初の認定介護福祉士が誕生

 

 4月21日、認定介護福祉士認証・認定機構は、初の認定看護師が11名誕生したことを発表しました。

http://www.nintei-kaishi.or.jp/home/

「認定介護福祉士認証・認定機構 HP」

 

 

現場実践力を評価される認定介護福祉士

 

 筆者は介護福祉士の給与は、夜勤などをせずとも、現行のケアマネージャーレベルになるべきだと考えています。そうでなければ、将来にわたって日本の介護福祉は維持できないと思います。

 

 これまでの介護業界のキャリアアップの仕組みは、介護福祉士を経験した後、ケアマネージャーになることが、一つの道でした。

 しかし、直接現場で接する介護職のレベルが上がらなければ、利用者ニーズに的確に応えられないという現状があり、現場実践力のある介護福祉士の必要性が従来から訴えられていたところです。

 

 認定会福祉士ができたことで、現場実践力が評価され、キャリアアップの道筋が一つ増えたと考えたいのですが、今後この資格がどのように機能し、処遇などの面でどのように評価されていくか、注目されるところです。

 

 

認定介護福祉士とは

 

 認定介護福祉士は、能力の高い介護福祉士を認定し、その現場実践力を通して、介護課題の解決やスタッフの指導・連携、地域の介護力アップの仕事に当たれるようにしようとするものです。具体的には以下のような能力が必要とされています。

 

 

Ⅰ 十分な介護実践力

 

①リハビリテーション等の知識を応用した介護を計画・提供でき、利用者の生活機能を維持・向上させることができる。

 

②認知症のBPSDを軽減させることができる。

 

③障害特性に応じた介護が提供できる。

 

④心理的ケア、終末期ケアを実践できる。

 

 

Ⅱ 介護職の小チーム(5~10名)のリーダーへの教育・指導、介護サービスのマネジメントを行う力

 

①介護職の管理・運用を行い、介護サービスマネジメントや人材育成に責任をもち、上司等にも働きかける。

 

②介護計画に利用者や家族のニーズが反映されるようアドバイスをするとともに組織的に介護サービスが提供できるように取り組む。

 

③介護の根拠を説明し、指導するとともに内省を習慣づける。

 

④記録様式などサービス管理に必要なツールを改善・開発できる。

 

⑤介護職チームの意識改革、サービスの提供方法や提供体制の改善、研修プログラムの編成等を行い、新しい知識・技術・実践をチームに浸透させることができる。

 

 

Ⅲ 他職種やそのチームと連携・協働する力

 

①他職種からの情報や助言を適切に理解し、介護職チーム内で共有し、適切な介護に結び付ける。

 

②利用者の日ごろの生活状況と、それを踏まえた介護の実践内容を、論理立てて他職種に伝える。

 

③利用者の状態像の変化に気づき、その状況を適切に他職種に伝え、連携を図ることで、利用者の状態像の悪化を最小限に止めることに寄与する。

 

 

Ⅳ 地域とかかわる力

 

①家族に対して、生活環境の整備、相談援助等ができることで、家族の不安を軽減し、適切なかかわりを支援する。

 

②地域におけるボランティア、家族介護者、介護福祉士等への介護に関する助言・支援ができる。

 

③施設・事業所の介護力を地域の人々のために活用できる。

 

④介護に関する地域ニーズを把握・分析することができる。

 

 

ケアマネージャーとの役割分担は?

 

 こうした能力を見てみると、ケアマネージャーの役割と被る部分が多く見受けられます。役割分担はどうなるのだろうという疑問が湧いてきます。

 

 機構の説明にはありませんが、筆者としてはトロイカ体制を目指すべきではないかと考えます。

 

 トロイカ体制とは複数の指導者により組織を運営していくことで、ロシアの3頭立て橇に見立てた言葉です。

 

 簡単に言うと、今まで下に見られていた、介護現場職が、医療職やケアマネージャーと同等の地位に立ち、チームケアを実践していくことです。

 

 特別養護老人ホームで例えれば、各ユニットの介護リーダーに対する指導的役割を果たすということですから、その施設の介護部長のような役割を担うのだと考えます。

 

 そうすると、ホームの医療職やケアマネージャーと同等以上の役割を求められている感じがします。

 

 

認定介護福祉士になるには

  

 認定を受けるためには、介護福祉士としての実務経験5年プラス、600時間の研修を受ける必要があります。詳しくは以下をご覧ください。

http://www.nintei-kaishi.or.jp/certification/curriculum.php

「認定介護福祉士になるには」

 

 研修にはⅠ類とⅡ類があり、Ⅱ類はⅠ類の研修を受けたうえで、施設のユニットリーダーやサービス提供責任者等の現場実務を経験しながら、研修を受けることが求められます。

 

 つまり、実際の現場での経験を通じた実践力の獲得が求められています。

 

 ただ、医療的ケアの実践力などが評価されていないようですので、認定介護福祉士なのに喀痰吸引ができないのは如何なものかという疑問もあります。

 

 

今後、加算要件になるのかが重要

 

 例えばサービス提供責任者などの介護現場のマネージャーが、認定介護福祉士である事業所に対する加算などがどのように設定されていくかが注目されます。

 

 認定介護福祉士がいる事業所といない事業所とで給付に差が出なければ、認定介護福祉士の認定者は増えないと考えます。

 

 その加算を原資にして、介護職の処遇がさらに向上することを期待します。

 

 

 

 

 

 

 

地域の医療介護連携を加速するIT技術の導入について

 

IT導入補助金によりケア業務のIT化が加速する予感

 

 国はIT技術の導入による生産性の向上を目指した、IT導入補助金を始めました。

 https://www.it-hojo.jp/

 これにはもちろん医療介護事業も含まれており、この補助金を利用することにより情報共有化などの業務効率化を図る介護事業所も増えるのではないでしょうか。

 

 格安スマホやSIMの登場により月々1,000円程度の通信費でスタッフ全員がモバイルツールを持てるようになっています。

 いよいよ、ケア業務のIT化が加速しそうな気配がしてきました。

 

 

重度の方の在宅ケア推進にはIT技術の導入が不可欠

 

 筆者は訪問介護や看護などの在宅ケアの収益性向上のためには、レベルの高い医療的ケアの実施も含め、医療介護連携が不可欠だと考えています。

 

 重度の障害者や医療ニーズの高い高齢者などの、在宅療養生活を実現するためには、医療介護連携が重要であることは、介護保険制度が始まった頃より継続して訴えられてきたことです。

 

 施設や病院で生活している方でも、連携体制が整えば、実は在宅生活が可能な方が多くおられます。その意味で潜在的な在宅療養ニーズは非常に高いのです。

 

 しかしこの連携体制の充実は様々な理由によりなかなか進まない状況でした。

 特に施設や病院が充実している都市圏では、連携を進める主体がはっきりせず、行政や医師会などの利害が交錯し、思うような連携体制が構築できていないように感じます。

 

 

在宅療養は医師の負担が大きい

 

 在宅療養を支えるには、まず訪問診療が重要な役割を担います。

 

 しかし、365日24時間のケア体制を整えるには訪問診療医への負担が非常に大きく、これまでは、医師の地域医療に対する使命感だけで支えられてきた部分が多いと言われます。

 

 このことは未だに解消されておらず、休みもなく24時間体制で働いている訪問診療医は多く、そのためになり手も少ないという課題を抱えています。

 

 

IT化による情報共有で在宅療養は進展する

 

 そこでIT技術を導入し、訪問診療医チームによるカルテの共有などにより、医師の当番制対応を可能にし、一人の医師に負担がかからないようにするモデルが少しずつですが進んでいます。

 

 この方法が全国に広がれば、在宅療養は大きく進展するのではと考えます。

 

 今のところ、これらは一部法人の独自の取り組みであり、公的支援(一部自治体を除く)がない状況で行われています。

 

 今回の補助金の導入により訪問診療のIT化が加速することを望みたいと思います。

 

 

IT化により医療介護連携体制が強化

 

 上流の訪問診療がIT化すれば、下流の訪問看護や介護などの居宅サービスもIT化が進んでいくと考えます。

 

 現状でも、スマホなどにより現場で報告書を入力し、業務効率化は可能ですが、こうした情報が医師から介護まで共有できるようになることは、連携体制の構築には不可欠なことです。

 

 つまり、業務のIT化が上流からやってくるイメージです。

 

 

 

IT化に対応できない事業所は在宅療養ケアには参加できないかも

 

 逆に言えば、IT化に対応できない介護事業所は医療介護の連携体制からは除外される可能性があります。

 

 在宅医療のITフォーマットに合わせた業務ができなければそのチームには加われないということです。

 

 医療から介護までの統一されたシステム環境が整備されるまには、まだ数年はかかるとは思いますが、今のうちから業務のIT化には取り組んでおくべきかと考えます。

 

 特に、スタッフが現場でスマホやタブレットを使いこなせるようにしておくことは、早ければ早いほど良いと思います。

 

 

 

課題は個人情報保護のためのセキュリティー体制の確保

 

 情報の共有化には個人情報の保護の問題が付きまといます。

 

 事業所ごとに個別に利用者情報を管理している場合は、管理責任は事業所にありますので、責任の所在ははっきりしているのですが、クラウドなどにより多数の事業所が情報を共有する場合は、その情報の管理責任が誰にあるのかが不明確です。

 

 民間のIT事業者のシステムを多数の事業所で利用し情報を共有する場合、システムの脆弱性による個人情報の漏えいなどは、システム側の問題になるかもしれません。

 

 しかし、多数の事業所が情報を入出力する場合、どのようなトラブルが発生し、それぞれの事業所の責任がどこまでなのかはっきりしない部分があります。

 

 クラウドシステムにおける個人情報の管理の方法について、明確なガイドラインが必要でしょう。

 

 

 

介護ソフト業者も本腰を入れて売り込みを開始

 

 IT導入補助金はIT業界を騒がせています。

 

 介護ソフト業者もあちこちで自社のシステムの売り込みを開始しており、大手のカイポケもIT導入補助金の利用を呼び掛け、18か月無料お試しのキャンペーンを実施しています。

 

 すでに使っている介護ソフトはあるとは思いますが、もしモバイルシステムを試してみる機会があれば、この際ぜひ試用してみることをお勧めします。

 

 

 

 

 

 

サ付き高齢者住宅の囲い込み問題─関係居宅はケアプランチェックの準備を

 

サ付きの介護費が特養を超える

 

 サービス付き高齢者住宅(特定の指定なし)に入居している要介護3以上の利用者の介護費が、特別養護老人ホームの要介護3以上の入居者の介護費よりも高いという調査結果が大阪府で出されました。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/wg_dai23/shiryo1-1.pdf

「大阪府における介護施策の現状と課題、対応の方向性について」P11参照

 

 これに対して国は「囲い込み」の問題があるとして、次回の報酬改定で対策を講じたいという意向を示していますが、どのような対策を講じるのかは不明です。

 

 この問題のポイントは、サービス付き高齢者住宅は居宅サービスであり、在宅と同様、訪問介護や看護を利用しながらケアを受けるのだから、在宅介護並みの介護費に収まらなければおかしいということです。

 

 それが大阪府では在宅介護費はおろか施設介護費よりも高くなっているということです。これでは本末転倒でしょう。

 

 

この結果、何か引っ掛かる

 

 しかしこの調査、簡単にそのまま受け取れないものがあります。

 

 たとえば、平成28年の要介護5の居宅サービス利用者の平均介護給付額は25万円程度で30万円には届きません。

 

 特養は30万円前後ですから単純に比べれば、居宅サービスを利用したほうが断然、安上がりだという理屈になります。

 

 しかし、例えば独居の要介護5の利用者が、サービス付き高齢者住宅に入居し、毎日午前と午後に1時間ずつ訪問介護(身体)を利用し、さらに、訪問看護や訪問入浴を利用すると介護費は30万円を超えて、限度額近くまで行ってしまいそうです。

 

 通常のケアプランでは特養並みにお金がかかるのは避けられないような気がします。

 

 何か変です。

 

 

カラクリは家族介護コスト

 

 サービス付き高齢者住宅の入居者の多くは独居の高齢者(もしくは老夫婦)であり、家族の援助がなかなか受けられないということを考えなければなりません。

 

 一人暮らしの重度要介護者の、居宅サービス費の平均利用額のデータが無いので、明確な比較はできませんが、先に挙げた約25万円という居宅サービスの平均額には家族の助けが含まれています。家族同居の要介護5の場合、毎日の訪問介護は必要ない場合もあるでしょう。その分、居宅サービスの平均額は低く抑えられているのでしょう。

 

 

一部、過剰なサービスはある

 

 確かに、夜間の訪問介護が必要の無い人に夜間の割り増しサービスがプランニングされていたり、家事援助が身体介護で算定されていたり、一部、不適切なサービス提供があるとは考えられます。

 24時間のサービス体制は入居者にとっては安心ですが、夜間の身体介護がどこまで必要かは議論があると思います。宿直スタッフが配置されている場合、あまり必要の無い夜間の訪問介護を提供している例は多いかもしれません。

 

 とはいえ、介護給付費の算定構造上、独居の高齢者、特に要介護3以上の重度利用者の給付費は、特養並みになるのは避けられないのではないでしょうか。

 

 つまり、独居の利用者の介護給付費は居宅も施設も変わらない。ということです。

 

 そのように算定構造を作っているのは国自身であり、それを改善するとなると、居宅介護費を減算するしかないような気がします。しかし、実際それは無理でしょう。

 

 

自治体によるケアプランチェックが先

 

 いきなり算定構造を云々するよりも、まず、サービス付き高齢者住宅に入居する利用者のケアプランチェックを、自治体がしっかりやることが重要でしょう。

 

 それを実施しないで給付費のマイナス改定は行えないと考えます。もし行ったら乱暴すぎますし、まじめにサービスを提供している事業所にとっては大打撃です。

 

 次期改定で何か対策をするにしても、まずケアプランチェックを実施してからであり、従って、筆者は近いうちに、都道府県や区市町村に対してその種の通達や指示が出されると考えます。

 

 

サ付きの居宅介護事業所は準備を

 

 サービス付き高齢者住宅の利用者のケアプランを作成している、居宅介護事業所はその点を考慮して、ケアプランの自己点検をしっかりしておく方が良いでしょう。不要なサービスを提供していないか自治体のチェックが入ります。

 

 合理的なケアプランにより、給付費が居宅サービス費の平均額を超えていてもそれは仕方がありません。

 

 おそらくその利用者は独居であり、家族介護の助けを得られず、外部サービスに頼らざるを得ないわけですから。

 

 

現状、特養のコストより少しでも低ければ可ではないか

 

 今後、全国調査でどのような結果が出るかわかりませんが、特養のコストよりも少しでも低ければそれで可としなければならないような気がします。

 

 独居の高齢者は、今後さらに増えることになります。家族の援助は低減し、居宅サービス費の平均額も上がってくるでしょう。特に都市ではその傾向が強く表れます。

 

 独居の重度要介護者の給付費は特養も居宅も同じ、という考え方で、居宅の介護報酬に手を付けないことを祈ります。

 

 そもそも、サービス付き高齢者住宅は建設設備費や用地確保の面で、特養よりも税負担のコストメリットが大きいはずです。その点を加味して全体的な政策を考えてほしいと考えます。

 

 

 

介護職の外国人技能実習制度で人材不足は解消するか

 

 今回は、今年中に導入される予定の、外国人による介護職技能実習制度について考えてみたいと思います。

 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147660.html

「外国人技能実習制度への介護職種の追加について」

 

 

 外国人技能実習制度とは

 

 この制度は平成5年に創設されました。

 簡単に説明すると、国際協力事業であり、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としていす。

 これまで、農業・漁業・建設業・各種製造業などで受け入れが行われてきました。

 最長5年間の在留が可能ですが、その後は帰国して自国の産業に貢献することが求められています。

 昨今、一部悪質な受け入れ企業により、賃金の未払いなどの人権侵害行為があり、今年度から実習生保護強化などの面で制度の見直しが行われました。

 ここに介護事業が加わることになります。

 

 

 国内の人材不足対策ではない

 

 国は、この制度が、決して日本国内の労働力不足を外国人で補充して解消することを目的としたものでないことを明言しています。

 制度上、在留期間も最長5年であり、その後は帰国しなければなりません。実習終了後の継続在留許可は認められていないのです。

 

 しかし、今回、介護職に関わる議論を見てみると、将来、はっきりとした介護人材供給の制度にしたいという意思が見え隠れします。

 

 それがはっきりしたのが、別に発表された介護福祉士資格を取得した留学生に対する在留資格の付与です。

 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000150881.html

「介護福祉士資格を取得した留学生に対する在留資格「介護」の創設について」

 

 これは、外国人が介護福祉士の試験に合格し、継続的に介護職として働いている間は在留許可が下りるという制度です。

 

 今のところは、介護福祉士の専門学校等に通う必要があり、外国人実習生には適用されないようですが、将来、実習生が介護福祉士試験に合格した場合も認められるのではないかと考えられます。

 

 つまり5年間実習生として働いている間に勉強し、介護福祉士試験に合格した外国人を、継続的に介護人材として確保するという狙いです。

 

 

実習生の受け入れをするにはどうすればいいのか

 

 外国人実習生を受け入れるには、監理団体を通して行います。監理団体は商工会や公益法人、協同組合などで、営利目的の団体ではありません。

 「介護 外国人実習生 監理団体」で検索するといくつかの団体がヒットしますので探してみてください。

 

 実習生の受け入れには先の人権侵害問題もあり、いろいろな取り決めがあります。また、入管などの手続きもありますので大変複雑な業務が必要になります。監理団体はそうした業務を受け入れ企業と実習生の間に入って取り扱います。また、受け入れ組織に対する指導チェックも行いますので、当然、料金がかかります。

 

 つまり、手続きには結構な時間がかかるようです。また、実習生は現地で日本語教育を1年ぐらい受ける必要があります。介護職についてはまだ制度は始まっていませんので、受け入れたくてもすぐに受け入れることはできません。関心のある方は各監理団体に問い合わせてください。

 

 

実習生のコミュニケーション能力はどれくらい?

 

 介護職にはある程度の日本語の能力が求められます。

 国は入国時、日本語能力試験のN4レベルを求めていますが、実際に業務をするにはN3レベルが必要と言われています。

 

 N4は「基本的な日本語を理解することができる」レベルです。

 【読む能力】

・基本的な語彙や漢字を使かって書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる。

 【聞く能力】

・日常的な場面で、ややゆっくりと話なされる会話であれば、内容がほぼ理解できる。

   

 N3レベルとは「日常的な場面で使つかわれる日本語をある程度理解することができる」レベルです。

 【読む能力】

・日常的な話題について書かれた具体的な内容を表す文章を、読んで理解することができる。

・新聞の見出しなどから情報の概要をつかむことができる。

・日常的な場面で目にする範囲の難易度がやや高い文章は、言い換え表現が与えられれば、要旨を理解することができる。

 【聞く能力】

・日常的な場面で、やや自然に近いスピードのまとまりのある会話を聞いて、話しの具体的な内容を登場人物の関係などとあわせてほぼ理解できる。

 

 

 実習生はN4レベルで入国できますが、1年程度でN3に受からなければなりません。

 基本的には、現地でN4レベルまでの日本語能力を身につけてから日本に来ますが、日本に来てからも日本語の勉強を継続しなければなりません。

 

 もし、介護福祉士試験を受験するにはその上のN2レベル以上(新聞など難しい文章を読んで理解できるレベル)の日本語が必要になるでしょう。

 

 

訪問系事業は今のところ受け入れ不可

 

 訪問介護事業所等の受け入れは今のところ認められていません。これはコミュニケーション能力の問題や、日本文化や生活の理解が進まないと、サービスがうまく提供できないであろうということと、一人で訪問するわけですから実習生に対する不利益が起きる可能性が懸念されるからです。

 

 国がイメージしている受け入れ先は、施設系のチームで働くような職場でしょう。実習生が戸惑ってもすぐに指導者がフォローできるような体制が必要だからだと考えます。

 

 

受け入れ法人の条件は?

 

 経営が一定程度安定している機関として、原則として設立後3年を経過している機関に限定しています。その他以下の条件があります。

・ 受入れ人数の上限として、小規模な受入機関(常勤職員数 30 人以下)の場合、常勤職員総数の 10%までとする。つまり、常勤職員が10人であれば受け入れ人数は1人までです。

・ 受入れ人数枠の算定基準として、「常勤職員」の範囲を「主たる業務が介護等の業務である者」に限定する。

・ 技能実習指導員の要件として、介護職として5年以上の経験を有する介護福祉士等を求める。

 

 なお、給与に対する補助金はありませんが、厚生労働省関係の助成金が利用できる可能性があります。監理団体に問い合わせると良いでしょう。

 

 

小規模事業者にはあまりメリットは無い?

 

 結局、介護職の常勤職員が10名程度の小さな企業の場合、1人の実習生しか受け入れができません。そのために、先に述べた煩雑な業務を行い、さらに監理団体に費用を払うことはあまりメリットは無いかもしれません。

 

 大規模な企業や社会福祉法人がある程度の規模で実習生を受け入れることはメリットがあるでしょう。

 

 小規模事業者にとってメリットが出てくるのは、こうした実習生達が介護福祉士に合格し、継続的に介護職として働けるようになってからだと思います。おそらくそうなれば訪問介護などでも働けるでしょう。

 

 つまり5年先にこの制度によって、外国人介護職がどれだけ増えているかがキーになると思います。

 

 

 

介護事業所の人事評価の在り方について その2

 

今回は人事評価の評価基準についてです。

 

客観的な評価基準を設定するのは難しい

 

 一般的なサラリーマンの人事評価では、評価基準は以外に漠然としたものになっているようです。

 例えば、コミュニケーション能力や企画力、リーダーシップなどが売上などの業績評価と合わせて評価され、処遇に反映される仕組みが多いでしょう。

 

 一言でいうと、「組織に対する貢献度」が評価されると言って良いかと思います。

 しかし、貢献度と言われても客観的な基準を作ることはとても難しいのも事実です。ですから、人事評価は深いものなのです。

 

 

売上だけを評価基準にはできない

 

 たとえば学校の試験など、正解が明確であれば評価もしやすいでしょう。しかし、仕事では何が正解かということが、はっきりしない場合があり、売り上げ一つとっても本人の能力や努力とは別に、結果が出てしまう場合があります。

 

 たとえば、ファミリーレストランチェーンの店ごとの売り上げを評価して、売り上げの高いお店の店長のボーナスを沢山出したとしましょう。

 しかし、レストランの場合、立地条件や業務規模などの環境により、集客力は店長の力量とは別に決まってしまう場合があります。

 

 集客の厳しい支店を任されている店長がどんなに頑張っても、前述の売り上げの高い支店には負けてしまうこともあるでしょう。

 

 人事評価において後者の店長を低く評価し、前者の店長を高くしたら、どうなるでしょう。頑張っても売り上げの伸びないお店を任されている店長は、不満を持つに違いありません。

 

 大手出版社では儲からない純文学を漫画の売り上げが支えていると言われています。しかし、社員の給与は漫画も純文学も変わらないそうです。漫画の編集者ばかりが高給だったら、誰も純文学の編集者をやりたがりません。すると、日本の文学が衰退してしまうということにもなりかねないのです。

 

公務員は人事評価によるボーナス査定は無い

 

 一般的な公務員には業績評価によりボーナスに差がつくことはありません。期末手当や勤勉手当などと呼び、一律同じ月数(大体5か月分ぐらい)の金額が支給されます。

 従って人事評価によってボーナスが変わるということは無く、一般の会社員とは性質が少し異なります。

 

 介護事業の場合も、管理職以外は人事評価によりボーナスを変化させることはあまり好ましくないと筆者は考えます。

 人事評価はあくまで毎年の昇給や昇格(職級を上げるかどうか)の判断に用いられるべきであり、ボーナスの額に反映させない方が良いでしょう。

 

 現実には年の売上げ高によってボーナスの額は変わりますので、なかなか人事評価で増やしたり減らしたりすることも難しいと思いますので、大丈夫だとは思いますが、一般職の処遇については、ある程度一定であった方が、不満は出ないと考えます。

 

介護の一般職員の評価基準

 

 評価基準や評価項目に悩むときりがありません。

 できるだけシンプルに人事評価を導入して、組織の能力を向上させるには、基準も外部のものを活用していけばよいと思います。

 

 幸い、厚生労働省が在宅介護職の評価基準を作成しています。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000093927.html

「職業能力評価シート(在宅介護業)」

 

 今のところ訪問・通所・訪問入浴しかありませんが、今後、他の業種の評価基準が追加されることを願います。

 

 使い方は「職業能力評価シート(在宅介護業)」に含まれていますので、参考にしてください。

 なお、評価項目によっては、その職員が実際に行っていない項目も含まれています。その場合はその項目の評価はできませんので、無理して評価する必要はありません。評価指標としては○や×を付けず、-などにして評価の合算には加えない方が良いでしょう。

 

 

管理職が普段、部下の仕事ぶりを見てい無い場合は?

 

 管理職が評価する場合、実際にはその職員の仕事ぶりを日常的に見ていない場合があります。その場合は、自己評価のあと、実際に仕事ぶりを知っている直属の上司(リーダーや主任など)に当たる職員に評価をしてもらい、その上司とよく意見交換し評価を決定すると良いでしょう。

 

 人事評価で管理職でない職員が部下を評価する仕組みは形式的にあまり好ましくありません。

 人事評価はその管理職が管理する組織の評価に最終的につながってきますので、管理職が責任をもって行わなければなりません。

 

 また、普段はあまり一緒に仕事をしない管理職が、一般職員と年に1回仕事のことを話し合うことで、普段身近に居る直属の上司には言いにくいことも言える場合があります。

 その上司に対する不満もその一つです。それにより管理職は組織の問題点や弱点を発見することになりますし、職員にとっては不満の解消にもなります。

 

 

人事評価を実施するシンプルな目的

 

 人事評価を実施する目的をまとめてみましょう。

 先に述べたように組織の生産能力を向上させるための人事評価は、考えれば考えるほどきりがなく難しくなります。中小企業が取り組むにはハードルが高すぎます。

 従って、以下のような目的で実施するのだと、できるだけ簡単に考えて、導入することがポイントになります。あまり難しく考えないことです。

 

【中小企業が人事評価を導入するシンプルな目的】

 

① 年に1度管理職と職員が仕事のことについて話し合う場として実施する

② 毎年の昇給が適当かどうかを判断するために実施する

③ 昇格ができるかどうかを判断するために実施する

 

 以上の3つの目的で実施することにしてください。それ以上のことを考えると難しくなります。

 

 

評価者に対する講習は要らないのか

 

 「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」では評価者は講習を受け「アセッサー」という資格を取得しなければ、評価ができません。

 このアセッサーは評価を公正適切に行うために設定されていますが、人事評価を実施するために、評価者がこのアセッサーの講習を受ける必要はありません。

 

 職場の人事評価制度は上のような目的のために実施します。一方、「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」は介護職員の資質の向上を目的に実施されるもので、趣旨が異なります。

 「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」は言わば職場研修(OJT)が主眼です。アセッサーは仕事上、職員に何が足りないかを正確に見抜き、さらにはそれを教えてゆく能力が必要となります。

 

 一方、人事評価の目的は上記の目的ですので、組織や職員が納得して進められればそれで良いのです。

 

 

 この項終わり。

 

 

 

介護事業所の人事評価の在り方について その1

今後、人事評価は必要になる

 

 今年度の処遇改善加算の新Ⅰのキャリアパス要件に人事評価の項目が入りました。

 現状では人事評価を実施しなくても新Ⅰを算定することは可能ですが、今後、さらに加算がアップする場合には、職員の評価を適切に実施し昇給・昇格する仕組みが要件になると考えられます。

 

 キャリパス要件では「実技試験や人事評価」という表現になっていますが、介護職の仕事を評価するには実技は当然入ってきますので、実技評価を含んだ人事評価と考えて良いでしょう。

 

人事評価とは

 

 人事評価は組織が業務を推進していく上で、職員の仕事を適切に評価し、賃金やボーナスなどに反映させ、効率的で安定的な組織運営と業務推進を目指して行われるものです。

 人事考課や業績評価、能力評価などいろいろな呼ばれ方をしますが、いずれにしても、組織に貢献している人を評価し、貢献していない人を罰する、信賞必罰の考え方がベースにあると言えます。

 

 中小企業ではよく、優秀な人が辞めてしまい、あまり能力のない人が残ってしまうということを言われます。

 これは、能力を適切に評価し、処遇を高めることをしないために、起こります。また、優秀な人には仕事が集中するにもかかわらず、それに見合った処遇がされないことに不満を持つことも良くあります。

 介護事業所でもこの傾向はみられることでは無いでしょうか。

 

人事評価を導入するには

 

 人事評価を導入するには、人事専門のコンサルタントに依頼することも可能ですが、業種によって評価内容や方法が異なるため、自社の事業に完璧にマッチした制度を構築するには、相当の作業が必要です。

 また、人事評価制度は組織運営を最適化するためのツールでもあり、職員の能力を評価し処遇に反映さていく過程で、組織を効率化し、生産性を最大化する効果も求められてくる場合があります。

 経営学の中でも深く研究されている分野でもあり、中小企業が取り組むにはハードルが高すぎる面もあります。

 従って専門のコンサルタントに頼み、レベルの高い制度を導入するには、かなりの費用が掛かってしまうことを、ご承知ください。

 

 ここでは、まず簡潔に導入できる方法を考えたいと思います。

 シンプルな人事評価制度でも、導入効果は大きく、スタッフのモチベーションアップや組織課題の解決に貢献しますので、導入は大変意義があると筆者は考えています。

 

 処遇改善加算に対応したシンプルな人事評価制度の導入サーポートもCare Biz Supportで行っていますのでお問い合わせくださればと思います。

 

シンプルな人事評価制度の2つの評価方法

 

 通常、介護事業所には一般職員と管理職がいます。この職員区分で評価方法を変える必要があります。

 

  • 一般職員(現場で直接介護サービスを提供する職員)

 訪問介護事業所でいえば、訪問介護スタッフやサービス提供責任者(一部管理職である場合もあり)

【評価方法】

 一般職員は介護サービスの提供能力や組織人としての行動能力を評価します。これは介護技術や、組織内における円滑な業務の遂行能力(コミュニケーション能力など)や貢献度の評価になります。

 

  • 管理職(事業所のマネジメントや、会社のマネジメントに関わる職員)

 いわゆる課長級の管理者や部長級の職員、またその他の役員

【評価方法】

 管理職の評価は「業績評価」です。

 「業績評価」は事業所の売り上げや、会社の組織目標を達成できたか(新規事業所を適切に立ち上げたかなど)が評価の対象になります。

 

 処遇改善加算の要件では、まず一般職員の評価が求められていると考えて良いでしょう。

 

 実は、管理職の評価は簡単です。年度当初に目標を設定し、年度末にそれが達成できたかを役員会議などで評価すればそれで終わりです。

 

 難しいのは一般職員の評価の方であり、適切な評価ができないと、組織の生産性が低下してしまいます。

 

 一般職員の評価を実施するのは直属の管理職です。管理職にとっては部下の一般職員に頑張ってもらわないと、自らの業績目標が達成できないわけですから、その評価は仕事としてまじめに取り組まなければならない事柄になります。

 

 

まず会社の人事評価規定を作成する

 

 人事評価を導入するには、まず、それにかかわる規程類を整備しなければなりません。

 例として、「東京都職員の人事考課に関する規程」ご紹介しておきます。

 

http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1012590001.html(東京都職員の人事考課に関する規程)

 

 私は東京都の教育委員会で実際に6,000人程度の職員の人事考課業務に携わっていました。

 介護の仕事は公的サービスですから、公務員の人事評価制度を準用することが可能です。この規程におけるポイントを整理すると以下のようになります。

 

【人事評価規定を作成する際のポイント】

 

 ①一般職員の評価は直属の管理職が行う。

 ②毎年実施する。

 ③毎年同じ期日(10月1日など)に職員がみずからの職務能力について自己評価をする。

 ④職員の自己評価に基づいて、管理職が同様の評価をする。

 ⑤人事評価の内容を確認しながら、職員と管理職が面談し、評価内容や仕事のことについて話し合う(必ず1対1)。

 ⑥面談の内容は秘密厳守

 ⑦上記の過程を通じて、その職員のその年の評価が確定する(できるだけ納得してもらう)。

 

 なお、公務員では直属の上司以外の2次評価がありますが、介護事業所ではこれは必要ないでしょう。

 

 

 

重要ポイントは自己評価と面談

 

 毎年、職員が自分の仕事を自己評価し、管理職と面談することは、日頃の仕事では見えてこない様々な課題が見えてきますし、それを解決する糸口にもなります。

 

 面談では直接の仕事のことだけではなく、家庭のことや将来の目標なども話されると良いと思います。

 この際、管理職は秘密厳守をあらかじめ職員に説明しておく必要があります。

 

 人事評価を実施することで、職員にとって居心地の良い職場づくりも可能になってきます。

 説明と納得により、仕事の不満も解消しますし、不満が残る場合は、どうすれば解決できるかを考える端緒になります。

 

 これらは基本的に正社員に対する制度ですが、パート職員も年に1回みずからの介護技術を自己評価してもらい、上司(この場合は管理職でなくても良い)と面談することで、継続的な雇用につながると考えます。

 

 このように人事評価を導入することは大きな効果を上げると考えます。

 

 しかし、一般職員の評価をするには評価基準を設定しなければなりません。

 次回は、介護職の評価基準をどうすればよいかをご説明します。

 

 

 

 

平成29年度処遇改善加算 新Ⅰのキャリアパス要件について その3

 今回は新しく設定された(キャリアパス要件Ⅲ)について説明したいと思います。

 

新しく追加されたキャリアパス要件Ⅲ

 

 介護職員の平均給与を上げていくための政策として、処遇改善加算が今後も上がって行くかどうかは、介護報酬の基準額の見直しとのバランスで検討されるのでしょう。

 しかし、今回の要件追加を見ると、要件の小出しのように見えますので、今後も加算アップは行われると考えています。

 

 ただ、現状で、たとえば訪問介護の特定事業所加算の要件と処遇改善加算の要件がかぶっている部分があり、二重加算になっている状況も見受けられますから、この辺の整理は行われるような気がします。

 

キャリアパス要件Ⅲの内容は?

 

次のイ及びロの全てに適合すること。

 

介護職員について、経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準

に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けていること。具体的には、次の一から

三までのいずれかに該当する仕組みであること。

 

 イでは3つの要件が示され、そのうちいずれかに該当していれば良いので、今後すべてに該当する要件が加わる可能性があり、加算のアップを行える余白を残しています。

 

 それぞれについて説明いします。

 

経験に応じて昇給する仕組み

「勤続年数」や「経験年数」などに応じて昇給する仕組みであること

 

 こちらは要件Ⅰの「イ 介護職員の任用の際における職位、職責又は職務内容等に応じた任用等の要件(介護職員の賃金に関するものを含む。)を定めていること。」に似ていますが、こちらは職階の設定を求めているのであり、毎年昇給するような定期昇給の仕組みは求めていません。リンク

 

 新要件では、継続的にその会社で働いている人に、定期昇給の仕組みを求めていると言えます。もちろん毎年上がる仕組みでなくとも、3年ごとに昇給でもOKなのですが、一般的には毎年昇給するのが多いと思われます。

 

 また、他の介護会社に転職した場合など、介護の実務経験などを鑑みた(経験年数)給与設定をしなさいということも求めています。

 

 介護士や看護師など同業転職の多い職種では、転職のたびに給与がリセットされてしまう傾向がありますので、他の同業転職した場合でも、実務経験年数を考慮してほしいということでしょう。

 

 これを設定するには給料表を作成する方法が一般的です。

 例として「東京都職員給料表」をリンクしておきます。

東京都職員給料表

 縦軸に「号給」があり横軸に「職務の級」がありますが、「職務の級」が係長などの職階を意味します。そして縦軸の「号給」が定期昇給の区分割になります。これがいわゆる基本給と言われるもので、この上に、資格手当などの手当てが乗っていきます。

 毎年、通常に業務を遂行できた職員は上の号給にアップします。それがいわゆる定期昇給です。

 さらに、中途採用者は経験に応じて適当な号給からスタートとなります。どの号給からスタートするかは個別に判断されます。

 

資格等に応じて昇給する仕組み

「介護福祉士」や「実務者研修修了者」などの取得に応じて昇給する仕組みであること。ただし、介護福祉士資格を有して当該事業所や法人で就業する者についても昇給が図られる仕組みであることを要する。

 

 これは資格手当についての要件ですが、単純に手当を乗せるだけでなく、昇給する仕組となっていますから、職階も資格によって上がる仕組みになっていると良いと思います。

 例えば上の東京都のように1級から5級に職階が分かれている場合、

 無資格、介護初任者研修修了者、ヘルパー2級  →  1級職

 実務者研修修了者               →  2級職

 介護福祉士                  →  3級職

 

 という風に昇給昇格していく仕組みであると良いと思います。

 これと同時に、介護福祉士手当のような資格手当の付与があるとベターであると思います。

 

 ただし、介護福祉士資格を有して当該事業所や法人で就業する者についても昇給が図られる仕組みであることを要する。というのは、既に資格を取得し、就職してきた人も同様の処遇をしなさいということだと考えられます。

 つまり、介護福祉士の資格を持って就職した人は上の職階の例でいえば3級職からスタートしなさいということです。

 

 たとえば、介護福祉士の専門学校を卒業して入社してきた若い新入社員は3級職の低い号給からの基本給スタートになります。

 

 

一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み

「実技試験」や「人事評価」などの結果に基づき昇給する仕組みであること。ただし、客観的な評価基準や昇給条件が明文化されていることを要する。

 

 この要件の中ではもっともハードルの高い要件です。今回の要件設定では3つある要件のどれかを満たしていればよく、本要件が満たされていなくても、新Ⅰは算定できます。

しかし、今後さらなる処遇改善加算の上乗せがあるとするならば、必ずこの要件もクリアしなければⅠは取れないということになるでしょう。

 

 この要件を満たすためには、通常、賃金規定に「定期昇給」要件を明文化します。

 通常は1年間、問題なく業務を遂行できれば定期昇給する」と明文化すれば良いのですが、1年間、問題なく業務を遂行できれば」とは何ぞやということになります。

 

 昇給させるためには、その職員が1年間、問題なく業務を遂行できたかどうかを評価する必要があるのです。

 

 その評価をどのようにするか?

 それが一般的には「人事評価」というものです。

 「実技試験」が入っているのはキャリア段位制度との連携を考慮に入れてのことだと思いますが、現状、キャリア段位制度を定期昇給に反映させるには無理があります。

 なぜなら、定期昇給の評価は毎年、全職員を評価しなければならないからです。今のところキャリア段位制度のアセッサーによる評価を全員に適用することは不可能です。

 

 「介護事業所における人事評価」については次回で詳しく説明します。

 

 

イの内容について、就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備し、全ての介護職員に周知していること。

こちらは要件Ⅰの「 イ及びロの内容について就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備し、全ての介護職員に周知していること。」と同様の内容です。

平成29年度処遇改善加算 新Ⅰのキャリアパス要件について その1

 

 次回は「介護事業所における人事評価」のやり方について例をご紹介します。

 

 

 

平成29年度処遇改善加算 新Ⅰのキャリアパス要件について その2

 

キャリアパス要件Ⅱについて

 

 この要件はスタッフ研修に関する要件です。

 

 加算を算定するにはスタッフの研修をしっかりやらなければなりません。

 

 

次のイ及びロの全てに適合すること。

 

介護職員の職務内容等を踏まえ、介護職員と意見を交換しながら、資質向上の目標及び一又は二に掲げる具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会を確保していること。

 

 

 「介護職員の職務内容等を踏まえ」ということは、訪問介護や通所介護、そのスタッフが働いている事業所の仕事の内容を踏まえてということですが、実際には、介護福祉士試験の科目に対応した研修を実施すればOKであると思います。

 

【介護福祉士試験の科目】

 

1 領域:人間と社会

   人間の尊厳と自立

   人間関係とコミュニケーション

   社会の理解

2 領域:介護

   介護の基本

   コミュニケーション技術

   生活支援技術

   介護過程

3 領域:こころとからだのしくみ

   発達と老化の理解

   認知症の理解

   障害の理解

   こころとからだのしくみ

3 領域:医療的ケア

   医療的ケア

4 総合問題

   (ケーススタディー・事例検討)

5 実技試験

   (各種介護技術)

 

 詳しくは以下を参照ください。

http://www.sssc.or.jp/kaigo/kijun/attachment.html

 

 特にパートスタッフが多い事業所では毎年繰り返し上記の内容を研修することが良いでしょう。それがサービスの質の向上につながります。

 

 事業所の研修としては月に1回この科目を中心に研修会を実施するのがベストです。

 その研修会を中心に、たとえば、管理者やサービス提供責任者、生活相談員、機能訓練の担当者などは、職務に対応した「専門的な研修」を受けると良いと思います。

 

 「専門的な研修」は、事業所内で実施するのは難しいですから、外部の研修、例えば区市町村や社会福祉協議会が実施する研修、民間で実施している研修に参加すると良いと思います。

 専門の研修は、年1回でもOKです。

 

 実は月1回研修会を実施すると、特定事業所加算など他の加算が算定できるようになります。この点の説明は以下をご参照ください。

 https://carebizsup.com/?p=811

 

 この研修会は「介護職員と意見を交換しながら」となっていますが、基本的には

 

「利用者のニーズに応じた良質なサービスを提供するために、介護技術、コミュニケーション能力、協調性、問題解決能力、マネジメント能力等の向上に努める。」

 

 といった一般的な内容でOKです。もちろんスタッフからのリクエストに応えた研修内容にしても構いません。

 さらに認知症のご利用者が多いグループホームや小規模多機能居宅介護であれば、ユマニチュードなどの特別な認知症の研修を実施しても良いでしょう。

 つまり、スタッフが自分たちの介護サービスの向上につながる研修を自分たちで実施していく姿勢が必要になります。

 

 そしてその際、スタッフ一人一人が、自分に今足りない技術・知識の獲得するための目標を設定することが大切です。

「資質向上の目標及び一又は二に掲げる具体的な計画を策定し」というのは、その目標と研修計画を(基本毎年)作成し、実施していくことです。

 

 具体的な「資質の向上の計画(目標を含む)」例を以下に紹介しますので、参考にしてください。

https://carebizsup.com/wp-content/uploads/2017/01/f45ce2a97fb957ab75f2512496ffcfea.pdf

 

 なお、毎月の研修を実施する場合は以下の点に留意することが重要です。

 

「毎月の研修を実施する場合の留意点」

 ① 時間外に実施する場合は、正社員には残業手当、パート職員には研修手当などの金銭的補助を実施する。「研修の機会を確保」

 ② 必ず、出欠表と研修資料を保管しておく(実地指導でチェックされます)。

 ③ 欠席者には補講を実施する。もしくは事業所ごとなど数班に分けて必ず全員が受講する体制を確保し、補講の実施記録を保管しておく(実地指導でチェックされます)。

 

 

資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供又は技術指導等を実施(OJT、OFF-JT 等)するとともに、介護職員の能力評価を行うこと。

 

 ここでのポイントは「介護職員の能力評価」です。

 

 「介護職員の能力評価」は様々な方法があり、また、キャリアパス要件Ⅲに出てくる「実技試験」「人事評価」とも被ってきますので、この研修の要件の部分では、研修と連携している形態で実施するのが良いと思います。

 

 例えば、キャリア段位制度などを利用することも可能ですが、パートスタッフまでは無理ですし、人事評価もしかりです。

 パートスタッフまで含めた能力評価を実施するには、先に例示した「資質の向上の計画(目標を含む)」のように、年間の研修計画に付随して、スタッフ個別の目標を設定し、その目標が達成されているかどうかを管理者などが評価する方法が良いと思います。

 

 

資格取得のための支援(研修受講のための勤務シフトの調整、休暇の付与、費用(交通費、受講料等)の援助等)を実施すること。

 

 ここでは先に挙げた、「毎月の研修を実施する場合の留意点」を実施するとともに、外部の「専門的な研修」に参加するための費用負担や休暇(有給休暇)の付与を実施することになります。

 

 また、実務者研修の受講のための費用を会社が負担することや、介護福祉士の試験対策のための費用負担もこれに該当します。

 

 最近では、実務者研修の費用を地域行政が補助してくれる制度もあります。この補助制度を利用することも、この要件に該当するでしょう。

 

 

イについて、全ての介護職員に周知していること。

 

 この要件があるのは、つまりパートスタッフも含めて、全員に実施しなさいということです。

 ただし、この全員というのは介護職員だけで事務職や看護職・ケアマネージャーなどは該当しませんのでご注意ください。

 

 厳密に言えば、研修を実施することを全員に周知していれば良く、参加しないスタッフがいても構わないように感じます。

 

 例えばパートスタッフが研修に参加できないという事態は現実に起こりえます。

 この際、そのスタッフが全体研修に参加しなければならないということを認識しており、それでもなんらかの事情で参加できないということであれば、実地指導などであまりお咎めが無いということも言えます。

 

 まず、正社員については確実に研修を実施するようにしましょう。

 これは職務命令であり、資質の向上を怠る社員は罰しなければなりません。

 

 パートスタッフにもできるだけ参加してもらえるよう、継続的に働きかけることが大切でしょう。少しずつでも参加してくれれば、次第にそれが社風となり、必ず良い方向に向かっていくと思います。

 

 そのためにも研修手当の補助は非常に重要だと考えます。

 

 次回は、新たに設定されたキャリアパスⅢについてご説明します。

 

 

 

 

平成29年度処遇改善加算 新Ⅰのキャリアパス要件について その1

 

強化された新たなキャリアパス要件

 

 今年度から新たな処遇改善加算の加算率になり、新Ⅰの訪問介護では8.6%から13.7%となりました。従来に比べ5.1%の給与アップになります。

 

 単純に(旧Ⅰの処遇改善加算を上乗せしたうえで)これまで月給200,000円であれば、210,200円に増えるわけですが、今後も介護職員の処遇改善は継続されると考えます。

 

 その分、利用者負担が重くなる方向でしょうが、日本の介護サービスを継続していくにはいかし方がない部分もあると思います。

 

 筆者は介護事業を営む上で、加算は積極的に取得し、よりレベルの高いサービスを目指すべきだと考えて、事業をサポートさせていただいております。

 

 そこで今回は、新たなⅠを取得するための要件として、強化された新しいキャリアパス要件も含め、処遇改善加算算定のためのキャリアパス要件全般について、改めてご説明させていただきます。

 

 

キャリアパス要件Ⅰ

 

 すでに設定されている要件ですが、新しいキャリアパスとの区別をするためにも内容をご説明します。

 

次のイ、ロ及びハの全てに適合すること。

 

介護職員の任用の際における職位、職責又は職務内容等に応じた任用等の要件(介護職員の賃金に関するものを含む。)を定めていること。

 

 「任用」とは、その仕事をしてらうことを言います。

 ご存知のように処遇改善加算は、実際に介護サービスを提供している職員にしか支給できません(事務やケアマネージャーは対象では無い)。その意味で介護職員としての「任用」要件を定めている必要があります。

 

 よくある例としては、職務の難易度に応じて職位を階層化することです。この階層をキャリアパスと言います。

 一般の会社では、平社員、主任、係長、課長、部長などといった出世の階段がありますがこれのことを言います。

 

 介護現場では

 

①一般介護職 ②主任 ③リーダー職(係長級) ④管理者(課長級) ⑤事業部長

 

などという職階が考えられます。

 

【例1】訪問介護事業所

 

 ①訪問介護員(ヘルパー2級・初任者) ②主任訪問介護員(実務者・介護福祉士) ③サービス提供責任者 ④管理者 ⑤事業部長

 

【例2】通所介護事業所

 

 ①介護職(無資格、ヘルパー2級・初任者) ②主任介護職(実務者・介護福祉士) ③生活相談員(介護職兼務)④管理者 ⑤事業部長

 

 これらの任用要件を定めていなければならないのですが、要件Ⅰではただ定めていれば良く、客観的な基準などの明確化は求められていません。

 

 また、実際に会社にその職階の人がいなくても構いません。例えば会社の規模がまだ小さく「事業部長」が居なくても設定されていれば良いのです。今後会社が成長した場合にそのような職の人が任用されることを想定していればOKです。

 

 これは、基本的には就業規則や賃金規定で定めますが、多くの場合は賃金規定に定めていることが多いでしょう。

 

 旧Ⅰでは職階への任用を、例えば社長や事業部長が「経験や職務能力を評価して任用する」としていても構いません。

 

 単に下線のことが賃金規定などに規定されていれば良いことになります。

 

 

イに掲げる職位、職責又は職務内容等に応じた賃金体系(一時金等の臨時的に支払われるものを除く。)について定めていること。

 

 イで上げた職階に応じて、基本給が定められていることを求めています。

 つまり、出世したら給料が上がる仕組みです。

 

 例えば、月給(月の基本給)が

 一般介護職     200,000円

 主任        250,000円

 リーダー職(係長級)300,000円

 管理者       350,000円

 事業部長      400,000円

 

 という風に分かれて上がって行けばよく、毎年昇給するような定期昇給の仕組みは求められていません。

 

 この職階による給与設定は基本給でなければならず、賞与などの一時金で設定してはいけません。

 

 ちなみに、厚生労働省は処遇改善加算による介護職の処遇改善は、できるだけ、基本給のアップで行うよう指示しています。

 介護職の基本給をなんとか他の業種並みにしたいという国の施策的な要望が背景にあります。

 

 この規定は、パート職員についいてはとくに求めていませんので、基本的には正社員だけ定めていれば良いようです(自治体によっては求めてくる場合があるかもしれません)。

 

 ただ、非常勤職員でも主任級の仕事をしている人に、他の介護職パートよりも高い時給を払っている場合などはこの規定にあたります。

 

 

イ及びロの内容について就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備し、全ての介護職員に周知していること。

 

 会社の就業規則や賃金規定は社員に公開されていなければなりません。これは「就業規則の周知義務」といい、労働基準法で定められています。

 

第106条

「使用者は、就業規則を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない」

 

 賃金規定は就業規則に付属するものですから、同様に周知義務があります。

 

 つまり、この規定はわざわざ設定しなくても、労基法で決まっているわけですから、事業者は就業規則や賃金規定を社員に周知しなければならないのです。

 

 ところが、就業規則には会社にとって不利な、休暇の規定や休業等の規定が書いてあり、そういう制度を職員に知られたくないという経営者の意向が働きやすく、社員が特に求めなければ就業規則を見せない事業者もいるようです。

 

 こうした風潮は職員の会社に対する不信感を増長させる可能性がありますし、社員の定着率を下げます。ファイルにして職場に置いておくなどして、積極的に周知する必要があるでしょう。

 

 

次回はその他のキャリアパスについて解説します。

 

 

 

 

訪問系サービスのスタッフ獲得術・定着術 その9

人材確保にとって重要な事業所のホームページ

 

 これまで、述べてきた働きやすい職場づくりを実践しても、それをアピールしなければ人材は集まってきません。

 また、求人誌やハローワークに載せる求人情報ではどのような職場かを知ってもらうには限界があります。

 そこで活用したいのが会社や事業所のホームページです。

 

 介護事業所のホームページは主に利用者やケアマネージャー向けにサービス内容の紹介や、事業所の場所などを紹介するために作成されていることが多いでしょう。

 しかし、仕事を探している人にとっては、このホームページが非常に重要な情報源となることを認識しなければなりません。 

 仕事を探している人は、求人誌やハローワークで求人情報を見て興味を持った場合、ほとんどの人がその会社や事業所のホームページを検索して、どんな職場なのかを知ろうとします。 

 そんな時、ホームページが事務的な内容でしかない場合、また、働きたいと思わないような内容であった場合、その人は応募することを控えてしまうでしょう。

 ホームページの内容が充実していて、職場の雰囲気が良く伝わってくるようなものであり、「良い雰囲気だな」と思えば応募してくれる確率も高いと言えます。

 

 

無料でホームページを作ることもできる

 

 ホームページを作るにはお金がかかると思っている方も多いでしょうが、無料で作成する方法もあります。

 多少のパソコンの知識があれば作成は可能です。

 もちろん作業時間が必要になりますが、外注で作るにしても、人手不足の悪循環から脱出するためには、多少の投資は必要であると考えます。

 

 現況で筆者が使ったことがある無料ホームページ(ウェッブサイト)では以下のものが使いやすかったと感じています。

 多少広告が入りますが、写真などのコンテンツがあれば簡単にホームページを作成することができ、専用のソフトを使うよりも簡単です。

  https://jp.jimdo.com/

 

 他にも無料で作れるサイトは多くあります。どこにするか選択するヒントとしては、自分の好みのテンプレートがあるかどうかで良いと思います。デザインの趣味などが自社にあっているものを選びましょう。

 https://bge.jp/free-homepage/

 

 

どんなホームページを作るのか

 

 ではどのようなホームページを作れば良いのでしょう。

 一言でいえば、「職場の雰囲気が伝わるホームページ」だと思います。

 

 デザインのかっこいいイカシタホームページである必要はありません。そこで働いているスタッフやご利用者の雰囲気が伝わってくるホームページが、人材確保には有効なホームページだと思います。

 もちろん、これまでに述べてきた働きやすさのアピールもしっかり行いたいものです。

 筆者が関わっている会社の例を以下に紹介します。

 

 株式会社ケア・プランニング

 http://www.best-kaigo.com/

 株式会社ナック(さんしゃいんヘルパーセンター)

 http://sunshine-helper.com/

 

 ホームページを作る場合のポイントは以下のようになります。

 

1 スタッフの働いている姿が分かる

 写真はできるだけたくさん掲載することをお勧めします。写真が多ければ多いほど雰囲気は伝わりやすいです。

 その際、ご利用者とスタッフの触れ合いの場面など、仕事が楽しく行われている雰囲気が伝わる写真が、多いと良いでしょう。

 なお、ご利用者の写真を掲載する場合は、許諾を得る必要があります。

   「肖像権使用同意書例」

    http://www.caremanagement.jp/?action_download_detail=true&lid=2681

 

2 求人情報のページを必ず設ける

  ここで働きやすさをアピールします。

 

3 事業所の特徴があれば積極的にアピールする

 上に紹介した株式会社ケア・プランニングでは、小規模多機能居宅介護にソフトバンクのペッパーがいてそれが特徴として前面に紹介されています。なんだか楽しそうな職場です

 

4 スマホで見た場合もきちんと伝わるように作成する

 最近はPCを持っていない人もいますので、スマホでも見られるサイトにしなければなりません。

 

 なお、業者に発注する場合、上記のようなコンセプトを明確に伝えないとステレオタイプな、どこにでもあるようなホームページになってしまう場合があります。

 また、更新のたびに料金が発生してしまう場合もありますから、よく相談して発注したほうが良いでしょう。

 自作の場合はそのリスクはありませんので、自作できたらその方が良いかもしれません。

 

 

各種ネット資源を活用する

 

 ホームページは1度作成したら、求人情報以外あまり更新する必要の無いように作成するのが良いと思います。

 そのかわり、FacebookやInstagramなどのSNSを活用し、イベント情報や日々変わる情報をアップしていきます。

 ホームページにリンクしたり埋め込んだりすることで、訪れた人に事業所の動きが伝わるようにしましょう。

 

 また、YouTubeなどに動画をアップしてホームページ埋め込むのも効果的ですホームページ埋め込むのも効果的です。例えば新人スタッフの紹介など、テキストを入力しなくても簡単にできるので便利だと思います。

 

 訪問介護や訪問看護の場合、仕事の現場を撮影した動画があまりネットにアップされていません。

 仕事の内容を知ってもらうためにも、そのような動画を掲載するのもアイデアだと思います。

 

 

 この回、終了。