らされたことが大打撃となっています。

 

機能訓練が不要な要介護高齢者など居ませんので、デイサービスを開業するならリハビリ系のデイサービスだという風潮が広がったようで、このサービスは乱立状態にあります。そのため過当競争に陥っている状況も見て取れます。

 

なぜか経営者の中には、オリジナルなビジネスモデルを多地域にチェーン展開することが良いビジネスだという考えがあるようです。しかし、どんなに革新的なサービスでも上述の介護ニーズを解消する役割が無ければ、介護事業としては失敗します。

 

 

次回は人材不足で苦戦する訪問介護に製造業から参入し成功している会社の事例をご紹介します。

 

 

 

中小企業による介護事業参入ガイド その1

◆介護事業への参入にはもうメリットは無い?

 

東京商工リサーチによると2016年1-9月の「老人福祉・介護事業」倒産が累計77件に達し、過去最高となったようです。

http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20161007_01.html

 

同時期の日本の企業全体の倒産件数は4,216件ですので、介護事業者の倒産はうち1.8%にあたります。ただし、4,216件は負債総額1千万円以上の倒産件数ですので、零細事業者を含めると、実際の企業倒産件数は、はるかに多いと考えられます。

http://www.tsr-net.co.jp/news/status/half/2016_1st_02.html

 

こうした統計数から、介護事業が他の業種に比べ倒産しやすいということは言えません。筆者は倒産しにくい業種であると考えています。

 

もちろん、この時期、日本の全体の企業倒産件数が減っているのに、介護事業だけは増えているということだけは言えます。

 

日本の企業全体としては、円安によって製造業を中心に収益が向上し、倒産件数の低減につながったと考えられますが、介護事業には逆風が吹いていたということです。

 

主な逆風は二つあります。

 

1 介護報酬の改定

2 人手不足

 

この二つの逆風が、倒産件数が過去最高になった原因と考えている人が多いようですが、筆者は実際はそうではないと考えています。

 

逆風についての解説はのちほどするとして、こうした、経営環境の悪化により、もう介護事業への参入メリットは無くなったと考える人もいらっしゃるようですが、筆者はそうは思いません。

 

 

◆介護事業者の数が増えたから倒産数も増えただけ

 

ご存知のように現状の日本の経済成長率は1%前後です。

一方、介護給付は、2014年度は10.0兆円であり、2025年度には21兆円に達すると推計されています。

これは年間、10%の伸び率です。つまり、日本の他の産業に比べ10倍の成長率と言えます。

 

先に挙げた介護企業の倒産数も、実は企業数自体が増えたことによる。増加と考えられます。分母が増えれば分子が増えるのは当然です。実は倒産率自体は減っているのです。

 

介護事業の倒産数は前年同期76件から77件に増えましたが、たった1.3%の伸びです。産業自体の成長率に比べ倒産数が極めて少ないということです。

 

介護事業は介護を必要としている人がいれば、国の責任でサービス提供体制を確保しなければならない公益事業です。介護人口の増加に対応してサービス提供主体である介護事業者を増やさなければ、我が国の社会福祉制度が失敗したことになります。

 

結果、国は否が応でも介護事業者の増加を保証する義務があります

 

 

◆大儲けを考えている人は、参入は避けた方が良い?

 

介護保険制度開始時、快進撃を続けたコムスン。少し前ですと、有料老人ホームを次から次へと建設し、高い収益性を確保して儲けた企業。また、お泊りデイサービスのフランチャイズ化で急成長した企業もありました。

 

しかし、この業界の成長神話のような企業は少しずつ姿を消していったようです。原因の多くは国の介入によるものです。

 

先日、公正取引委員会が「介護事業に競争性を」という提言をしました。

http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/sep/160905_1.files/02.pdf

公正取引委員会としては健全な競争を介護業界に促し、産業全体をより成長させ、国民に質の高い介護サービスを提供できるようにしたい、というのが提言の目的でしょう。

 

一方で、厚生労働省としては競争性の導入によるサービスの質の低下を危惧しています。先に述べた急成長した介護企業はその点で、厚生労働省のお眼鏡にかなわなかったのです。そのためこの業界から退場していきました。

 

コムスンは人件費を低減するために必要な人材を配置しませんでした。これはサービスの低下につながります。

 

有料老人ホームは人手不足で仕事ができなくなりました。また、コストのかかる職員研修などを怠って事件事故が多発しました。

 

お泊りデイサービスは劣悪な宿泊環境や防災対策を怠っていました。

これらすべて、サービスの質の低下です。

 

厚生労働省は介護給付にかかわるサービスの質について非常に敏感です。サービスの質の低下につながる競争性は決して認めません。

 

 

 

◆急成長したが退場した企業に学ぶこと

 

一般的に、急成長して大儲けする企業は、他社がやらない革新的なサービスをいち早く開発し、大規模に提供することで競争に勝ってきた企業です。

 

コムスンは借金をし、事業所数を急速に増やし、シェアを確保しようとしました。それにより人員基準に違反した事業所が沢山出てきてしまい、おとり潰しになってしまいました。

 

介護保険制度導入期に一気にシェア拡大を図ったことが裏目に出た感じです。また、介護事業をフランチャイズ事業化して儲けようと思うのは問題があります。

(参照)「失敗しない介護・福祉起業」http://carebizsup.com/?page_id=264

 

最近になって有料老人ホームが苦戦しているのは、行政が包括介護報酬を払いたくないということと、サービス付き高齢者住宅の拡大です。

 

有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)は利用者一人におおよそ月20万円程度の介護保険給付が必要になります。対して自宅でケアした場合、せいぜい10~15万円ぐらいの介護給付で賄えると考えられます。

 

サービス付き高齢者住宅の多くは簡単に言えば高齢者用ワンルームマンションです。バリアフリー化やナースコールの設備はありますが、一般の単身者用ワンルームマンションと大した違いはありません。

 

サ高住に住んで訪問介護などのケアを受けることは、自宅でケアを受けることであり、介護給付費の節約のために、国は補助金を出すなどして包括サービス型の老人ホームよりもこちらを優遇しています。

 

実際、有料老人ホームで成功してきた企業も、サービス付き高齢者住宅事業にシフトしています。

 

また、包括サービス型の老人ホームは常駐スタッフにより介護サービスを提供します。一方、サ高住は訪問介護や看護、通所介護によりサービスを提供します。

 

業務の管理体制から言って、同じ料金ならば後者のサービスの方が、質は高いと国は考えているかもしれません。ここでもサービスの質の保証というモチベーションが国に働いていると思います。

 

お泊りデイサービスは介護保険制度ではカバーできない、介護難民的な高齢者にサービスを提供できる革新的なビジネスモデルとして、一時もてはやされました。

 

一般の住宅を改造すれば手軽にサービスを提供できるので、参入する小規模事業者が沢山いましたが、宿泊場所が劣悪であったり、スタッフの質が問題になったり、防火対策が不十分であることなどにより、問題視する声が広がりました。

また、同じサービスを提供できる小規模多機能居宅介護などが広がり、現在は多くが撤退をしています。

 

どんなに革新的なサービスでもサービスの質の保証ができないと、この業界では撤退を余儀なくされます。国は制度を修正して、必ずそのような介入を行ってきます。

 

逆に言えば、サービスの質の向上につながる革新性や競争力が必要なのですが、固定給付の制度のため、なかなかそれが難しいのがこの業界の現実です。

 

道行は長いですが、一つ一つの事業所がいかに地域に根差して信頼を獲得していくかが、事業を確実に成長させていく近道だと筆者は考えています。優良な介護企業の多くはそれを実践している企業です。

 

 

次回は、前述の逆風についてのお話をしたいと思います。

 

 

通所介護 実地指導で準備しておきたい書類 ガイド 最終回

◆加算取得時必ず整備しなければならない書類

 

(1)中重度者ケア体制加算

 

①従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表

 人員基準は規定の人員プラス2人以上の看護師または介護職員が常勤で勤務していなければなりません。

 また、サービス提供時間中に看護師が1名以上勤務している必要があります。

 

②要介護3から5の利用者の人数がわかるチェックシート

 都道府県に加算の届け出を提出した際に作成した、チェックシートもしくは確認書を加算を算定している期間分作成しておく必要があります。

 前年度の実績による場合は、前年度1年分の実績、過去3か月分の実績による場合は、毎月分を作成し要件を満たしている必要があります。

 

③その他要介護度の分布がわかる資料

 該当する利用者の被保険者証や名簿、サービス提供票の控えなど利用実績が確認できる書類が必要になります。

 

 

(2)個別機能訓練加算

 

 機能訓練は通所介護サービスにおいて最も期待されているサービスの一つです。この加算は個別の機能訓練に関して計画的にサービス提供している場合に加算できます。

 この加算を算定しなくても、通所介護における機能訓練は必須のサービス内容となっています。

 せっかく機能訓練サービスを提供するのであれば、この加算を積極的に取得していく方が良いと考えます。

 どのようにサービス提供すれば加算が取得できるかは、別の機会に詳しくご説明したいと思います。

 

 なお、サービス内容によって(Ⅰ)と(Ⅱ)がありますが特に記載のない場合は共通の書類と考えてください。

 

①従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表・出勤簿・資格証(写)

 機能訓練指導員の勤務状況がチェックされます。(Ⅰ)は常勤もしくはサービス提供時間中勤務している必要があります。(Ⅱ)は加算が算定している日に勤務していればOKですが、勤務時間は概ね3時間以上(実態として個別機能訓練が提供できる時間)と言われていますが、提供する利用者数により変動してくると考えます。

 

 また(Ⅱ)の場合、地域により週3日以上勤務など規定を設けている場合がありますので、加算を算定する場合は、都道府県に確認しましょう。当然ですが(Ⅱ)の場合、機能訓練指導員が休暇や研修で不在の場合は算定はできません。

 

②重要事項説明書・パンフレットなど加算の算定を周知する書類

 加算を算定する曜日、およびそれが(Ⅰ)なのか(Ⅱ)なのかそうした情報を事業所のパンフレットなどに明記し、利用者やケアマネージャーに周知している必要があります。

 

③機能訓練計画書

 個別機能訓練計画書は、機能訓練指導員が作成しなければなりません。但し、機能訓練指導員が直接訓練しなければならないと明示されているのは(Ⅱ)だけですので、(Ⅰ)は機能訓練が計画的に行えれば良く、直接訓練の要件はありません。 

 

 なお、機能訓練計画は3か月に1度評価し見直していくことが必要です。その際、機能訓練指導員が自宅に訪問することが求められています。

 

個別機能訓練計画書に記入しなければならない内容は以下の通りです。

〇「利用者ごとにその目標」

〇「実施時間」

〇「実施方法」

〇「機能訓練指導員が自宅に訪問した年月日」

などが最低限盛り込まれている必要があります。

 

規定の様式はありませんが、書式については以下をご参照ください。

www.city.yokohama.lg.jp/kenko/kourei/jigyousya/kaigo/dei/kobetukinou.doc

 

③評価書

 個別機能訓練計画に基づいた評価は必ず必要です。評価書自体は計画書と一体的に作成しても構いません。

 以下の事項は必ず盛り込みます。

〇「個別機能訓練の効果(目標の達成状況)」

〇「実施時間についての評価」

〇「実施方法についての評価」

 

④個別機能訓練のメニューやプログラム内容等

 (Ⅰ)の場合、通所介護利用者をグループに分けて選択的にプログラムを提供することが求められていますので、メニューやプログラムの内容がわかる書類が必要になります。

 機能訓練の選択メニューは以下のようなものになります。

 

機能訓練メニュー(選択項目) 例

 

①運動機能向上系メニュー

●ひざ痛対策プログラム

●腰痛対策プログラム

●転倒防止プログラム

●各ADL/IADLに対応したプログラム  etc

 

②口腔機能向上・栄養改善系メニュー

●嚥下能力向上プログラム

●心肺機能向上プログラム

●食事のための作業療法プログラム

●コミュニケーション向上プログラム  etc

 

③閉じこもり・うつ予防系メニュー

●生きがい作りプログラム

●社会交流促進プログラム

●セラピー系(音楽療法など)プログラム

●①、②を組み合わせた複合系プログラム   etc

 

④認知機能低下予防系メニュー

●脳機能向上プログラム(知能系)

●脳機能向上プログラム(運動系)

●①、②、③を組み合わせた複合系プログラム   etc

 

 

 

(3)認知症加算

 

①従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表

 人員基準は中重度者ケア体制加算と同じです。規定の人員プラス2人以上の看護師または介護職員が常勤で勤務していなければなりません。

 

②認知症介護実践者研修等の修了証

 サービス提供時間を通じて認知症介護実践者研修等を修了した者を1名以上配置していなければなりません。

 認知症介護実践者研修等とは「認知症介護の指導に係る専門的な研修」、「認知症介護に係る専門的な研修」、「認知症介護に係る実践的な研修」等です。

 

③日常生活ランクⅢ以上の利用者の人数がわかるチェックシートなど

 こちらも、中重度者ケア体制加算と同じです。都道府県に加算の届け出を提出した際に作成したチェックシートもしくは確認書を加算を算定している期間分作成しておく必要があります。

 前年度の実績による場合は、前年度1年分の実績、過去3か月分の実績による場合は、毎月分を作成し要件を満たしている必要があります。

 

④その他日常生活ランクの分布がわかる資料

 該当する利用者の被保険者証や名簿、サービス提供票の控えなど利用実績が確認できる書類が必要になります。

 

⑤認知症の進行緩和プログラムが計画的に提供されている状況がわかる書類

 アセスメントや通所介護計画書以外に、個別に「認知症の進行緩和計画書」(例)のようなものが作成されていることが望ましいでしょう。ただし、通所介護計画書に内容が盛り込まれていればそれでOKです。

 

 認知症加算を算定している場合は、通所介護計画書をカスタマイズして、「認知症の進行緩和プログラム」の内容が記入できるようにしておくと良いでしょう。

 

 

(4)栄養改善加算

 

 本加算を算定するためには管理栄養士を1名以上配置し、専門的な栄養管理を計画的に提供する必要があります。

 管理栄養士がいて利用者が単に要件に該当しているからといって算定できるわけではありません。

 具体的には厚生労働省から出ている「栄養改善マニュアル」などに沿った形でのプログラムを提供しなければなりません。

http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1_05.pdf

 

 人員基準や利用者の要件などに関する書類だけでなく、プログラム全体がチェックされます。必要な書類が完備しているだけでは算定できないので、説明は省きたいと思います。

 

 

(5)口腔機能向上加算

 本加算も看護師などの資格者が配置しているだけでは加算できません。

 こちらも厚生労働省から出ている「口腔機能向上マニュアル」に沿った形でのプログラムを提供しなければ加算は難しいでしょう。

http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1_06.pdf

 

 

(6)サービス体制強化加算

 

 こちらは(Ⅰ)と(Ⅱ)と(Ⅲ)があります。特に説明がない場合は共通の事項です。

 

①従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表

 常勤換算で介護福祉士が(Ⅰ)は40%(Ⅱ)が30%以上です。また(Ⅲ)では勤続3年以上の職員が30%以上です。

 

②資格証の写しまたは勤続年数のわかる書類

 勤続年数は労働者台帳や労働条件通知書などにより確認します。この勤続年数は加算を算定する通所介護事業所に勤務した年数だけではなく、同一法人の別の事業所(例えば訪問介護など)に勤務していた期間も含めることができます。

 

③人員基準チェックシートなど

 こちらも、都道府県に加算の届け出を提出した際に作成したチェックシートもしくは確認書を、加算を算定している期間分作成しておく必要があります。

 前年度の実績による場合は、前年度1年分の実績、過去3か月分の実績による場合は、毎月分を作成し要件を満たしている必要があります。

 

 

(7)介護職員処遇改善加算

 

 (Ⅰ)から(Ⅳ)までありますが、キャリアパス要件(賃金規定など)など、行政に提出した計画書に添付した書類はすでに整備されているという前提で説明します。

 

①最新の計画書および報告書

 処遇改善加算は毎年、計画書と報告書を提出しているため、その内容で実施されているかがチェックされます。

 

②研修の実施がわかる書類

 「資質向上の目標と具体的な研修計画」を提出していますので、その内容で研修が実施されているかがチェックされます。

 「研修実施報告書」「研修資料」など実際に研修が行われていることが確認できる書類が必要になります。

 

③賃金台帳、給与明細など

 加算が該当する職員に適切に支払われてる実態がわかる書類です。また、管理者や事務職員など実際に介護業務(介護保険給付対象の業務)に携わっていない職員に支給されていないかもチェックされます。

 

④昇進昇格などが確認できる書類

 労働者台帳や辞令の控え、賃金台帳などで職員がキャリパスの計画書どおりに昇進昇格を果たしているかをチェックします。

 

⑤その他計画書に記入された事項が実施されていることがわかる書類

 資格取得のための支援や職場環境改善の状況がわかる書類です。出勤簿など書類だけでなく、購入物品などの確認をする場合もあります。

 

 

 以上、加算に関する説明でしたが、入浴や送迎に関する加算は前述の通所介護計画書などで分かるので省きました。

 

 

 

 

通所介護 実地指導で準備しておきたい書類 ガイド その6

◆事業運営上必ず整備しなければならない書類Ⅳ

 

(2)保険給付関係書類

 

 介護保険給付に関する書類は、ケアマネージャーや国保連から送られてくる書類とパソコンの請求システムから出力される書類などを月ごとに管理します。また、生活保護関係の書類も月ごとに綴っておきます。

 

 介護保険の給付関係書類は、実際に保険を請求し受領した額に関わる証拠書類になります。実際にその事業所が国保連にどのような内容で保険請求をしたかがチェックされるのですが、実地指導においては、これらの請求内容と実際にサービス提供内容が合致しているかが問題になります。

 

 従って以下の書類は必ずチェックされますので適切に保管しましょう。

〇サービス提供票(控)、サービス提供票別表

〇請求書および領収書の控

〇サービス提供証明書控(介護給付明細書代用可)

 

 加算やサービス提供時間はケアマネージャーへしっかり確認し、毎月の請求業務を行う必要があります。

 

≪注意!≫

 請求事務の担当者が現場から離れている場合は注意が必要

 

 現場でサービスを提供しているスタッフと請求事務を行っているスタッフが異なる場合、注意が必要です。

 

 多いケースとしては、各種加算など実際は現場で提供していないのに、ケアマネージャーが提供していると思い請求に載せてしまい、事務担当者もそのまま請求してしまうケースです。

 

 現場の担当者が、毎月のサービス提供票をチェックしていない場合に発生するトラブルです。

 現場が請求事務に関与していない場合であっても、管理者は最低限毎月のサービス提供票をチェックしたいものです。

 

 このミスが実地指導で発覚した場合は給付金の返還だけではなく、是正処理の際にケアマネージャーやご利用者に対して、事業所としての信頼を損ねる可能性がありますので注意してください。

 

 

(3)事業所として作成しておかなければならない書類

 

 これまでは、ご利用者一人一人に関して管理しなければならない書類を説明してきました。ここからは、事業所として作成・管理しなければならない書類についてご説明します。

 

 

 ①勤務表(シフト表)=従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表

 

「従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表」

https://www.city.niigata.lg.jp/iryo/kaigo/jigyousyatop/shisetsu_service/shinkishitei/tankinyushoseikatu.files/08-18-02kisairei_kinmukeitaiitiran.pdf

は毎月、月初めに作成し、人員基準を満たしているかをチェックするものです。作成を怠っている事業所も多いかもしれません。

 実地指導では当月を含めて3か月分は必ずチェックされます。少なくとも1年分程度は作成し保管しておきたいものです。

 

 また、これとは別に「勤務シフト表」を作成している場合はこちらもチェックされます。実際の勤務状況を見るためです。勤務シフト表が無い場合は、出勤簿や場合によっては給与明細などと突き合わせてチェックされます。

 

 「従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表」はあくまで勤務の予定表ですので、例えばシフトの変更や有給休暇の取得、病休、研修参加などにより実際の出勤状況と合わない場合があります。この点については後から修正したりする必要はありません。あくまで毎月の勤務予定です。

 ただし、常勤職員の勤務時間は週40時間を超えてはいけません。つまり、残業をあらかじめ予定勤務時間にしてはいけないということです。これは、パートさんの勤務時間を常勤換算した場合も同様です。

 

 また、生活相談員は、サービス提供時間中(運営規定上明示された時間)必ず事業所に勤務していなければならない決まりになっています。「従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表」では必ずその要件を満たすように作成しなければなりません。

 

 仮に土曜日営業していたり、サービス提供時間が週40時間を超える規定になっている場合は、必ず足りない部分に別の生活相談員が勤務する形態でなければなりません。

 

 また、生活相談員が有給休暇を取ったり、研修参加などで不在の場合は、他の生活相談員が提供時間中勤務することが求められます。

 

 そうした際、実地指導でもし、事業所に生活相談員が一人しかおらず、その人が不在であるケースがある場合、是正指導を受けます。悪質な場合(長期の病休等)は指定取り消しや業務停止になりますので注意しましょう。

 

 生活相談員は常勤である必要がないので、パートさんなどで生活相談員の資格を保有する人がいる場合は、できるだけ相談員に任命し、主たる生活相談員が不在の場合の補助の生活相談員として勤務してもらった方が良いと思います。

 生活相談員の資格要件についてはこちらをご覧ください。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/hoken/kaigo_lib/tuutitou/7_tuukai.files/28seikatsusoudan.pdf

 

 常勤の必要はありませんが、機能訓練指導員や看護師についても、長期不在の状態に無いよう、同様の配慮が必要です。

 

 

②業務日誌(利用者の数がわかる書類)

 

 こちらは前述の「通所介護記録」で代用することも可能ですが、事業所運営上はスタッフ間の情報共有や事業所運営上の記録として、毎日、記入しておく方が良いかもしれません。

 

 実地指導では主に1日の利用者数をチェックするために利用されます。利用定員を超えていないかを主に確認します。

 

 様式はノート形式でも良いですし、ネット上にあるフォームなどを印刷して利用しても良いでしょう。

 

 記録事項としては以下のような内容となります。

〇年月日

〇天候

〇利用者数

〇出勤スタッフ名

〇記録しておくべき今日の出来事(イベント・ひやりはっと・事故・緊急事態・見学者・訪問者・送迎の遅れなど)

〇連絡事項

〇記入者

〇その他(昼食献立・おやつ・金銭出納記録・営業記録など)

 

 こうした記録は何かトラブルがあった際の証拠書類になったり、研修の材料になったりしますので、後々とても役に立つちます。

 

③利用者名簿

 

 現在利用しているご利用者の名簿です。

 通常は業務で作成している、住所や電話番号、要介護度、担当ケアマネージャー、緊急連絡先などを一覧にしたもので良いでしょう。

 実地指導では定員の確認や、利用者記録のチェックの際に使われます。

 

④送迎に関する記録 (車両運行日誌等)

 

 送迎記録は事業所の様式でかまいませんが、送迎時間が給付上のサービス提供時間に重なっていないかをチェックします。

 問題になるのはお迎えや送りの時間を実績で記録するのか、予定で記録するのかです。

 

 各事業所で作成する送迎表は通常「予定」の時間で作成すると思います。しかし、交通事情や利用者の都合で予定が狂う場合(ほとんどが遅れる)が多く、実績で時間を記入した場合、サービス提供時間に食い込んでしまい、規定違反になってしまうというケースが発生します。

 

 サービス提供時間が9時スタートならば9時までに事業所に到着するように予定を組むのは当然ですが、これが9時以降になっている場合は問題です。少なくとも予定はサービス提供時間に食い込むことが無いよう作成する必要があります。

 

 筆者としては送迎実績の時間は、交通事情などで遅れることがあり、記録しておく必要はないと考えますが、実地指導の担当者によっては送迎時間の実績を記録せよと指導する場合があるかもしれません。その場合はそのように対応する必要があるでしょう。

 

 到着が遅れた場合の対応としては、その分サービス提供時間を延ばし、帰りの時間を遅らせ、その旨を業務日誌などに記録しておくことですが、ご利用者も予定がありますし、帰りが遅れることで家族への連絡など煩雑な作業が必要になりますのであまりお勧めできません。

 

 そもそものサービス提供時間を、30分程度幅を持たせておく(7-9ならば7時間30分程度)のが最も適切な対応だと考えます。

 

 

⑤苦情に関する記録

 

 苦情受付簿ファイルを作っておきます。苦情受付用の様式もネットに色々ありますのでカスタマイズして利用します。ただし、苦情の実績がなくても問題にはなりません。

 

 苦情受付簿で処理するような苦情以外に、ケアマネージャーや家族を通じて要望のような種類の苦情もあるかと思います。

 そうしたものは、業務日誌などにその後の対応も含めて記録しておけば良いでしょう。一応それも「苦情に関する記録」になりますので、実地指導の際はその部分を提示すればよいでしょう。

 

⑥指導等に関する記録

 

 こちらは、過去に実施された実地指導などで指摘事項があり、是正処理がされている場合、一連の流れがわかる記録です。

 通常、行政から指導があった場合、文書通知により対応方法などが指示されます。それに適切に対応し、控えをしっかり保管しておけば良いでしょう。

 

 是正指示が出ているのにもかかわらず、実態として是正がされていない場合が良くあります。これは罪が重く、指導内容によっては指定取り消しや、業務停止になる場合もあります。

 過去に指導事項がある事業所はその内容が正されているか、同じ過ちを犯していないか、(特に人員基準)確認しておく必要があります。

 

⑦事故に関する記録

 

 サービス提供中の利用者のケガなどは区市町村に報告しなければなりません。様式は区市町村にありますのでお問い合わせください。

 基本的にはこうした事故報告に関わる一連の記録がファイリングされていれば良いと思います。ただし、報告しなければならないレベルの事故が無かった場合でも問題はありません。

 

 業務日誌にヒヤリハットなどが記録されていればその部分を提示しても良いかもしれません。

 

⑧各種マニュアル

 事業所運営上必要な各種マニュアルがチェックされます。ひな型はネット上にもあります。そうしたものをベースに少しずつ自事業所用に修正するのが望ましいですが、何もあらかじめきっちりしたマニュアルを作るのではなく、事業所内で話し合い、決められた仕事のルールなどをこまめに記録してファイルしておけば、それがマニュアルになります。

 スタッフ間で共有する仕事のやり方はできるだけ文書化し皆が閲覧できる場所にファイリングしておくと良いと思います。

 実地指導で確認される可能性があるマニュアルは以下のようなものですが、必ずしも同じ名前でなくても、それに類するものがあれば良いと思います。

 

〇業務マニュアル(各種連絡体制・事故対策・緊急時対策などがわかるもの)

〇災害対策マニュアル(避難訓練・消防計画がわかるもの)

 ※避難訓練の記録は業務日誌でOK

〇感染症対策マニュアル(衛生管理・食中毒防止等に関するもの)

  ※感染症対策に関する研修記録が別途あると良い(処遇改善加算の要件である研修に入っている良い)

〇その他 送迎マニュアル、機能訓練マニュアルなど。これらは業務マニュアルに入っていれば可。

 

 以上が業務運営上必要な書類です。次回は加算関係の書類をご案内します。

 

 

通所介護 実地指導で準備しておきたい書類 ガイド その5

◆事業運営上必ず整備しなければならない書類Ⅲ

 

(1)利用者に関する各種書類 つづき

 

⑩通所介護計画書

通所介護計画書の様式も特に指定されたものはありません。事業所によってはアセスメントやモニタリング、機能訓練の計画書を兼ねているものもあるでしょう。

しかし、基本的な事項として以下の規定がありますので、それらが守られている必要があります。

〇作成者=管理者(他のスタッフと協力して作成)でなければならない

〇アセスメントの結果を踏まえる(従ってアセスメントは必ずしなければならない)

〇利用者や家族の意向を踏まえる(ケアプランの内容で良い)

〇ケアプランに沿って作成されなければならない

〇援助の方向性や機能訓練等の目標(基本的にケアプランの内容で良い)

〇上記目標を達成するための具体的なサービスの内容及び手順等

〇各種加算算定の対象となるサービスを提供する場合はその内容(入浴など)

 

なお、計画書に示されるサービス提供時間は給付単位時間を超えていなければいけません。

7-9単位であれば、7時間ちょうどではダメで7時間15分など7時間を超えていなければなりません。

さらに、この時間の中に送迎時間を含めてはいけません。

 

通所介護計画書の様式として、東京都では下記の書式を提示していますのでご参照ください。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/hoken/kaigo_lib/tuutitou/7_tuukai.files/keikaku-tyuui.pdf

 

⑪通所介護記録

日々のサービス提供の記録です。

様式は特に決まっていません。提供したサービス内容が具体的に分かるようになっていれば、実地指導上は問題ありません。ただし、入浴や機能訓練など加算の対象になっている事項は必ず記録に残さなければなりません。

 

また、ご利用者一人一人個別に記録するか、その日の利用者全員分を1枚の用紙で記録するかも自由です。

筆者としては、日々の記録は、利用者全員分を1枚で記録したほうが効率的だと思います。日々の記録をご利用者のファイルに全部保管することは分量が膨大になるため、お勧めできません。

 

月の提供表などと突き合わせて、サービスを提供している実態が確認できれば良いので、利用者全員分のシートを月ごとにファイルしておく方が良いと考えます。

 

通所介護記録に記入するべき事項としては一般的に以下のような事項ですが、あらかじめ印刷しておいたり、チェックで済むような様式にするなどきるだけ簡便に記録できるようにします。

最近ではタブレットなどを利用して簡便に記録できるアプリなどもあります。

 

〇年月日

〇利用者名(あらかじめ印刷)

〇利用時間

〇バイタル数値

〇服薬

〇水分摂取量

〇レクなどの活動内容(チェック式)

〇個別機能訓練内容(チェック式)

〇食事(主菜・副菜・おやつ)

〇排泄(回数や状況)

〇入浴状況

〇特記事項

〇サービス提供タッフ職・氏名(あらかじめ印刷)

なお、通所介護記録は後に説明する業務日誌とは区別します。

〇通所介護記録=ご利用者の記録、業務日誌=事業所の記録です。

 

⑫連絡帳

ご利用者のご家族との連絡帳も介護記録の一部と考えて良いでしょう。

しかし、運営規定上必要とはされていませんので、サービスの一環で作成するものと考え、ご家族との信頼関係を醸成するツールと考えた方が良いと考えます。

記入する内容は通所介護記録と同じ内容プラスご家族への連絡事項となりますので、どのようなものにするかは業務の効率化とご家族へのサービス向上の観点から選択したいところです。

 

⑬モニタリング(評価)

要介護のご利用者の場合、モニタリングは介護記録や体力測定の記録そのものですので、特定の様式を作成する必要はないと思います。

ただし、短期目標及び長期目標に対する評価はそれぞれ設定された期間で実施する必要があるため、通常は通所介護計画書に一体化する方が便利かと考えます。

 

予防介護の場合はモニタリングが義務付けられていますので、別途「モニタリング評価表」などの様式で作成することが必要ですが、通常、予防介護関係の様式は、各包括で用意している場合が多いのでご相談ください。

 

⑭個別機能訓練関係の書類(体力測定・運動サービスの内容など)

加算を取得する場合の書類については最後にまとめてご説明しますが、加算を取得していなくても機能訓練については記録を残しておきたいものです。

 

運動サービスの提供は介護保険制度における通所介護サービスの役割の中でも特に重要なサービスです。下肢筋力が弱っていない高齢者などほとんどいないわけですから、週1・2回デイサービスに通い適切な運動をすることは、高齢者の体力維持強化のために非常に重要です。国の調査でも要介護度の悪化を防ぐことは明らかになっています。

 

従って、たとえ認知症専門のデイサービスであってもデイサービスであれば運動サービスは必ず提供したいものと思います。

 

加算を取得していない場合は、アセスメント、通所介護計画書、通所介護記録、体力測定記録などで、どのような運動サービスを提供しているかわかりますので、適切な記録が残っていれば専用の様式は必要ありません。

 

⑮当該利用申込者へのサービス提供を他の事業者へ依頼したことがわかる書類等

何らかの都合(満員・日程が合わないなど)で自事業所でサービス提供できない場合、他の事業者にサービス提供依頼をしなければなりません。

そのようなケースがあった場合は、業務日誌などにその旨を記録しておきます。

 

⑯居宅介護事業所への情報提供に関する記録・居宅介護支援事業者へ連絡をしたことがわかる書類等

ケアマネージャーとの連絡はファックスやメール・電話・直接訪問など様々な方法で行われます。

ファックスの場合はその物を該当するご利用者のファイルに綴じておけば良いでしょう。メールの場合は印刷して同様に綴じておきましょう。

電話・直接訪問の場合は、ご利用者ファイルの最初に綴じてある「連絡記録(支援経過)」に記入しておけばよいでしょう。

 

⑰相談・助言を記録した書類等

生活相談員などがご利用者から相談を受け助言をした場合などは、簡単なものであれば「連絡記録(支援経過)」に記入しておけば良いと思います。

その他、こうした相談・助言に関する資料があれば、利用者ファイルに綴じておきます。

 

⑱区市町村に送付した通知に係る記録 (事故報告書など)

サービス提供中に転倒事故などがあった場合は、必ず区市町村に事故報告を提出しなければなりません。

様式は区市町村の介護保険課などに問い合わせてください。

 

⑲利用者の届出書控等及び法定代理受領サービスの提供を受けるための援助

区市町村などへの届出などを援助した場合はその書類のコピーを保管しておきます。

 

⑳その他

事業所によってはご利用者の写真やご家族からの手紙、その他関係する資料をお持ちの場合もあるでしょう。

それらはみな基本的に個人情報ですので、利用者ファイルに綴じて、鍵付き書庫に保管します。

 

以上が個別ファイルに保管しておくものを中心にご利用者様の情報関係書類になります。

なお、「介護予防・日常生活支援総合事業」に関する各種書類は、各区市町村によって違う場合がありますので、各区市町村にご相談ください。

 

次回は保険給付関係の書類について説明します。

 

 

 

 

通所介護 実地指導で準備しておきたい書類 ガイド その4

◆事業運営上必ず整備しなければならない書類Ⅱ

 

今回は業務上必要な書類のうち利用者ファイルの中身についてご説明します。

 

(1)利用者に関する各種書類(基本情報・アセスメントなど)

 

利用者に関する書類は利用者ごとに少し厚めのファイルに整理しておくことが大切です。きちんとしたファイリングできていると、実地指導の際も印象が良く、きちんとやっている事業所として評価してもらえます。

 

以下は、利用者ごとにファイリングしておきたい書類の一覧になります。

 

①連絡記録(支援経過)

個人ファイルの最初の部分に、ご利用者に関する情報や記録をなんでも書き込めるノート形式の用紙を付けておくと良いと思います。

 

ご本人やご家族からのお休みの連絡や、ちょっとした相談、ケアマネージャーへの連絡等をメモします。この記録は連絡の記録であるだけでなく、支援経過にもなりますので、ケアを検討する際、とても重要な情報になります

 

記載する項目は

〇 日付

〇 時間

〇 相手(ケアマネやご利用者)

〇 内容及び対応

〇 受付者氏名

です。

 

いわゆる連絡簿と同じですが、一冊のノートの連絡簿ですべてのご利用者を一まとめに記録するよりも、ご利用者一人一人で連絡簿を分けた方が、記録としては利用価値があります。

まとめたノートですと、支援経過にはなりにくく、実地指導などでは記録が分けられていた方が、この事業所は良いケアをしている印象を得るでしょう。

 

②利用申込書

ケアマネージャーから利用申込書を頂くのが通常の流れかと思います。

利用申込書の内容は特に決まりはありません。

利用を始めるに際して、事業所としてケアマネージャーに提供してほしい情報が簡潔に記入できる様式にすることが望ましいでしょう。

 

あまり、ケアマネージャーに負担をかけない方が営業的にも良いと思いますが、既往歴などの知っておかなければならないアセスメント情報は取得したいものです。

できるだけ簡便に書けるように、チェック式にするなど様式を工夫してください。

様式のひな型はネット上に沢山ありますので使いやすい物を修正して利用しましょう。

 

また、ケアマネージャーが許してくれればケアマネージャーの実施したアセスメントの情報を参考に頂くことも有効です。

しかし、アセスメントはあくまで通所介護事業者が実施しなければならないものですので、ケアマネからのアセスメントをそのまま、自分の実施したアセスメントにしてはいけません。

 

③被保険者証(再掲)

原本確認・絶えず最新のものを保管するよう注意してください。

 

④居宅サービス計画書(1)第1表

第1表には計画に対する利用者の同意の署名捺印欄がない場合があります。

また、サービス担当者会議で渡される計画書原本に署名捺印が未記入の場合があります。署名捺印欄に署名捺印が無い場合は、プラン決定後ファックスなどで署名捺印があるものを送ってもらった方が良いでしょう。

 

1表の様式そのものに署名捺印欄が無い場合は、「サービス担当者会議の要点の写し」に計画が同意された旨の記載があれば良いでしょう。

もしこの記載も無い場合、または原案を修正した場合などは、別途、同意を得たことを確認できる書類が必要ですので、ケアマネージャーから同意書などの写しを貰う必要があります。

 

また、利用期間のものがすべてそろっている必要があります。長くご利用されているご利用者の場合、抜けている場合があります。絶えず最新のものを保管するようにしましょう。

 

利用の長い方のファイルは煩雑になりがちです。古い書類は時々整理して、2年以上前の書類は、年度ごとに全員別ファイルにまとめておいても良いでしょう。5年たったら廃棄するスケジュールで良いと思います。

 

⑤居宅サービス計画書(2)第2表

2表では、通所介護計画書との整合性が問題になります。

通所介護サービスを利用する目的と長期目標・短期目標が、通所介護計画書の利用内容や長期・短期目標と合っている必要があります。

 

ただし、通所介護計画書の長期・短期目標の記載内容がケアプランに一字一句同じである必要はありません。より具体的な記載内容になっているなど、整合性が取れていればOKです。

 

当然、ケアプランに無いサービスが通所介護計画書にあってはなりません。

例えば入浴が必要なのに2表に記載がない場合は、修正してもらう必要があります。入浴サービスの記載がない場合は、入浴加算の返還になります。

 

⑥居宅サービス計画書(3)第3表(週間サービス計画表)

こちらも、通所介護計画書と合っている必要があります。違っている場合は必ず修正してもらいます。

また、保険給付単位のサービス提供時間と計画書の所要時間が合っていないと、給付単位を修正し返還しなければならない場合もありますので、注意しましょう。

 

⑦居宅サービス計画書第4表(サービス担当者会議の要点の写し)

サービス担当者会議に出席していない場合は、かならず「サービス担当者に対する照会(依頼)内容等 が記載されていることを確認します。

 

4表に自事業所の照会内容が記載されていない場合もありますから、できれば照会された際の文書を控えておくと良いでしょう。

 

⑧アセスメント1(基本的な情報)

通所介護のアセスメントの内容には特に決まりはありませんが、必ず、自事業所で実施しなければなりません。ケアマネジャーからアセスメントシートを貰えてもそれでアセスメントを実施したことにはなりません。

 

必ず何らかの様式を使い利用者の心身の状況を把握することが必要ですので注意しましょう。

 

以下はケアマネージャーが行うアセスメントの「課題分析標準項目」です。こうした項目が入っているアセスメントシートを入手し利用しましょう。

 

1.基本情報に関する項目

No. 標準項目名 項目の主な内容(例)
1 基本情報(受付、利用者等基本情報) 居宅サービス計画作成についての利用者受付情報(受付日時、受付対応者、受付方法等)、利用者の基本情報(氏名、性別、住所、電話番号等の連絡先)、利用者以外の家族等の基本情報について記載する項目
2 生活状況 利用者の現在の生活状況、生活歴等について記載する項目
3 利用者の被保険者情報 利用者の被保険者情報(介護保険、医療保険、生活保護、身体障害者手帳の有無等)について記載する項目
4 現在利用しているサービスの状況 介護保険給付の内外を問わず、利用者が現在受けているサービスの状況について記載する項目
5 障害老人の日常生活自立度 障害老人の日常生活自立度について記載する項目
6 痴呆性老人の日常生活自立度 痴呆性老人の日常生活自立度について記載する項目
7 主訴 利用者及びその家族の主訴や要望について記載する項目
8 認定情報 利用者の認定結果(要介護状態区分、審査会の意見、支給限度額等)について記載する項目
9 課題分析(アセスメント)理由 当該課題分析(アセスメント)の理由(初回、定期、退院退所時等)について記載する項目

2.課題分析(アセスメント)に関する項目

No. 標準項目名 項目の主な内容(例)
10 健康状態 利用者の健康状態(既往歴、主傷病、症状、痛み等)について記載する項目
11 ADL ADL(寝返り、起きあがり、移乗、歩行、着衣、入浴、排泄等)に関する項目
12 IADL IADL(調理、掃除、買物、金銭管理、服薬状況等)に関する項目
13 認知 日常の意思決定を行うための認知能力の程度に関する項目
14 コミュニケーション能力 意思の伝達、視力、聴力等のコミュニケーションに関する項目
15 社会との関わり 社会との関わり(社会的活動への参加意欲、社会との関わりの変化、喪失感や孤独感等)に関する項目
16 排尿・排便 失禁の状況、排尿排泄後の後始末、コントロール方法、頻度などに関する項目
17 褥瘡・皮膚の問題 褥瘡の程度、皮膚の清潔状況等に関する項目
18 口腔衛生 歯・口腔内の状態や口腔衛生に関する項目
19 食事摂取 食事摂取(栄養、食事回数、水分量等)に関する項目
20 問題行動 問題行動(暴言暴行、徘徊、介護の抵抗、収集癖、火の不始末、不潔行為、異食行動等)に関する項目
21 介護力 利用者の介護力(介護者の有無、介護者の介護意思、介護負担、主な介護者に関する情報等)に関する項目
22 居住環境 住宅改修の必要性、危険個所等の現在の居住環境について記載する項目
23 特別な状況 特別な状況(虐待、ターミナルケア等)に関する項目

 

ただし、通所介護の場合、上記以外に、「機能訓練」や「口腔機能」のアセスメントが必要になる場合があります。加算を取得している場合は必ず必要です。加算を取得している場合に必要な書類は最終回にご説明します。

 

⑨アセスメント2(サービスを利用してから調査する体力測定など)

サービスを開始してから実施する体力測定の内容もアセスメントになります。

機能訓練加算を加算していない場合でも、体力測定を実施している事業所は多いのではないでしょうか。

 

通所介護での運動は今後ますます重要になります。認知症のご利用者の多い事業所でも積極的に運動サービスを提供する必要がありますので、通所介護事業所であれば、できるだけ体力測定を実施したいものです。

 

体力測定は、毎月、継続的に実施することで重要なモニタリングになります。長期・短期目標の評価材料にもなります。

 

事業所によってはこうした記録を個別ファイルにせず、他の利用者と一緒にファイルしている場合がありますが、できれば個別にファイルしておいた方がケアの内容が良くわかり、実地指導などでは好印象につながるでしょう。

 

標準的な測定の項目は以下の通りです。

〇握力

〇開眼片足立ち時間

〇5m間(通常・最大)歩行

〇Timed up go

〇下肢筋力(可能であれば)

 

実際の測定方法については以下のマニュアルをご参照ください。

http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1d.pdf

「運動器の機能向上マニュアル」東京都老人総合研究所

 

 

次回は、通所介護計画書など業務上必要な書類の続きをご説明します。

 

 

 

通所介護 実地指導で準備しておきたい書類 ガイド その3

◆事業運営上必ず整備しなければならない書類

 

 既に整備されている事業所も多いとは思いますが、ときどき内容を確認し、事業所の実態と整合性が取れているかを見ておくことも大切ではないかと思います。

 

(1)指定申請書の写し

 

指定申請書には以下のものを含みます。以下の内容に変更があった場合は変更届を提出していなければなりません。

 

①履歴事項全部証明書(申請時)

②事業所の平面図

③運営規程(利用料その他の費用、実施地域等の確認)

④従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表(管理者・生活相談員・看護師などの氏名及び兼務関係が明示されている)

⑤上記の従業員に関わる資格証

⑥労働者派遣会社と事業者との派遣に関する契約書の写し(看護師・機能訓練指導員等)

⑦建築物の法令適格確認書類

 

そもそも、指定申請書は申請時に写しを保管しておくことが大切です。そのことの説明が申請時に無い場合もありますので、新規申請時には注意しなければならない事項です。

 

 

(2)変更届の写し

 

上記、指定申請書関係の変更届の写しです。こちらも提出時は必ず写しを保管しておくように注意しなければなりません。

変更届が必要な場合の変更内容は以下の通りです。

 

①会社登記事項の変更(会社名、本社住所・電話・FAX番号、代表者及び役員、代表者及び役員の住所)

②事業所(施設)の名称・住所・レイアウト・改築・電話番号・FAX番号など

③管理者の氏名及び住所

④生活相談員、看護職員、機能訓練指導員

⑤運営規程(営業日、営業時間、サービス提供日、サービス提供時間、単位数、利用定員、従業者数、通常の事業の実施地域、利用料等)

 

営業日等が増加した場合は生活相談員などの人員補充が必要な場合があります。

 

変更届については各担当行政にご確認ください。東京都の場合は以下を参照ください。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/hoken/kaigo_lib/tuutitou/7_tuukai.html

 

 

(3)運営規程

 

運営規定の内容は実態に合っている必要があります。運営規定の変更届を行わずに勝手に営業時間等を変更してはいけません。

 

また、従業員数が変更している場合は変更届を出さなければならない場合があります。

自治体によって対応は異なるようですが、東京都の場合は申請時に以下のような記載をして有れば変更届は必要ないようです。

 

通所介護従事者

 

生活相談員 1名以上

介護職員 1名以上

看護職員 1名以上

 

運営規定に添付される利用料金は、介護保険料が改定になるたびに変更する必要がありますが、自治体により変更届が不要な場合がありますので、確認しましょう。

 

 

(4)契約書

 

契約書の内容については特に国として定めたものはありませんが、介護保険サービスが利用者と事業者の契約により提供されることや、サービス提供に関わる合意内容の明確化や紛争の防止を考慮し、わかりやすい内容であることが望まれます。

自治体によってひな型を提供している場合がありますので、確認したほうが良いでしょう。また、各種モデル契約書も出回っていますので、上述のポイントを押さえたわかりやすい物を利用することをお勧めします。

 

なお、自治体により、利用者及び事業者の利便性を考慮し、同一事業者が、(介護予防も含め)複数の種類のサービスを提供する場合、1つの契約書(共通契約書)により契約可能な場合があります。

 

同じ会社なのにケアマネや訪問介護・通所介護・福祉用具の担当者が次から次へと契約書を取り出して契約している風景を見ますが、利用者にとっては手間なことですから、共通契約書を利用することは良いことだと思います。

 

 

(5)重要事項説書(契約書別紙等)

 

重要事項説明書の内容は運営規定にプラスアルファした内容であることが一般的です。こちらもひな型や自治体からの提供がありますので「わかりやすい物」を利用したいところです。

ただし、基本的な事項は適切に説明できないければなりませんから、以下の事項は押さえておかなければなりません。

 

①事業者(法人)の概要

②利用する事業所の概要

③事業の目的と運営の方針

④提供するサービスの内容

⑤営業日

⑥営業時間及びサービス提供時間

⑦事業所の職員体制(従業者の職種、勤務の形態・人数等)

⑧サービス提供の担当者(生活相談員)及びその管理責任者(管理者)名

⑨利用料金

【通所介護費】

支給限度額を超えてサービスを利用する場合は、超えた額の全額負担

【加算】

延長加算、入浴介助加算、個別機能訓練加算、サービス提供体制強化加算、介護職員

処遇改善加算などの要件および額

【減算】

減算の要件(送迎を行わない場合の減算など)、減算額

【介護予防通所介護費】

【加算】運動器機能向上加算など

【自費料金】昼食、おやつなど

⑩キャンセル料

⑪支払い方法

⑫緊急時における対応方法

利用者の主治医、医療機関の名称、所在地、電話番号、緊急連絡先(家族等)、氏名(利用者との続柄)、電話番号

⑬事故発生時の対応

⑭苦情相談窓口

⑮サービスの利用にあたっての留意事項

⑯非常災害対策

⑰説明者氏名

⑱利用者署名捺印

 

なお、運営規定と重要事項説明書は相談室等にわかりやすく掲示する必要があります。

 

 

(6)個人情報の使用に関する同意書

 

ご利用者とご家族の代表者それぞれから署名捺印を頂き、同意を得る必要があります。

なお、この同意書の内容(利用範囲や保管方法など)は前述の「個人情報保護規定」に基づいて作成される必要があります。

個人情報の同意書と個人情報保護規定を別々に作成している場合は、内容に整合性があるか確認したほうがよろしいでしょう。

 

 

(7)被保険者証の写し

 

ご利用者の被保険者証は原本を確認し、写しを保管しておく必要があります。コピーをとった場合は、そのコピーに「○年○月○日 原本確認 ○○(確認者氏名捺印)」と記載しておくと良いでしょう。

また、期限が過ぎていたりする場合がありますから、必ず最新のものを保管しておくよう注意しましょう。

 

 

(8)事業所の宣伝・説明内容がわかるもの(パンフレット・ポスター・広告等)

 

虚偽や誇大な宣伝・広告が行われていないかチェックされます。作成している場合は隠さない方が良いと思います。

あまり知られていませんが、「病気が治る」や「認知症が良くなった」などの宣伝をすると各種医事法や消費者関係法令に抵触する場合がありますので、注意しましょう。

 

 

次回は、業務運営上必要な書類をさらに詳しくご説明します。